【口コミ評判】「とにかくのんびり」NTTコミュニケーションズ 社員いわく「社風は元国営企業のお役所体質」

【口コミ評判】「とにかくのんびり」NTTコミュニケーションズ 社員いわく「社風は元国営企業のお役所体質」

NTTコミュニケーションズは、旧NTTから分割した最初の会社のひとつでありながら、1社だけ独自のロゴを採用するなど、比較的独立性の高いイメージがあります。しかし企業口コミサイト「キャリコネ」に書き込まれた現役社員・OBOGの声を見ると、現状はやや違っているようです。


NTTコミュニケーションズといえば、NTTグループの長距離・国際通信事業を担う会社。しかし同社の採用サイトでは、自社を「"通信の会社"ではありません」と宣言し、次のように定義しています。

通信という手段を使い、さまざまな情報を活用し、ICTで世界中のビジネスや生活を豊かにする会社なのです。

「消費者より上司や行政機関が大事」

勢いのある文章ですが、企業口コミサイト「キャリコネ」にある社員の口コミは、趣の異なるものが多いようです。NTTコミュニケーションズの営業企画で働く40代男性は、自社の社風について次のように説明しています。

元国営企業のお役所体質が色濃く残っている。消費者よりも上司や行政機関との関係性が重要視される。空気を読むスルー力が必要。(2018.4.30)

NTTコミュニケーションズは、NTTの分割民営化の際にできた4社の1社であり、NTTドコモやNTTデータよりも歴史のある会社です。

都道府県を越えて行なわれる長距離通信事業や、フリーダイヤルなどの特殊付加電話サービス事業、インターネット・サービス・プロバイダ事業 (OCN) をNTTから受け継ぎつつ、国際通信事業へ新規参入しています。

ロゴマークも独自のものを作り、比較的独立性の高い会社というイメージもありますが、中の人は、やっぱり旧NTTの名残を感じているようです。

元国営だからか、とにかくのんびりしている。大企業の余裕なのだろうか?

ネットワーク回線についてはシェアが高いのでNo.1としての振る舞いをしていてもおかしくはないのだが、新しい分野のサービスについても自分達は後発なのに、なぜか戦略がチャレンジャーの戦略ではなく、全方位だったり、その分野のNo.1企業的なふるまいをしようとして結局形にならない。(2019.1.24)

中途採用社員は「非常に少ない」

法人営業で働く30代男性によると、現場では「ソフトバンクやKDDIとバッティングすることが多い」そうですが、ここでも社風の問題が指摘されています。

出しているものはライバル企業に見劣りがしないが、いかんせん社内の決定プロセスや、すべての事務処理に対して時間がかかることなどから、近年はソフトバンク等と値段が釣り合わなくなる現象が起こっている。(2019.7.8)

この男性社員によると、この会社では「中途採用社員」が非常に少ないほか、非正規従業員にかかる比重が重くなっているといいます。新卒生え抜きの正社員にとって、居心地のいい場所になっているのかもしれませんが。

公共分野を扱っている営業部では、役所関係からの一部の天下りを受け入れている。このような場合を除き、中途採用はほとんどない。その代わり、「アライアンス」と呼ばれる派遣社員や、「バリューチェーン」といわれる子会社の人間が多数在籍している。彼らは、待遇や福利厚生等は圧倒的に正社員に劣るが、仕事は正社員以上のことを求められるなど、大変矛盾を孕んだシステムになっている。(2019.7.8)

この書き込みを裏付けるように、コンサルティング営業を担当する40代の男性派遣社員は「とにかく給料が安い」と不満を漏らしています。

最近よくNTTから他の企業へ転職するという情報を見かけるのも、大きな原因はここにある。社内で経営陣が社員達との対話をする企画があったのだが、そこでも給料面の話になり、かなり白熱した。しかし経営陣はあまり重要なことと捕らえてない節があったため、特に若手社員には不信感が広がった。(2019.1.24)

出世には「人事の面接官」が壁に?

社内の出世について、40代の商品企画担当の男性が詳しいしくみを説明してくれました。

グレードごとに、過去評価の累積で昇進基準がある。部署ごとに枠が決まっているため、管理者同士のBindingと呼ばれる会議で優先を決める。ある程度の階級以上はBindingによって選ばれたメンバーをHR(人事)が面談で評価して最終決定となる。実績を出すのはもちろんだが、上司の力に大きく左右される。(2018.9.21)

一方、法人営業の30代男性によると、出世は「企画と呼ばれる総務人事系の人たち」が強いそう。技術系の印象がありますが、そうではないのですね。

必ずしも世間一般または市場で評価される優秀な人が出世するとは限らない。出世につながる人事評価の枠も、結局は人事部出身の役職者が持っており、そのような者とつながりがあるかどうかが、出世の鍵となる。(2019.7.8)

技術関連職の40代男性も「人事」「HR」の壁について述べています。最近は事業部単位での採用や評価を重視する会社が増えていますが、こういうゼネラリスト重視のところもNTT方式の影響が出ているのでしょうか。

基本的には、上司に逆らわないこと。主査(Manager)までは部内でうまくやれば、推薦してもらえる。課長(Senior Manager)からはTOEICや社内資格がないとエントリーされない。部内の推薦はもちろん必要だが、HR面談の面接官との相性で決まる。エントリーにはあるていどの実力が必要だが、最終的には一回のHR面談だけで決まってしまう。運というより、そのときに担当する面接官の好みな気がする。(2017.9.18)

女性にとっては「かなり働きやすい会社」だが

ドメスティックな会社だからこそ、グローバル志向の人には有利になるポイントもあるようです。技術コンサルタントの30代男性は、「望めば海外出張などの機会も多く、下手な外資系よりもグローバル意識が高い」と語ります。

語学力の高い日本人社員が少ないので、語学力があるだけでグローバルポジションにアサインされる。長期出張や赴任の可能性が一番高い日系会社の一つではないだろうか。(2018.2.6)

ただしこのあたりは、個人によって感じ方が違うのかもしれません。もちろん、NTTグループ特有の「安心して働ける環境」もあります。

女性にとってはかなり働きやすい会社だと思う。産休から戻ってくる女性が多い。また、子供が小さいうちは時間短縮で働くこともできるし、家にいたままのリモートワークの体制も整っている。(2019.1.24)

カフェテリアポイントが年間25万円分支給される。レジャーチケットや花束などの商品に変更できる他、住宅補助などでも消費される。住宅補助は従来からNTT社宅に入っている人も多いが、近年は自己解決で確か3.7万円/月の補助が申請できたと思う。(2018.9.21)

新卒学生など具体的な仕事がイメージできない人たちにとっては、福利厚生などの付加的なメリットが魅力的に見えてくることもあります。しかしやっぱり、仕事を長く続けていくためには、仕事そのものが自分に合っていることが必要になるでしょう。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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