2021年06月21日
シティグループ・ジャパン・ホールディングス傘下で、投資銀行業務などを展開するシティグループ証券への転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
米国シティグループの日本法人として位置づけられる「シティグループ・ジャパン・ホールディングス」に属し、投資銀行業務、セールス・トレーディング業務、リサーチ業務などを展開しているのがシティグループ証券です。そのルーツは、1999年に米国シティグループと当時の日興證券の合弁により設立された「日興ソロモン・スミス・バーニー証券会社」に遡ります。そうした経緯もあり、日系証券会社からの転職者も比較的多いといいます。
口コミからうかがえるのは、性別を問わず優秀な人材が集まり、中途社員が活躍しやすい環境であるということです。優秀な先輩から吸収できることが多いため、意欲ある若手にとっては成長機会に恵まれた職場であると言えます。報酬や待遇の良さに言及するコメントも多く見られました。
一方で、会議ひとつをとってみても、日系とは比較にならないほどの精度とスピード感を求められるという声も。同社では、常にプロフェッショナル意識を持って問題の本質に向き合い、自律的に行動する姿勢が求められます。また、社内外を問わず、コミュニケーションやプレゼンテーションには英語が欠かせません。こうしたことから、受け身の人にとっては非常に厳しい環境だと言えるでしょう。
プロフェッショナル意識を持って問題の本質に向き合い、自律的に行動する。このような社風にフィットして活躍できる人材かどうかを、採用面接では見極められます。
同社の中途採用情報では、グローバルサイトから検索することが可能です。2021年4月現在、「クオンツアナリスト」「エクイティセールス」「内部監査」など、40以上の職種において募集がおこなわれています。勤務地は東京がメインですが、沖縄オペレーションセンターでの「証券業務責任者」も募集されています。情報は随時アップデートされますので、転職を希望する場合にはこまめにチェックするとよいでしょう。
面接フローは職種やポジションによって大きく異なりますが、一般的には書類選考と複数回の面接で構成されています。くわえて、適性検査が実施されることもあるようです。選考期間はケースバイケースですが、一般的には1ヶ月から2ヶ月程度が見込まれています。ハードな選考過程を乗り切るためのスタミナが必要でしょう。
これまでの経験や入社後のビジョンといったオーソドックスな質問から、専門知識を必要とする質問まで、その内容は多岐にわたります。いずれの場合にも、論理的かつ具体的な回答が求められます。また、フェルミ推定を必要とする質問への対策も必須です。
面接の雰囲気についての口コミでは、「他の外資系証券会社に比べると、穏やかな面接官が多い」といった声が聞かれる一方、「高圧的に感じた」という声も出ています。高圧的に感じた場合でも、落ち着いて自分らしさを見失わずに対応することを心がけたいものです。金融マーケットの第一線での仕事は常に緊張感とストレスを伴うため、「上司に理不尽な怒られ方をされたらどうするか」「フロントオフィスからの理不尽な要求やクレームに耐えられるか」といった質問をされた人もいます。
日本語であっても英語であっても、ハキハキとユーモアを交えながら自分らしさを伝えられることが望まれます。英語に自信のない人は、しっかりと準備をして臨む必要があるでしょう。
シティグループの使命は、成長と経済発展に寄与する金融サービスを責任を持って提供し、顧客から信頼されるパートナーとして奉仕することです。そのために、社員全員が最高レベルの倫理基準を遵守することで社会の信用を獲得すると同時に、その信用を維持するために努力し続けなければならないとしています。社員の意思決定に際しては、以下の3点を常に自問自答するよう促しています。
●お客様の利益のために行動しているか
●経済価値を生み出しているか
●常に組織的な責任を負っているか
これらが正しくおこなわれてこそ、事業展開するコミュニティで経済的・社会的にポジティブな影響を生み出し、グローバルバンクとしての本領を発揮できると考えているのです。同社への入社を志すのであれば、同社の使命および行動規範をしっかりと把握する必要があります。そのうえで、自らの考えや行動と合致しているか照らし合わせてみる必要があるでしょう。自らがどんな価値観や行動規範にもとづいてこれまで仕事をしてきたのかを、自分の言葉で語れるようにしたいところです。具体的なエピソードを交えて語れるよう準備をしておきましょう。
シティグループ 公式サイトより
面接では志望動機に加え、「なぜ、シティグループ証券なのか」という質問が出されます。面接官はこの質問を通して、「社風や理念について十分に理解しているか」「スキルや経験は生かせそうか」など、ミスマッチを防ぐための要素を見極めています。
この質問に明確に回答するためには、競合他社についての研究が非常に重要といえます。なぜなら、他社の経営スタイルや社風を理解することで、同社への理解がより深まるからです。以下に挙げた外資系5社を参考に、事前に他社研究をおこなってください。
ゴールドマン・サックス証券株式会社
JPモルガン証券株式会社
BofA証券株式会社
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
企業研究を通じて、シティグループ証券の方向性や求める人材像が明らかになってきたのではないでしょうか。
同社の面接では、これまでの経験やスキルはもちろん、コミュニケーションやプレゼンテーション能力なども見極められます。そうした点を踏まえたうえで、何事に対してもプロフェッショナル意識を持って取り組める人材であることをアピールできるよう、具体的なエピソードを用意して臨みましょう。
また、面接の傾向を知るためにも、過去実際にあった質問内容をおさらいしておくことが大切です。以下に面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の総仕上げとして、自分ならどう答えるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。
シティグループ証券株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
シティグループ証券の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「プロフェッショナル意識を持って問題の本質に向き合い、自律的に行動する」という社風にフィットした人材であることをアピールできるよう、さまざまなエピソードを用意して臨む。
シティの行動規範を理解し、これに沿った自己分析をおこなって有益な自己PRにつなげる。
競合他社についても研究し、「なぜ、シティグループ証券なのか」を明確にしておく。
上記を参考に面接準備をすすめ、面接当日は論理的かつ具体的な回答を心がけましょう。
この記事の執筆者