2021年06月21日
ヘルスケア産業における世界有数のサプライヤーとして画像診断装置などを提供するシーメンスヘルスケアへの転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
ドイツに本拠を置くSiemens Healthineersの日本法人で、医療機器の輸入販売を手がけるシーメンスヘルスケア。CT、MRI、X線撮影装置など画像診断におけるグローバルリーダーとして、製品群やサービスの革新的な発展に努めています。
同社では、これからの医療サービスの中核になるのは新たなバリューであると考えています。その実現に向け、ヘルスヘア産業に関わる責任感を持ちながら、常にイノベーションを追求していく社風のようです。
口コミでは、「年功序列はなく、実力主義」「休みも取りやすいが人間関係は日系より希薄」といった声が聞かれ、実力主義という外資系らしさと、長く勤められる日系らしさを併せ持つ風土であることがうかがえます。また、本拠地がドイツということもあって、女性活用にも積極的です。その他、「グローバル企業なのでいろいろな人種と仕事ができ、海外渡航及び駐在のチャンスは非常にある」「扱うものがCTやMRで高額なので、病院内でもポジションの高い方と接することができる」など、やりがいに関する口コミも目立ちました。
ヘルスヘア産業に関わる責任感を持ちながら、常にイノベーションを追求していく。このような社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
同社の求人情報は、Siemens Healthineersのコーポレートサイトで確認することができます。サイトには現役社員のインタビューも掲載されていますので、必ず目を通しておきましょう。また、一部求人については求人サイトや転職エージェントを通じての応募も可能です。キャリコネにも情報が掲載されていますので参考にしてください。
選考プロセスは、書類選考と3回程度の面接で構成されるのが一般的ですが、職種によっては英語や専門知識を問う筆記試験も課されるようです。口コミ情報によると、最終面接では外国人上司が同席するケースが多いとのこと。必要とされる英語力は部署やポジションにより異なりますが、ビジネスでコミュニケーションを取れる程度の英語力は必須でしょう。
質問内容は多岐に渡りますが、いずれの場合も論理的な回答が求められます。特に、「なぜシーメンスなのか?」「なぜやりたいのか?」という質問に対しては、「なぜできるのか」「どんな価値を生み出せるのか」という点を明確にしてアピールすることが重要です。面接経験者からは、「今までの職場での実績は必ず聞かれるので、うまく説明できるように事前にまとめておいたほうがいい」というアドバイスの声があがっていますので参考にしてください。
なかには、「1億円売るためにはどういった戦略をつくる?」という質問をされた人もいます。自分なりの仮説を持って論理的に回答するためには、日頃から物事を構造的に捉えるトレーニングが必要でしょう。
研究開発職として応募した面接経験者からは、「学術発表などの、形に残る結果を残しておくことが大変重要」というアドバイスがありました。応募職種に応じて専門能力をアピールできるように準備を進めましょう。
同社を傘下に置くSiemens Healthineersでは、「Purpose(目的・存在意義)」「Mission (使命)」として下図の内容を定めています。
1896年、業界初となる医療用X線装置の製造を開始したSiemens Healthineers。120年以上の歴史に甘んじることなく、新たなバリューこそがこれからの医療サービスに不可欠だと考えています。そのための、「プレシジョン・メディシンの拡充」「医療サービス提供の変革」「ペイシェント・エクスペリエンスの向上」「医療デジタル化の推進」というMissionは社員に定着し、社員の自己成長にもつながっています。さらに、これらの実現を通じてイノベーションを追求する姿勢を大切にしています。
Siemens HealthineersのPurposeとMissionは、同社で仕事をするうえで基本となる考え方ですので、内容をしっかりと把握して自己分析に落とし込みましょう。
Siemens Healthineersコーポレートサイトより
シーメンスヘルスケアの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ、シーメンスヘルスケアなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「入社後にやりたいことは何か」「それがここで可能なのか」といった点はもちろん、「理念やカルチャーにフィットする人材なのか」という点です。
ヘルスヘア領域企業の中でなぜ同社なのかという質問に答えるためには、他社との違いを明らかにしておく必要があります。事業内容だけではなく、理念やカルチャーについても他社研究をしておきましょう。外資系企業との比較はもちろんのこと、日系企業との違いも語れるように整理しておくことが重要です。
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
日本メドトロニック株式会社
アボットメディカルジャパン合同会社
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
企業研究を通じて、シーメンスヘルスケアの方向性や求める人材像が見えてきたのではないでしょうか。
面接では、ヘルスケア領域におけるリーディングカンパニーの一員として、イノベーションを起こせる人材であるかが見極められます。医療に貢献する意欲とともに、自己成長に対するポジティブな姿勢を示せるようにしましょう。面接では常に論理的な回答が求められるため、問題の本質を捉えて構造化するトレーニングを積んでおくことが望まれます。
また、面接の傾向を知るためにも過去実際にあった質問内容をおさらいしておくことも忘れないようにしましょう。以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に対する答えを短時間でまとめられるよう、しっかり準備を進めてください。
シーメンスヘルスケア株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
シーメンスヘルスケアの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「ヘルスヘア産業に関わる責任感を持ちながら、常にイノベーションを追求していく」という社風にフィットした人材であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
Siemens HealthineersのPurposeとMissionを理解し、これに沿った自己分析をおこない自己PRにつなげる。
競合他社についてもよく研究し、「なぜシーメンスヘルスケアか」に対する答えを明確にしておく。
上記のポイントを参考に自己分析や企業研究を進め、面接当日はポジティブな姿勢で臨みましょう。
この記事の執筆者