2021年06月21日
一眼レフカメラや半導体等で世界を代表するメーカーであるニコンへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果などを具体的に問われるほか、キャリアシートでは見えてこない「人間性」も見られます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
ニコンは1917年創業以来、光学ガラスから顕微鏡、カメラ、半導体や液晶パネル等、高度な光利用技術と精密技術をもとに、社会に役立つ製品やソリューションを、世界中に展開しています。
アメリカ・ヨーロッパ・アジアなどに90以上のグループ会社があり、売上の8割以上が日本国外という数字は、ニコンのグローバルでの活躍を示しています。社員からは、「全世界に営業支店、製造工場がありワールドワイドで仕事ができる」「予算規模等は億単位のレベル、ユーザーは数万人規模と大規模なプロジェクトに20代のころから関われる」という声が多く寄せられ、グローバルにダイナミックな仕事ができる環境であると言えます。
また、一眼レフカメラに代表されるニコンは、その技術力の高さにも定評があります。「誰もやっていない研究をやれることはやりがいがありたのしい」「仕事のおもしろみは光学技術をいかに社会の問題解決に使えるかを考える点であると思う」「高度な業務に携わっているという実感と社会に貢献できているという実感が持てる」と、技術開発を通して、自身のスキルアップのみならず、社会貢献も実感する社員の声が多く寄せられています。さらに、「カメラ好きにとってはとてもよい環境で仕事ができる」「写真が好きな社員が多くいる」と、「カメラ好き」が仕事の原動力となる社員が多くいることも、ニコンの大きな特徴です。
技術力の高さの反面、その歴史の長さゆえ、「非常に堅実な社風」「とにかく、保守的」「社風として決定事項が全体的にスローペース」と、いわゆる日本企業的な特徴を表す口コミも多く見られます。一方で、「穏やかで職人気質のエンジニアが多い会社」「安定感のもと仕事に取り組める環境がある」「福利厚生もよく、手当もしっかり支給。働き続けるという点ではかなり良い会社」と、社員の人柄や人事制度など、働きやすさという観点で、高い満足度を感じさせる声も多く寄せられています。
歴史ある日本企業ならではの、穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱きながら、高度な技術開発を通して社会に貢献する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
ニコンの中途採用プロセスは、書類選考と2回の面接です。1次面接は人事担当者と現場社員の課長クラス、最終面接は人事部長と現場社員の部長クラスが担当します。応募から内定までの所要期間は、2週間から1ヶ月程度です。
募集職種は、大きく「事務系」「技術系」の2つに分類されます。「事務系」は、営業、企画、経理、人事、総務、法務等の部門に分かれます。また「技術系」は、設計開発、生産技術開発、製造技術開発、生産管理、品質管理、調達、カスタマーサポート、フィールドエンジニア、情報システム、知的財産・特許、デザイン等、活躍の場は多岐に広がります。
専門領域や事業部門等によって、職種はさらに細分化されるため、募集職種の全体像を把握した上で、「その中でもなぜその職種に応募したのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。
面接内容には、「歴史ある日本企業ならではの、穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱きながら、高度な技術開発を通して社会に貢献する」という社風が大いに反映されています。
特にカメラについては、「面接官も、カメラが好きな人がほとんど」で、「一眼レフを持っているか?」「人生で最初に購入したカメラは何だったか?」という質問が多く見られます。また、専門性についても深く確認されます。「大学卒業時の研究テーマについて30分程度でプレゼンを求められる」「技術面接と呼ばれている。これでほぼ決まると思われる」「マーケティングに関する専門用語での質問をされた」という口コミが多く寄せられています。
グローバルに展開するニコンでは、英語力についても重要な評価ポイントです。「(顧客からの英文クレームレター[A4一枚程度]を見せられ)その顧客が求めていることは何か?」「あなたはこの会社に入って、どういった点で貢献できると思いますか? それを英語で言ってください。」と、英会話レベルを試される質問とともに、「英語の筆記試験は、超難しい」との声も見られるため、しっかりと準備が必要です。
ニコンの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
ニコンの面接を受ける上では、「心掛け」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。この「心掛け」は、以下の3つで構成されています。
●好奇心
常に変化を楽しみ、広く興味を持つことで、新しい発想を生み出します●親和力
誠実な心で様々な価値観を受け入れ、多様性を尊重します●伝える力
自らの考えを伝え、共有することで、大きな流れを創り出します
これは、ニコンの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「心掛け」に合致する人材であることをアピールしましょう。
ニコンは、「歴史ある日本企業ならではの、穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱きながら、高度な技術開発を通して社会に貢献する」という社風ですが、これに沿ったエピソードを「心掛け」の視点も絡めて紹介することで、より強力なアピールになります。例えば、これまで携わったプロジェクトにおいて、前例にとらわれず、新しい技術やツールを積極的に活用することで、成功に導いたエピソードは、「好奇心」のアピールにつながります。また、そのプロジェクト遂行において、チームメンバーの人材育成にも積極的に取り組み、チームワークを発揮した具体的なプロセスを紹介することで、「親和力」のアピールも可能です。
面接官との全てのやり取りにおいて、仕事内容への熱意を誠意を持って伝えることは、「穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱く」カルチャーフィットと、「伝える力」についてもアピールすることができるでしょう。
ニコンの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜニコンか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ニコンという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●キヤノン株式会社
●富士フィルム株式会社
●株式会社リコー
このように、ニコンの採用面接を受ける前には、「心掛け」の行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「歴史ある日本企業ならではの、穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱きながら、高度な技術開発を通して社会に貢献する」という社風を意識して、仕事への強い熱意と、前例にとらわれないチャレンジ精神とチームワークを発揮することで、組織に貢献できる人材であることを印象づけられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
ニコンの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「歴史ある日本企業ならではの、穏やかで安定感ある風土の中で、自社技術に深いこだわりを抱きながら、高度な技術開発を通して社会に貢献する」という社風を意識する。そして、仕事への強い熱意と、前例にとらわれないチャレンジ精神とチームワークを発揮することで、組織に貢献できる人材であることを自分の言葉でアピールする。
●ニコンの行動指針「心掛け」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社について研究し、「なぜニコンか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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