2021年06月21日
1948年に創設された独立系の機械総合商社、第一実業への転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
第一実業は、1948年に創設された独立系の機械総合商社です。取り扱う産業用機械は多岐にわたり、下記7つの分野で事業を展開しています。
第一実業 コーポレートサイトより
同社の強みのひとつは、国内外に広がる強固なネットワークです。国内7ヶ所の事業所にくわえ、17ヶ国・33ヶ所の海外拠点を有しています。米州、欧州、中国、東南アジア・インドの4エリアに統括会社を置く4軸体制をとり、同社に占める海外売上比率はおよそ5割。こうした連携により、提案からアフターフォローまでワンストップでのサービスを実現し、最適かつ迅速なソリューションの提供に注力しています。
グローバル戦略に力を入れる同社では、全体の約2割の社員が海外に駐在しています。出張も多く、海外志向の強い人には適した環境であると言えるでしょう。また個人の裁量権が大きく、若くても活躍のチャンスに恵まれるのも同社の魅力です。「ある程度実績を上げればプロジェクトを任される」「既存・新規、規模の大小を問わず、さまざまな会社と取引ができる」「海外赴任も含め、若くして前線で活躍できるチャンスがある」といった声が聞かれました。
チャレンジする社員の背中を押す風土は、野心家には適する一方、その自由度の高さゆえ「相談の機会を逃し不安を覚えることもある」と感じる人も。目的意識をしっかり持ち、自立して仕事にあたる強さが求められそうです。また、「出世は年功序列」「営業職は家庭との両立は難しい」など、保守的な一面をうかがわせる口コミも散見されました。
誰にでもチャンスと裁量権が与えられる実践主義のカルチャーと、保守的な一面が共存する。このような社風の中で、自立して力を発揮できる人材であるかを採用面接では見極められます。
同社では2021年6月現在、設備・機器の提案をおこなう営業部、および経理・財務・法務・人事などの管理部門にて中途採用を募集しています。いずれの職種においても、経験や適性に応じて配属が決定されます。
選考プロセスに関する公式情報はありませんが、口コミによると書類選考後、数回の面接と適性テストが実施されるようです。テストについては、「英語やSPI程度の数学をしっかりと準備した方がよい」というアドバイスが面接経験者から寄せられています。
また、キャリコネにも求人情報が掲載されているので、チェックしてみてください。名古屋支店にて監理技術者や海外向け営業職など、東京本社にて自動車業界向け提案営業職を募集しています。エージェントを介した応募を希望する場合、目を通しておくことをおすすめします。
中途採用社員比率が5割程度と高い同社では、即戦力を求める傾向にあります。面接では職務の遂行能力などを確認するため、前職での経験や実績について深堀りされる可能性が高いでしょう。口コミには「当社に入ったらどのように貢献できるか?」「業務は多岐にわたるが柔軟に対応できるか?」などの質問例が見受けられました。これらの質問に対し、自己アピールにつながる回答ができるよう、具体的なエピソードを交えて話すとよいでしょう。
また、面接の雰囲気については「穏やかな雰囲気だった」「面接官が優しかった」といった感想が多い中、「圧迫面接だった」という口コミもあります。たとえ厳しい態度で接されても、焦ることなく堂々と回答するように心がけましょう。
また、コーポレートサイトの「採用情報」ページでは、同社のポリシーやカルチャーがわかりやすく説明されています。同社の働き方や求める人物像への理解につながるので、一読することをおすすめします。
同社の採用面接を受けるにあたり、2019年度から2021年度までの3ヶ年を対象に策定された中期経営計画「FACE 2021」を理解しておきましょう。
「次世代型エンジニアリング商社」としての存在感を確立するための基礎固めの3年間として位置づけられたこの計画では、最終年度である2021年の目標連結売上高を1850億円に設定しました。また、定性目標は以下の3つです。
第一実業 アニュアルレポート2020より
1の「時流に適合した事業軸」の模索では、自動車事業の立ち上げ、ファーマ事業からヘルスケア事業への領域拡大などをおこなってきました。今後も、付加価値の向上や異なる事業の融合による新価値の創出など、収益化への道筋を探っていく姿勢です。
2・3においては、取り組みを加速させるべく、計画2年目から全社横断プロジェクトを実施。「人財育成」「エンジニアリングセンター設立」「グローバルITインフラの整備」の3つの施策を推進しています。人財育成の面では、ナショナルスタッフの戦力化と教育環境の整備をすすめ、現地主導の運営体制の構築を図ります。
今般のコロナ禍においては減収減益となったものの、車載用リチウムイオン電池の製造設備や、5G関連、DX関連事業に着目するなど、時流を読んで需要の取り込みを図った結果、大型案件を受注するなど好転の兆しも見えつつあります。アニュアルレポートにおいて同社代表の宇野氏は、世の中の大きな変化をビジネスチャンスとし、時流を捉えた進化をとげていく考えを示しています。
これらの取り組みを理解した上で、自身のキャリアやビジョンと照合し、同社に対しどのような貢献ができるかを考えてみるとよいでしょう。その際、経営理念に立ち返りエッセンスをおさえることで、さらに訴求力の高い自己PRの構成につながります。
採用面接に臨む上では、「なぜ第一実業なのか」について考えを深め、明確な回答を準備しておくことが不可欠です。面接官はこの質問により、候補者の能力や実績、入社後のビジョンにくわえ、同社に対する理解度を確かめようとしています。これは同時に、同社の志望度として受け取られることを念頭に置き、入念な準備をおこないましょう。
同社への理解を深める方法としては、他社研究が有効です。他社の取り組みやビジョンを知り、第一実業の特長を把握することで、説得力のある志望動機を導き出すことができます。具体的には、以下のような機械専門商社について研究してみるとよいでしょう。
岡谷鋼機株式会社
東京産業株式会社
ユアサ商事株式会社
企業研究を通し、同社の方向性や求める人材像が少しずつ理解できたのではないでしょうか。
同社の場合、「誰にでもチャンスと裁量権が与えられる実践主義のカルチャーと、保守的な一面が共存する」社風の中で、「自立心と創意工夫で変化に対応し、チャンスを活かせる人材」であると印象づけられるよう、具体的な実績やエピソードを用意しておきましょう。ハキハキとした態度を印象に残すことも大切です。
ここで、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の一環として、自分ならどのように回答するかシミュレーションしてみましょう。
第一実業株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
第一実業の中途採用面接を受けるにあたって、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3点です。
「誰にでもチャンスと裁量権が与えられる実践主義のカルチャーと、保守的な一面が共存する」社風の中で、「自立心と創意工夫で変化に対応し、チャンスを活かせる」人材であると印象づけられるよう、具体的なエピソードを用意する。
第一実業の中期経営計画「FACE 2021」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
競合他社についてもよく研究し、「なぜ第一実業なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらのポイントを意識して面接準備をすすめ、当日は自身のキャリアやビジョンを自信を持って伝えられるようにしましょう。
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