セールスフォース・ジャパンってどんな会社?
■創業の理念と歴史
セールスフォースは1999年、米国サンフランシスコでマーク・ベニオフらによって設立されました。キャッチコピー「No Software」のもと、SaaSモデルの標準を築いた先駆企業として知られています。
創業当初は営業支援(SFA)・顧客管理(CRM)システムを軸としたサービスでしたが、その後、AppExchange(パートナー企業が開発したアプリやサービスを提供するマーケットプレイス)、Force.com(PaaS基盤)、Service Cloud(カスタマーサポート)など、順次サービス領域を拡大してきました。単なる営業支援ツールから、顧客データを中心とした統合プラットフォームへと進化を遂げています。
2013年のExactTarget(マーケティング自動化。現在はMarketing Cloudとして統合)、2018年のMuleSoft(システム統合)、2021年のSlack(ビジネスコミュニケーション)など、戦略的M&Aを通じて事業を拡大。現在では、B2Bクラウドソリューション全般を網羅する総合プラットフォームへと成長しています。
■グローバル展開と市場地位
セールスフォースは設立直後からグローバル展開を積極化し、2000年に日本法人を設立、2001年にはダブリンに欧州拠点を開設しました。現在では世界150カ国以上、15万社以上の企業で導入されており、クラウドCRM分野で圧倒的なトップシェアを占めています。
Fortune 500企業の約90%(450社前後)がセールスフォースの製品・サービスを利用しており、グローバル大手企業における標準的なCRMプラットフォームとしての地位を確立しています。
日本法人は2022年2月に、社名を「株式会社セールスフォース・ドットコム」から「株式会社セールスフォース・ジャパン」へ変更しました。これはグローバルでのブランド統一の一環で、米国本社も同年4月に「Salesforce.com, Inc.」から「Salesforce, Inc.」へ社名変更しています。
- 社名変更と同時期に、本社を東京・丸の内のSalesforce Tower(日本生命丸の内ガーデンタワー内)に移転。本社オフィスとしての機能に加え、グローバル共通の文化共有空間「Ohana Floor」や地域・社会連携型の先進的オフィス空間が整っています。
セールスフォース・ジャパンは、日本独自の商習慣や顧客要求に合わせたサービス展開と事業体制で運営されており、グローバルの思想や仕組みを活かしつつも、日本市場特有のニーズに積極的に対応しています。
■近年の主要な変化
セールスフォースはここ数年、グローバル・日本の両方で大きな変革期を迎えています。
生成AI・高度なAI機能の本格展開
- 2022年以降、Einstein GPTをはじめとする生成AI・AIベース機能の導入が急速に進んでいます。2025年には「Agentforce」というAIによるビジネス自動化サービスも提供開始され、「AI時代のデジタル労働力」として大きな注目を集めています。
- CRM/SFAのDX、高度なパーソナライゼーション、予測分析が注力分野となっており、営業職の働き方や顧客への提案内容にも大きな影響を与えています。
日本市場特化型ソリューションの拡充
- 製造業、公共、医療など日本市場特有の業界に最適化された業種別CRM/DXサービスの展開が加速しています。2024年以降は「Industries AI」や「Industry Cloud」など、業界ごとの課題や運用フローに寄り添うクラウドサービスやAI機能が複数導入され、国内大手企業や自治体、医療機関での採用が進んでいます。
- コンサルティングファーム、SIer、ISVを中心としたパートナー連携によるエコシステムも急速に拡大しており、AppExchangeパートナーやコンサルパートナーの数は短期間で大幅に増加しています。
- この動きに伴い、営業職や関連ポジションの採用規模も年々拡大し、分業型営業体制「The Model」の活用やAIツールによる営業チームの強化も推進されています。
セールスフォース・ジャパンのサービス
■主要プロダクトラインナップ
セールスフォースの中核となるクラウドサービス群です。これらの製品を扱う営業職として、基本的な理解が求められます。
- Sales Cloud(営業支援CRM):顧客情報管理、商談管理、予測分析など、営業活動を包括的に支援するフラッグシップ製品です。営業担当者の生産性向上と成約率アップを実現します。
- Service Cloud(顧客サポート):カスタマーサービス業務を効率化するプラットフォーム。問い合わせ管理、ナレッジベース、AIチャットボットなど、顧客満足度向上に貢献する機能を提供します。
- Marketing Cloud(マーケティング自動化):顧客データを活用したパーソナライズされたマーケティングキャンペーンの実施を支援。メール、SNS、広告など複数チャネルでの統合的なマーケティング活動を可能にします。
- Commerce Cloud(EC・デジタルコマース):B2B、B2C双方のEコマース体験を強化するプラットフォーム。オンラインストアの構築から顧客体験の最適化まで包括的に支援します。
- Experience Cloud(顧客・パートナー向けポータル):顧客やパートナー企業向けのコミュニティサイトやポータルを構築できるプラットフォーム。情報共有やコラボレーションを促進します。
■買収統合したサービス群
セールスフォースは、戦略的M&Aにより複数の有力企業を買収・統合してきました。これらは現在、セールスフォース・ジャパン本体の事業部として運営されています。
また、これらの買収プロダクトは、全て「Salesforce Customer 360」という統合プラットフォームの中核を形成しており、顧客データを中心に各製品が連携する仕組みになっています。
Slack(コラボレーション・業務コミュニケーション)
- 2021年に買収されたSlackは、Customer 360の中核チャネルとして位置づけられています。組織・顧客情報連携のハブ、コミュニケーション基盤として、本体CRM群と一括連動する形で展開されています。Slack事業統括として独立した営業・アライアンス・技術部門が設置されており、専門的な提案活動を行っています。
MuleSoft(API・システム統合基盤)
- 2018年に買収されたMuleSoftは、MuleSoft事業統括本部として独立した営業・コンサル・技術部門が本体組織内に存在します。API連携やシステム統合、RPAやノーコード領域を担い、AIの「神経系」として注目される成長部門です。
Tableau(BI・データ分析)
- Tableau事業統括本部として、本部長や営業本部長を擁する独立組織が設置されています。強力なデータ可視化・ビジネスインテリジェンスツールとして、セールスフォースのデータ活用戦略の重要な柱を担っています。営業・技術・マーケティング部門が独立的に配置されています。
セールスフォース・ジャパンの組織と部門
■The Model - 分業型営業体制
セールスフォース・ジャパンの営業組織を理解する上で最も重要なのが「The Model」と呼ばれる分業型営業体制です。これは、
- マーケティング(リード獲得)
- インサイドセールス(商談化)
- フィールドセールス(受注)
- カスタマーサクセス(継続・アップセル)
という4つの部門で、営業プロセスを専門分化したモデルです。
従来の「一人の営業担当者が見込み客の発掘から契約、アフターフォローまで一貫して担当する」スタイルとは根本的に異なり、各フェーズを専門チームが分業します。これにより、各部門が専門性を高め、効率的に成果を最大化する仕組みが構築されています。
■各部門の役割とKPI
各部門は明確に分かれたKPIを持ち、成果に基づく評価・報酬制度が構築されています。部門間の連携が極めて重要で、チームワークなくして成果は出せません。
- マーケティング部門:展示会、ウェビナー、デジタル広告などでリードを獲得。主なKPIは、獲得リード数、リード品質。
- インサイドセールス(SDR/BDR):電話・メール・オンラインでリードを育成し、商談機会を創出。KPIは、アポイント設定数、商談化率。
- フィールドセールス(アカウントエグゼクティブ):実際の提案・商談を担当し、契約を獲得。KPIは、受注金額、成約率。
- カスタマーサクセス:導入後の定着支援、追加提案、契約更新・拡大を担当。KPIは、顧客維持率、アップセル金額。
この分業体制は、転職を考える上で非常に重要な意味を持ちます。セールスフォースの営業職は「個人の裁量で営業プロセスを一貫して担う」スタイルではなく、分業された専門領域ごとに活躍することが求められるからです。
- 自分がどのフェーズ・部門で活躍したいか(インサイドセールスかフィールドセールスか、など)
- チームで成果を出すためのコミュニケーション力・協調性があるか
- 専門領域の知識やスキルを高める意欲があるか
専門性を高めながらチームで大きな成果を出すことに魅力を感じる人には、最適な環境といえます。一方「営業は一人で完結させたい」「自分のペースで顧客と長期的な関係を築きたい」というスタイルを好む人には、The Modelの分業体制は合わない可能性があります。
■顧客規模別・プロダクト別・業界別の組織
セールスフォースジャパンの組織は、The Modelの分業体制を基盤としつつ、さらに以下の軸で細分化されています。
- 顧客規模別:SMB(中小企業)担当/中堅企業担当/エンタープライズ(大手企業)担当/公共・自治体担当
- プロダクト別:Sales/Service Cloud営業/Marketing Cloud営業/MuleSoft事業統括本部/Slack専門営業/Tableau部門
- 業界別:製造業、金融、ヘルスケア、小売など、業界特有のニーズに対応する専門営業チームも存在します。
このように、セールスフォース・ジャパンでの営業キャリアは、担当顧客の規模、扱う製品、業界、営業プロセス上の役割など、多様な選択肢があります。転職時にはこれらの違いを理解し、自分のキャリアビジョンに合ったポジションを選択することが重要です。
セールスフォース・ジャパンの企業文化
■MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
セールスフォースのMVVは以下の通りです。
ミッション:「お客様の成功にコミットし、信頼を築き、世界をよりよい場所にする」ことを掲げています。単に製品を販売するのではなく、顧客の成功を最優先に考える姿勢が全社に浸透しています。
ビジョン:「AIとクラウド、データを活用し、すべての企業が成功できる未来を創る」という明確なビジョンのもと、テクノロジーを通じた社会変革を目指しています。
4つのコアバリュー:創業以来、以下の4つの価値観を中心に据えています。
- Trust(信頼) - 顧客、社員、パートナー、社会からの信頼を最重視
- Customer Success(カスタマーサクセス) - 顧客の成功が自社の成功
- Innovation(イノベーション) - 常に新しい価値を創造し続ける
- Equality(平等) - 多様性を尊重し、誰もが公平に活躍できる環境
■V2MOM
■Trailblazer - 道を切り拓く人
セールスフォースの企業文化を象徴する重要な概念が「Trailblazer(トレイルブレイザー)」です。これは「道を切り拓く人」を意味し、セールスフォースが求める人物像を表しています。
Trailblazerとは、困難に直面した時に諦めず、前例のない新しい道を切り拓いていく人のことです。既存の方法が通用しない状況でも、創造性と粘り強さで解決策を見出し、周囲を巻き込みながら前進していく姿勢が重視されます。失敗や困難を恐れるのではなく、学びと成長の機会として捉え、チャレンジし続けることがTrailblazer精神の本質です。
この思想は、学習プラットフォーム「Trailhead」の名称にも反映されています。Trailheadで学ぶことは、単なる知識習得ではなく、自ら道を切り拓くスキルと姿勢を身につけることを意味しています。
■「Ohana」カルチャー
Ohana(オハナ)はハワイ語で「家族」を意味します。セールスフォースの独自文化として、社員同士が家族のように支え合い、力を合わせて顧客や社会に貢献するという精神が根付いています。
この文化は単なるスローガンではなく、実際の業務の中で体現されています。営業職においても、数字を奪い合うのではなく「共に成功する」というコラボレーションの姿勢が重視されます。
困難に直面した時は周囲からのサポートやナレッジ共有が当たり前という環境が整っており、社内SNSやSlackでリアルタイムに知見や悩みを共有し合うオープンなコミュニケーションが促進されています。
セールスフォース・ジャパンの採用面接で聞かれる質問
面接に際して、志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、Salesforceの求人には、職種ごとに「Responsibilities」「Requirements」「Your Impact」が明記されています。また、例えばSales Strategyの求人では「流暢レベルの日本語と英語(TOEIC730以上相当)でコミュニケーションがとれる」という必須条件もありますが、語学の要件が明記されていない職種もあります。
ここに含まれる「Can」や「Must」をクリアしつつ、自分の「Will」を絡めて説明することが必要になります。
マネジャークラス以上の面接準備
特にマネジャー以上については、「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「Salesforceの件」と明記願います。)
セールスフォース・ジャパンへの転職を成功させるために
以上、セールスフォース・ジャパンという会社について、概要をご説明しました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでください。
Salesforceの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄に「Salesforceの件」と明記願います。費用は一切かかりません。ぜひご相談ください。
■社会貢献活動
セールスフォースは「1-1-1モデル」という独自の社会貢献プログラムに力を入れています。これは、株式の1%、製品の1%、社員の時間の1%を社会貢献に充てる取り組みです。
- 株式の1%:セールスフォースの株式の一部(1%)を非営利団体などへの助成基金として提供し、教育や社会課題解決などに資金支援を行っています。
- 製品の1%:自社のクラウドサービスやプラットフォームを非営利団体・教育機関に無償または割引で提供し、社会や環境にポジティブなインパクトをもたらしています。技術を通じた社会貢献を実践する仕組みです。
- 従業員の就業時間の1%:社員が年間就業時間の1%(約20時間)をボランティアや社会貢献活動に使うことを奨励しています。組織ぐるみでボランティア参加やプロボノ活動、災害支援などを推進しており、就業時間を使って社会に貢献しながら働くという価値観が制度として確立されています。
この1-1-1モデルは、単なる慈善活動ではなく、企業経営の中核に社会還元を組み込むというセールスフォースの経営理念を体現したものです。この考え方を世界中の企業に広めるため、他企業にも1%の社会貢献を呼びかける「Pledge 1%(1%の誓約)」という国際プログラムも運営しており、他社にも社会貢献活動の取り組みを広げています。
セールスフォース・ジャパンの営業職の働き方
■柔軟な勤務制度
セールスフォースでの働き方は、フレックスタイム制や週3〜4日出社、リモートワーク併用が標準となっており、個人の業務スケジュールに合わせて勤務形態を選択できます。「週1〜2回出社」「プロジェクトや商談に合わせた現場訪問」「完全リモート対応」など、チームやマネージャーの裁量で柔軟に決定可能です。
営業職は特に「自分でスケジュール調整できる」「業務効率に合わせて出社・リモート併用」が進んでおり、ワークライフバランスの取りやすさが特徴となっています。ワーケーション制度も整備されており、和歌山県白浜町のサテライトオフィスなど地方での勤務も可能です。自然環境や家族との生活も重視したワークスタイル選択ができます。
■成果主義と裁量権
セールスフォースの営業職は成果ベース評価のため、繁忙期や大型案件時には残業もあり得ますが、通常は「自分次第で業務量調整・休暇取得」ができる環境です。
営業目標(KPI)の達成が重視されるものの、仕事の進め方は個人裁量が大きく、ワークライフバランスを自分で管理できる傾向があります。「業務量や休暇も自分次第」「進め方は個人の工夫で最適化できる」という外資系らしいスタイルが浸透しており、自己管理能力が問われる環境でもあります。
■転職前に理解すべき実態
セールスフォースでは、働き方の自由度と引き換えに、成果への責任も明確に求められる環境であることを理解しておく必要があります。
成果主義の徹底と高いプレッシャー
- 営業職では成果・数字へのプレッシャーが非常に強い環境です。目標達成が評価の中心となり、未達が続けば厳しい状況に直面します。成果に応じたボーナス・昇進という魅力的な側面がある一方、ミスや未達の箇所も数字で徹底的に管理されます。仕事量、ノルマ、会議頻度が多いため、自分でペース配分やストレス管理ができることが不可欠です。
- スピード感と学習意欲の高さも問われます。自己管理能力・セルフモチベーションがなければ、アウトプット至上主義の文化の中で疲弊する可能性があります。新規営業などのポジションでは、四半期末や年度末に残業や休日出勤が発生するケースもあることを認識しておく必要があります。
即戦力としての高い期待値
- 中途採用では「即戦力」としての期待が非常に高く設定されています。オンボーディングや研修体制は充実していますが、早期から結果を求められるため、学びながらゆっくり成長するというスタンスでは厳しい環境です。
この環境で活躍できる人
- このような環境には、数字目標へのコミットメントが強く達成意欲が高い人、自己管理能力があり裁量の大きさを活かせる人、常に学び続ける姿勢があり新しい知識・スキル習得に意欲的な人が、適しています。
- チームワークを大切にしナレッジ共有や協力を惜しまないこと、顧客の成功を第一に考え長期的な関係構築を重視できることも重要です。 セールスフォースのMVV(特に信頼・平等・イノベーション・カスタマーサクセス)に深く共感でき、変化の激しい環境を楽しめる柔軟性のある人が、この文化にフィットします。
- 逆に、数字に追われることにストレスを感じやすい人、自分のペースで仕事を進めたい人、安定志向が強く変化を好まない人、個人主義でチームとの協働に価値を見出しにくい人には、この環境は合わない可能性があります。転職を検討する際は、自分の価値観やキャリア志向と照らし合わせ、冷静に適性を判断することが重要です。
セールスフォース・ジャパンのキャリア支援
■営業職の基本的なキャリアパス
セールスフォースの営業職は、Sales Development Representative(SDR。獲得リードから商談を作る)や Business Development Representative(BDR。自ら新規リードを開拓する)からスタートし、成果を出すことでAccount Executiveへステップアップするのが王道ルートです。
Account Executiveは顧客訪問、提案、契約クロージングを担当します。単なる役割分担ではなく、キャリアステップとしての意味合いが強い点が特徴です。
Account Executiveからは、顧客規模(Enterprise/Mid Market/Commercial)、製品(Tableau、MuleSoft、Data Cloudなど)、業界(製造業、金融、公共など)によって様々な専門領域に分かれており、自分の強みや関心に応じたキャリア形成が可能です。
さらに上位職として、チームマネジメントを担うManager/Senior Managerへの道も開かれています。
■Trailhead - 自己学習プラットフォーム
セールスフォースは社員の継続的な学習とスキル向上を重視しており、充実した教育研修制度を整備しています。セールスフォースが提供する無料のeラーニングプラットフォーム「Trailhead」は、同社の教育研修の中核を担っています。誰でもアクセス可能で、転職希望者も面接前から利用できます。
Trailheadでは、セールスフォース製品の基礎知識から、営業スキル、技術基礎、業界知識、データ分析、AI活用まで、幅広いトピックを学習できます。「モジュール」と呼ばれる小単位の学習コンテンツを組み合わせた「トレイル」(学習パス)が用意されており、自分の役割やキャリア目標に応じて体系的に学べる仕組みになっています。
学習を進めるとバッジが獲得でき、ゲーミフィケーション要素が取り入れられているため、楽しみながら継続的に学習できます。獲得したバッジはプロフィールに表示され、自分のスキルを可視化できます。
■キャリア開発支援ツール
最新のAI技術を活用したキャリア支援も特徴的です。「AIキャリアコーチ」により、個人のスキルやキャリア志向に応じたアドバイスを受けることができます。また「Career Connect」というプラットフォームでは、社内の様々なポジションやプロジェクトの情報にアクセスでき、自分のスキルとマッチする機会を見つけることができます。
セールスフォースの営業職では、「成果次第で早期昇格」「キャリアの多様化」「充実した教育・研修」「職種やプロジェクトへの横断チャンス」といった成長支援が揃っており、自分でキャリアを切り開く働き方がしやすい環境が整っています。
セールスフォース・ジャパンの営業職の求人情報
■主要募集職種
セールスフォース・ジャパンでは、The Modelに基づく分業型営業体制のもと、多様な営業職種が募集されています。実際の求人情報に基づく主な職種は以下の通りです。
Sales Development Representative (SDR) / Business Development Representative (BDR):新規リードの獲得、顧客アポイントのセット、商談機会の創出を担う営業キャリアのスタート地点です。電話・メール・オンラインを活用した非対面営業が中心で、The Modelにおけるマーケティングとフィールドセールスをつなぐ重要な役割を担います。
Account Executive - 顧客規模別:顧客訪問、提案商談、契約クロージングを担当するフィールドセールスで、担当する顧客規模によって以下のように分かれています。
- Enterprise Sales:大手企業を担当。複雑な組織への提案、長期的な関係構築が求められる
- Mid Market:中堅企業を担当。成長企業への機動的な提案が特徴
- Commercial Sales:中小企業を担当。効率的な営業活動とスピード感が重視される
Account Executive - 製品・サービス別:特定の製品・サービスに特化した専任ポジションです。2章で説明した各事業統括本部の営業ポジションとして位置づけられています。
- Tableau Account Executive:Tableau事業統括本部でのBI・データ分析ソリューション営業
- MuleSoft Account Executive:MuleSoft事業統括本部でのAPI統合・システム連携営業
- Data Cloud Account Executive:データ統合プラットフォームの専門営業
- Marketing Data Account Executive:マーケティングデータソリューションの専門営業
- Agentforce Account Executive:AI自動化サービスの専門営業(2025年の新サービス)
Account Executive - 業界別:特定業界の知識と人脈を活かした営業ポジションです。 製造業、金融、公共(中央省庁・地方自治体・文教)、通信・メディア、消費財・流通、ハイテク、ヘルスケアなど、業界ごとの専任ポジションが存在します
Account Executive - チャネル・機能別
- Digital AE(Digital Account Executive):デジタルチャネル(オンライン・電話中心)を活用した営業手法を中心とするポジション
- Platform AE(Specialist AE):プラットフォーム製品群の専門営業
Manager / Senior Manager:営業チームや事業部門のマネジメントを担当します。プレイングマネージャーとして自らも数字を持ちながら、チームの育成や戦略立案を行います。
なお、営業組織には「Solution Engineer」というプリセールスエンジニア(技術営業支援)の職種もあります。営業チームと協働しながら技術的な提案やデモンストレーションを担当しますが、これはエンジニア職としての位置づけです。
有価証券報告書を中心とした一次情報に加え、キャリコネをはじめとする口コミサイトなどネット上の情報を収集分析し、転職を検討する人たちの参考になるコンテンツを作成しています。