2022年06月21日
2000年に名古屋で創業後急成長したエイチームへの転職。現在は東京、大阪、福岡など全国に拠点をもっており、各地で人材を募集しています。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を問われるほか、即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されます。事前にしっかり対策しておきましょう。
ゲームや比較サイト、ECサイトの運営で急成長し、2012年に東証一部に上場したエイチーム。ゲームの会社というイメージが強いかもしれませんが、「引っ越し侍」や「ナビクル」といった生活に密着したサイト運営により安定収益を確保してきたことが成長のカギとなったようです。
新人でも活躍でき、また名古屋に本社がある数少ない大手IT企業であることから、地元では特に入社の競争も激しくなっています。毎年社内で新規事業の募集が行われ、応募者が役員の前でプレゼンをするのだとか。プロジェクトが実際に採用されることもあり、「やりがいがある」「楽しい」と感じている人も多数。将来独立を目標としている人も多いようです。口コミからも「ワイワイガヤガヤ、学生の延長のような雰囲気」「雑談しながら仕事を進めていく」など、若い会社ならではの自由な雰囲気が伝わってきます。
しかし、若い人が多いため、だんだんとノリについていけなくなっていく人も。独立を目指している人を採用していることからも、「長く働く」という面をあまり重視していないのかもしれません。
アイデアをどんどん出し合ってわくわくしながら本気で取り組む。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
エイチームの採用は、エンターテイメント・ライフサポート・コーポレートといった事業別に分けて行われています。書類選考後、面接数回が行われ、選考期間は2週間から1カ月程度です。「東京で面接を受けながら、名古屋の担当者ともビデオチャットで会話した」という口コミも。ITを活用した面談となりそうです。
最終面談では必ずといっていいほど「会社に対して10個の質問をする」という課題が出されます。質問を書いた紙を提出すると社長が質問に答えてくれるというもの。ところが、質問内容に対し「なぜこの質問をしたか」と逆に突っ込まれることも。一つ一つの質問を書いた意図や真意を正しく伝えられるように準備しておきましょう。
逆質問を作るときのポイントは自己PRにつなげること。「御社で働くにあたって、身に着けるべきスキルはありますか」などは意欲のアピールにもなり、質問をした理由も「入社前に少しでも勉強したいので」などと答えやすいでしょう。逆に労働条件や残業、福利厚生に対する質問はイメージの低下を招きます。働くうえで大事な条件面は転職エージェントを利用することで、間接的に情報を教えてもらうのが得策。積極的に活用しましょう。
エイチームの面接でよく聞かれることは二つ。まずは特技です。特技も、仕事力のPRにつなげましょう。たとえば「日記を10年間毎日書いています」などは継続力のアピールになりますし、スポーツの経験はみんなで一つのものを作り上げるチームワークのPRになります。「特技」と言われるとよほどのレベルでなければ答えられないような気がしますが、たとえ文筆で賞を取っていたとしても、「会社の仕事と関係ない」と思われてしまってはむしろマイナス。レベルよりも「持続力」「忍耐力」「協調性」のアピールに目を向けましょう。
次にフェルミ推定。「日本にあるマンションの総数は」などと、調べなければわからない数字をインターネットにつなぐこともできない状況で答えさせるものです。重要なのは答えが実際の数字に近いかどうかではなく、「論理的に導き出せているかどうか」と「どのような視点を持っているか」。「マンションに含むのはどこまでか」「田舎と都会での傾向の差を考慮する」といった思考力が問われています。たとえば日本の総世帯数を思い出そうとして時間を使うのはNG。前提となる数字は、思い切って仮定で話を進め、時間内に答えることが重要です。
エイチームの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
出典:エーチームのサイトより
エイチームの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
エイチームが目指しているのは総合IT企業。そんな中で設定された経営課題の8本の柱の一つに「優秀な人材の確保と育成」が挙げられています。「人間性・協調性を重視して人材を選考」とあるので、面接ではまず誠実さや協調性をアピールしましょう。
事業別に見るとゲーム事業では、競争激化による収益の改善が求められており、開発プロセスの改善やヒットのための施策経験があればPR材料になるでしょう。ライフスタイル事業での目下の目標は各サイトでの相互送客。ユーザーの囲い込みやリピーター獲得への施策を行った経験を強調するとするとよさそうです。EC事業では物流倉庫の効率化による収益率アップが課題。全国で3拠点を自社で構えているため、IT企業でありながら物流関係の経験者を募集しています。経営理念である「今から100年続く会社にする」を実現するため、多角化戦略を取っている企業であり、今後も別業界からの採用は増加するかもしれません。
「みんなで幸せになれる会社にすること」、「今から100年続く会社にすること」
エイチームの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜエイチームか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、エイチームという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。事業の範囲が広いため、ライバル企業も多角的に調べていく必要があります。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
●株式会社リクルート住まいカンパニー
●株式会社コロプラ
このように、エイチームの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「わくわくしながら、本気で取り組む」という社風を意識して、「誠実さと協調性を持って、会社の経営課題に取り組んでいける」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
HPには「エイチームマインド」として、「お互いを認め合う」「明るく元気よく」「困難を乗り越える」とあるので、面接では明るく元気よくふるまい、困難を乗り越えたエピソードをいくつか準備しておくのもよさそうです。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
エイチームの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
●「わくわくしながら、本気で取り組む」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●一次ではフェルミ推定の対策、役員面接では「10の質問」の準備を。
●エイチームの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜエイチームか」に対する答えを明確にしておく。
●「お互いを認め合う」「明るく元気よく」「困難を乗り越える」マインドをアピール。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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