2021年06月21日
トマトの食品加工を中心に扱う大手総合メーカー、カゴメへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
明治時代から続くカゴメの歴史は、1899年に創業者である蟹江一太郎氏がトマトの栽培を始めたことによりスタートしました。
カゴメと言えばトマトを連想する方も多く、世界初の樹脂製チューブに入れたトマトケチャップは同社の看板商品。このトマトケチャップをはじめとした食品事業の他にも、飲料事業・農事業・通信販売事業など野菜を軸に幅広い事業展開を行っています。カゴメの主力商品である植物性乳酸菌飲料・野菜ジュースなどの健康系飲料は多くの方が愛飲し、ファンを増やし続けています。さらに近年では生鮮野菜や冷凍食品など新たな食品事業にも着手し、長年培った同社の知見を事業を通じ社会課題の解決に取り組んでいます。
そんなカゴメの社内は穏やかで風通しが良く、多様な人材の能力が最大限に活かせる仕組み作りと意識改革に力を入れています。人員を適材適所に配置し、ミーティング時間の短縮や徹底した時間管理でチーム単位での生産性を向上させ、仕事と家庭の両立を図る女性でもキャリアアップを目指せる環境を作っています。実際に社員からは「働きやすい会社」という口コミが多く寄せられました。
一方で完全年功序列の昇給制度は、仕事の成果による評価が反映されにくいという不満の声も聞かれます。長い歴史を持つカゴメの組織制度は、近代化への制度改革が始まったばかり。今後どう展開し、社員一人ひとりに「働きがい」を提供していくかが期待されます。
カゴメではお互いの能力と個性を認め合い、自分の能力を最大限に発揮できる。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
カゴメのキャリア採用の選考プロセスは、エントリー⇒書類選考⇒筆記テスト⇒個人面談⇒グループワーク・適性検査⇒人事部長面談⇒最終面談⇒内定という流れです。コーポレートサイト内の既卒採用のページからエントリーが可能ですが、イレギュラーを除き4月~6月と限られた期間のみの募集となります。
現在の募集は総合職のみです。「研究技術系総合職(研究)」「研究技術系総合職(工場)」「事務系総合職」の3つの部署があります。カゴメでは可能性や、チャレンジ精神を大切にしたいという思いから、異なる専攻・研究内容や経験がない職種にも応募が可能です。自分の持ち味を大事にし、仕事を通じて自己実現を図れる方が求められます。
カゴメのキャリア採用ではどのステップでも、志望動機が重点的にヒアリングされます。「なぜカゴメか」という問いに対してはもちろん、「なぜこのタイミングでの転職なのか」「なぜその部署なのか」など深堀をされます。そのため面接官が納得できるブレのない回答を用意しておきましょう。
また同社の商品やブランドステートメントを聞かれることもあり、企業研究をどれほど行っているのかを質問を通してみられます。企業情報や企業展望などを読み込み、カゴメが見据えている企業ビジョンのキャッチアップに努めることにより志望度の高さをアピールすることができるでしょう。
さらに企業ビジョンからカゴメが必要としている人材を分析することも、カゴメの採用面接では重要なポイントになります。カゴメが必要としている人材にベクトルを合わせたアピールは、面接官の採用意欲を高めることに繋がります。
カゴメの面接を受ける上では、長期ビジョンを理解しておくことが不可欠です。長期ビジョンでは同社が目指す具体的な姿を下記の2つにまとめています。
出典:カゴメのサイトより
出典:カゴメのサイトより
カゴメでは上記の2つのビジョンを置き、食を通じた社会問題の解決・持続的に成長できる強い企業になることを目指しています。中でも注目は、これまでのカゴメのイメージである「トマトの会社」から一新、「野菜の会社」というパブリックイメージを創り上げるビジョン。トマトから野菜へと領域拡大を行い、食品事業のみならず契約農家の栽培指導ビジネスや、健康サポートサービスなど新ビジネスを展開する戦略が掲げられています。
そのためキャリア採用では、カゴメの理念やビジョンに共感し仲間と共に新しい領域に挑戦できる人材が求められています。この長期ビジョンはコーポレートサイトの採用ページにも採用軸として記載されているので、あらかじめ目を通しておきましょう。
また長期ビジョンを理解することは、カゴメが求めている人物像を理解することにも繋がります。自分なりに読み込み、10年後のカゴメを作るためにどんな人材・経験が求められるのかを分析することがポイント。さらに志望動機に落とし込むことにより、面接官へ採用後のイメージを描かせることができるでしょう。
カゴメの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜカゴメか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「仲間と共に課題解決できるのか」「カゴメの理念に共感しているのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているのか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、カゴメという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社伊藤園
●味の素株式会社
●株式会社Mizkan
このように、カゴメの採用面接を受ける前には、長期ビジョンに基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、お互いの能力と個性を認め合い、自分の能力を最大限に発揮できる社風を意識して、仲間と共に新しい領域に挑戦できる人材であると印象付けられるよう、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
カゴメの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●お互いの能力と個性を認め合い、自分の能力を最大限に発揮できる社風を意識して、これに合致した仲間と共に新しい領域に挑戦できる人材であることを自分の言葉でアピールする。
●カゴメの長期ビジョンを理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜカゴメで働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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