2022年04月15日
SBIホールディングスと三井住友信託銀行が2007年9月に共同設立したインターネット専業銀行である住信SBIネット銀行への転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
住信SBIネット銀行は、2007年9月、三井住友信託銀行とSBIホールディングスの共同出資により設立されたインターネット専業銀行です。開業から16年、現在では口座開設数は470万を超え、住宅ローン実行累計額は7兆円を突破しています(2021年実績)。
同行の組織は大きく5つの部門に分かれており、それぞれ下記のような役割を担っています。
●新規事業開拓部門:新たな事業モデルの構築。『NEOBANK』の取り組みを通じたパートナー企業との提携や、ビッグデータを活用した新サービスの検討、AIを用いた業務改革など。
●個人向け商品部門:商品企画・WEBサイト運用、プロモーション等、上流から下流まですべての工程を担当。
●法人向け商品部門:中小企業支援を目的にしたAI審査による融資サービス「dayta」や加盟店向けカード決済サービスなどの企画運用事務、営業活動。
●システム開発・管理部門:業務システムの設計、開発、品質のマネージメントを行う開発部門と、インフラの構築・オペレーションを担う運用部門。
●会社管理・統制部門:会社経営の根幹にあたる部門。企画部門、リスク管理部門、財務経理部門、ビッグデータ部門等。
それぞれの組織の役割や、提供するサービス内容等について、コーポレートサイトや採用サイト等を参考に、採用面接を受けるまでに理解を深めておきましょう。
同社で働く社員の口コミを見ると、「常に日本初、世界初のビジネスモデルをめざしており、意思決定・実行のスピードが早い」「自分が思うことを上層部にしっかりと伝えれば、すぐに実現できる」「挑戦する意識は強い」といった声が多く見られます。採用サイトで紹介されているトップメッセージを見ても、「テクノロジーを活用した革新的な金融サービスの提供を通じ、社会をより豊かにすること」を大切にし、そのために「社員一人一人の独創的なアイディアとチャレンジ精神が最も重要」と明言しています。
一方でキャリア開発・人材育成体系については、「会社が準備してくれるものではない」とのこと。「成長環境はある」ため、「自分で力で勝ち取るという独立自尊の雰囲気」とのことです。
「常に新しいことに挑戦する意欲と、自ら成長を続ける高い意識を持つ」、こうした社風にフィットする人材かどうかが、採用面接では見極められます。
同行では、2022年2月現在、「経営管理」や「システム」、「マーケティング」や「商品・サービス企画」等、14の職種がキャリア採用の募集対象となっています。
応募者からの口コミを見ると、選考プロセスは、履歴書・職務経歴書による書類選考ののち、「面接は4回」とのこと。またそのうち、「1~3回目は同日に実施」されます。面接官は、一次面接が人事部長、二次面接は営業取締役と営業部長、三次面接が人事取締役、最終面接は4人で会長、社長、人事取締役、人事部長が担当するそうです。
同行の面接では、志望動機やこれまでのキャリアなど、オーソドックスな質問がほとんどです。しかし、志望動機については深く追及されることが特徴といえます。過去の応募者からも、「なぜ当行なのか?ほかの都市銀行や地銀ではなく、当行を選んだ理由は?」と説明を求められたり、また同業からの転職の場合は、「現在の勤め先と当行の違いは何か?」という点も問われます。サービス内容の違いはもちろん、会社の方向性やビジョン、働き方など、多角的に分析し、説得力のある志望動機を練り上げることが必要です。
また、金融機関であるため、「礼儀正しさや言葉遣いには注意が必要」との口コミも。言うまでもないことですが、ビジネスマナー・言葉遣いには細心の注意を払うようにしましょう
住信SBIネット銀行の面接を受けるにあたっては、同行の「Vision・Value」や、「NEOBANKの取り組み」を理解しておくことが必要不可欠です。
同行の「Vision&Statement」は以下の通りです。
~Vision & Statement~
銀行をインストールする。
世界をアップデートする。
銀行の必要な機能だけを、世の中に行き渡らせていく。
あらゆるモノと繋がって、今までにない体験を創る。
そうして世界を変え続ける、
つねに新しい銀行を私たちは目指しています。
また、「Our Values」は以下のように定められています。
冒頭の社風に関する記述の通り、「今までにない新しさ」「常に新しい銀行を目指す」姿勢が感じ取れます。
同時に会社の取り組みの方向性としては、銀行以外の事業会社が銀行機能を提供する「NEOBANK」構想を掲げています。「NEOBANK」構想では、銀行インフラをあらゆる企業に開放することで、ITだけでなく流通や航空など様々な既存の業界を進化させ、新しいビジネスを生み出すことを目指しています。具体的な事例として、日本航空やヤマダファイナンスサービスとの提携内容等が以下のコーポレートサイトに掲載されています。こうした事例をしっかりと研究し、自分のキャリアや経験が、この「NEOBANK」構想に対してどのように貢献できるのかを説明できるようにしておきましょう。
面接でよく聞かれる質問の一つに、「なぜ住信SBIネット銀行なのか」というものがあります。面接官はこの質問を通して、応募者が「ネット銀行で活躍できる人材か」「これまでのキャリアが本当に同行で活かせるのか」ということを確認するとともに、「同行の特徴、他行との違いを理解しているのか」ということも確認しようとしています。
この質問に対して説得力ある答えをするためには、以下に挙げるようなネット銀行の競合他社についての研究が不可欠です。またこれら以外にも、銀行業界全体を理解し、「ネット銀行」を志望する理由についても整理しておきましょう。
株式会社大和ネクスト銀行
ソニー銀行株式会社
楽天銀行株式会社
auじぶん銀行株式会社
オリックス銀行株式会社
住信SBIネット銀行の社風や面接傾向、Visionなどについて理解を深める中で、同行がどのような人材を求めているかというイメージがつかめてきたのではないでしょうか。
同行の採用面接を受ける際には、「常に新しいことに挑戦する意欲と、自ら成長を続ける高い意識を持つ」という社風を意識して、「NEOBANK構想の飛躍と実現に貢献できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
住信SBIネット銀行株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
住信SBIネット銀行の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、次の3点です。
「常に新しいことに挑戦する意欲と、自ら成長を続ける高い意識を持つ」という社風を意識して、「NEOBANK構想の飛躍と実現に貢献できる人材」であることを印象付けられるよう、具体的なエピソードを準備する。
住信SBIネット銀行のVision・ValueとNEOBANKの取り組みを理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
競合他社についても研究し、「なぜ住信SBIネット銀行なのか」に対する答えを明確にしておく。
面接前にこれらについて考えを整理し、面接当日は、自らの経験やキャリアをもとに、同行で新たな挑戦に取り組む気概と能力をアピールしましょう。
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