2022年08月30日
世界最大の通信事業者NTTの完全子会社であるNTTコミュニケーションズへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前に対策しておきましょう。
「人と世界の可能性をひらくコミュニケーションを創造する。」を掲げ、通信事業のトップを走り続けるNTTコミュニケーションズ。未来や価値を創ることに重きを置いており、そのためには自ら挑戦すること、そして仲間と真摯にぶつかり合い、顧客と誠実に向き合うことのできる人材を必要としています。
実際に働く社員からは「社会インフラを通して、豊かな社会を創ることができる、それがこの会社にいてこそできるやりがいだと思います。(システムエンジニア)」「サービス提供の主体となる事業部と調整し、上司や所属組織の長を説得できれば、周囲を巻き込みながらやりたいことが自由にできる。(研究開発)」というやりがいを感じている口コミが多く寄せられています。
一方、「意思決定が非常に遅い。電電公社時代からの旧態依然とした体質は根深い。(商品企画)」「風通しはあまり良くない(経営企画)」という意見もあり、部署や職種によって環境に違いがあるかもしれません。
全体的な社風については「公務員的な雰囲気の方が多かった」「昔からの延長線上でまったりしている。熱い思いを持った社員が多い部署は体育会系ノリもあったりする。」という声があがっていました。
1985年までは国営だったという経緯や、通信業界で不動の地位を築いていることもあり、とても余裕のある社風を感じます。「野心にあふれ競争しながら成長していく人」よりも「人当たりが良く、仲間と協力でき、挑戦するための熱い思いを持っている」人が求められていると推測できます。
これからも世界に価値を提供するために、仲間と協力して新しい価値を創造する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
選考期間は1週間~1ヵ月で、エントリー→1次選考(書類選考)→2次選考(適性検査・面接)→内定という流れです。
1週間から2週間で内定が出ている方が多く、選考スピードは比較的速いといえます。面接回数は合計2回の方が多く見られました。
中途採用の場合は募集ポストが多岐に渡り、必要なスキルが大きく変わりますので、エントリーの際は募集ポストの項目をよく確認する必要があります。
スキルももちろん必要ですが、人間性を重視されるようです。内定が出た方の口コミに共通しているのは「真摯に、正直に話す」ということです。
どんな人生を歩んできたのか聞かれるという声も多く、中途採用の面接でも大学の留年などがあると詳しく事情を聞かれるようです。ネガティブな事柄でも、正直にポジティブな姿勢で話すことで、好印象を与えることに成功している事例がありました。
一方で「圧迫面接気味」という口コミも見られました。過去の失敗を指摘された際に曖昧な回答をしてしまうと、圧迫面接だと感じる流れになってしまうことがあります。ごまかさず正直に歯切れよく答えることで、正直な人柄だと印象付けましょう。
10年後の展望を聞かれる質問も複数の口コミで見られました。面接の前に自分の過去を振り返り、3年後、5年後、10年後に自分はどうなっていたいか、整理しておくと良いでしょう。そして10年後になりたい姿と志望動機を繋げることで一貫性のある内容になります。
また、応募職種に必要な技術や知識を持っているか問う質問も多くあります。理屈っぽくならないよう気をつけながら、簡潔にアピールすると良いでしょう。
面接を受ける上ではNTTグループとNTTコミュニケーションズ、双方の経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
出典:NTTのサイトより
NTTグループ全体での経営戦略は上記の画像のとおりです。新商品の開発と展開、社内の強化と効率化に重点を置いています。
また、NTTコミュニケーションズの経営戦略では、2001年の段階では音声・データ通信での収益が大部分を占めていましたが、2017年にはアプリケーション・クラウド基盤・ソリューションなどでの収益が全体の42%まで増えてきており、引き続きサービスやソリューションでの事業拡大に取り組んでいます。
新しいサービスの開発には特に力を入れており、技術力のある人材の確保は非常に重要といえるでしょう。また、戦略の成功には新しいサービスを売る営業職の力も必要となります。ソリューション営業などの経験があれば有利に働きますので、積極的にアピールしましょう。
また、グループ全体で国内事業とグローバル事業の切り分けによる、大幅な組織改革が予定されています。既にグローバル関連の部署は、新しく設立された子会社であるNTT Ltd.へと統合されているようです。今後も動きがある可能性がありますので、常に最新情報をチェックすることをおすすめします。
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜNTTコミュニケーションズか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
NTTコミュニケーションズはNTTグループ内で競合している事業が多くあります。NTTグループ内の子会社の役割をしっかりと把握しておくと良いでしょう。
●日本電信電話
●東日本・西日本電信電話
●NTTデータ
●NTT Ltd.
このように、採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「世界に価値を提供するために、仲間と協力して新しい価値を創造する。」という社風を意識して、「サービスやソリューションの事業を推進する上で活躍できる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「世界に価値を提供するために、仲間と協力して新しい価値を創造する。」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●NTTコミュニケーションズの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●NTTグループについても研究し、「なぜNTTコミュニケーションズか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者