2022年12月27日
大和証券グループの傘下の総合シンクタンクである大和総研。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
大和総研は、大和証券内に発足した調査部(現・リサーチ部門)、機械計算部(現・システム部門)を由来としています。1989年、大和コンピュータサービス・大和証券経済研究所・大和システムサービスの3社が合併する形で、大和総研としてスタートしています。
現在の組織はシステム部門、リサーチ部門、コンサルティング部門の3つに分かれ、それぞれが連携しつつソリューションを提供しています。
社風について、同社の社員から多く寄せられる口コミとしては、「体育会系」そして「保守的」というものです。「上司は絶対、昭和的エピソードは事欠かない」であったり、「意思決定プロセスがとにかく多い、遅い」「上席へのレビューが多い、スピード感がない」という声が寄せられます。後者については、「金融業界のシステムを担っている」ことから「失敗が許されない」という業務の性質からくるものでもあるでしょう。
しかし直近では、コロナ禍の影響もあり急速に在宅勤務が広がり、「多様な働き方ができる」ようになったり、「ワークライフバランスを重視」する「温和な雰囲気の社員」が多くなった、という変化が見られるようです。
大和証券のシステムを担う会社であるため、上記の通り「失敗が許されない」ことは、同時に社員の大きなやりがいにもつながっています。「システム開発で実際に動かすときの緊張感は他社では味わえない」「取引金額や与える影響は計り知れない」という口コミが多く見られます。大規模であるとともに、「上流から下流工程まで、幅広い仕事に取り組むことができる」ことも同社の仕事の特徴。「本人のやる気次第で」という前提ではありますが、「幅広いスキルアップが可能」「意欲さえあればIT人材としての強固な地盤を築ける」環境です。
「保守的かつ体育会系な風土の中で、大規模かつ幅広い仕事にチャレンジすることで、自分自身のスキルを磨き続ける」、こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
同社のキャリア採用は、システム部門、コンサルティング部門、リサーチ部門の3つの組織別で、さらに担当業界や専門領域、ポジションなどによって求人が細分化されています。
選考プロセスとしては、WEBエントリー後、書類選考と複数回の面接によって構成されてます。応募者の口コミを見ると、「面接は3回だった」ことや、面接官については、「一次面接は職場社員、二次面接は職場のマネージャークラス+人事担当者、最終面接は役員」だそうです。
同社の採用面接でよく聞かれる質問として、特徴的なのは「あなたを動物で例えると何?」「あなたを一言でいうと?」というもの。こうした問いに正解はないものの、突発的な事態にどのように対応してくるか、という力を見ていることが分かります。
それ以外には、志望動機やこれまでの職務経験、将来のキャリアビジョンなど、一般的なものがほとんどです。面接の雰囲気も「圧迫感はなく、終始穏やかな雰囲気」であり、「面接官の反応はポジティブ」で「相槌をよく取ってくれるので話しやすい」そうです。しかし、「社長の名前を聞かれた」というケースもあるため、「会社の中身、役員の名前、財務諸表を読んでおく」ことがおすすめです。
大和総研の面接を受ける前に、企業戦略『私たちの強み』を理解しておきましょう。
同社が『私たちの強み』として設定していることは以下の3つのポイントです。
~私たちの強み~
●スペシャリストの相互連携
●データサイエンスに基づく新たな価値の創出
●多種多様な実績に裏付けされた確かなソリューション提案力
これは同社の社員として働くうえで、全員に求められる「仕事への取組み姿勢」であるとも読み替えられます。採用面接では、こうした姿勢に共感していることを、過去のエピソードから語ることが有用な自己PRとなります。
まず、『スペシャリスト』であることは大前提と言えます。これまでのキャリアでどのようなスキルを身に着けてきたのか、同社ではどのような領域でどんな成果をだすことができるのかを具体的に整理しておきましょう。
また、『相互連携』、つまりチームワークやマネジメントスキルをアピールすることも重要です。これまでのプロジェクトマネジメントの経験、その際に自分がどのように工夫をしてきたのか、困難を乗り越えるためにいかにチームワークを発揮したのかについて紹介するとよいでしょう。
同社の中途採用面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ当社なのか」というものがあります。この質問を通し、面接官は、「この応募者はどれだけ同社のことを理解しているのか」ということを確認することはもちろん、「同業他社との違いを分析できているか」という視点でも確認してきています。
面接官に対して説得力のある回答をするためには、以下に挙げるような同業他社についての研究が不可欠です。業界全体の動向、事業内容、会社の方針、社風など、様々な角度で競合他社との違いを浮き彫りにしたうえで、面接に臨みましょう。
大和総研が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。大和総研の場合「保守的かつ体育会系な風土の中で、大規模かつ幅広い仕事にチャレンジすることで、自分自身のスキルを磨き続ける」という社風を意識して、「自らのスキルを発揮することで、チームワークを発揮し新しい価値を作り上げることができる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
大和総研の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「保守的かつ体育会系な風土の中で、大規模かつ幅広い仕事にチャレンジすることで、自分自身のスキルを磨き続ける」という社風を意識して、「自らのスキルを発揮することで、チームワークを発揮し新しい価値を作り上げることができる人材」であることを印象付けられるよう、具体的なエピソードを準備する。
大和総研の『私たちの強み』に沿った自己分析を行い、有効な自己PRにつなげる。
競合他社について研究することで、「なぜ大和総研なのか」という問いに対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者