2021年06月21日
オフィス用品の通信販売を主力とするアスクルへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「個性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめ転職を成功させましょう。
オフィス用品の通信販売で国内最大手のアスクル。もともとは事務用品大手のプラスの子会社として設立されましたが、現在はヤフーなどを傘下に置くZホールディングスの連結子会社となっています。
その社名は、「翌日配送(=明日来る)」に由来しています。同社は、大都市近郊に大型の物流センターを構えることで他社に先駆けて翌日配送を可能にしました。また、そのビジネスモデルは、町の小売店をエージェントとするほか、サプライヤー、配送会社、情報システム開発および運用会社など様々なパートナー企業をエコシステムに取り込み、“大アスクル”として共存共栄を図っているのが特長です。2012年には、個人向けの通販サービス「LOHACO(ロハコ)」を開始し、事業領域をBtoCへと広げました。
公式ホームページより
そんなアスクルの口コミには、「フランクな人が多く、人間関係はいいと思う」「働きやすい環境が穏やかな雰囲気をもたらしている」「イベントもちょこちょこあるが、かといってベッタリな雰囲気ではないので、働きやすい」など、職場の風通しの良さと働きやすさをあげる声が多く聞かれます。
また、女性比率が高いためか、女性にとっても働きやすい職場環境のようです。「家庭との両立もしやすく、非常に働きやすい」「テレワークなどを活用することで女性はかなり働きやすい環境になっている」「ワークライフバランスを重視した社内制度の充実を推し進めている」という口コミからも、会社側が制度面を通じて配慮していることがうかがえます。
同社の面接にあたっては、こうした風通しの良い環境の中、フラットな関係性で仕事に取り組める人材であるかが見極められます。同社の社風にフィットした人材であると伝えられるよう、様々なエピソードを用意しておくとよいでしょう。
公式ホームページに選考過程に関する記載はありませんが、口コミ等の情報によると、エントリー情報による選考→筆記試験→3回程度の面接で構成されているようです。中には、グループごとにテーマが与えられ、ディスカッションをして発表するスタイルを経験したという口コミもありました。また、内定までの所要期間は、おおむね1ヶ月程度となっています。
同社では2020年2月現在、IT・エンジニアや物流分野で数多くのキャリア採用を募集しています。同社のホームページには職務内容や待遇の他に「求める人材像」についての記載がありますので、応募を検討する人は必ずチェックしておきましょう。なお、ホームページ以外からの応募は受付不可となっていますので注意してください。
「前職での経験」「志望動機」「応募職種に関するスキル」というように、一般的な質問が多くなっています。また、「アスクルのサービスを利用したことがあるか」という質問がされることもあるようです。こうした質問に対しては、自己分析や企業研究をしっかりとおこなうことで十分対応できます。
また、「アンテナショップをどのように作るか」というテーマでグループディスカッションをおこなったという口コミもあります。このようなケースでは、役割分担を通じて応募者それぞれの資質、コミュニケーション能力、論理的思考能力など、課題解決に必要な様々な要素が見極められます。面接経験者からは、「ディスカッションの司会進行や最後に発表する人が必要になってくるので、積極的に自分から手を挙げたほうがいい」というアドバイスもあります。
いろいろな面接官がいるため、面接の雰囲気はその時々で違うようです。和やかな雰囲気であろうと、圧迫感を伴う雰囲気であろうと、自分の実力を出し切ることが重要です。そのためにも、事前の準備をしっかりとおこない、当日は落ち着いて対応できるようにしましょう。
アスクルの事業セグメントは、「BtoB事業」と「BtoC事業」を含む「eコマース事業」、「ロジスティクス事業」、「その他事業」で構成されています。2020年5月期第2四半期決算資料によると、主たる戦略として、「BtoB事業」と「BtoC事業」で次のような内容が示されています。
〜BtoB 事業所向け〜
安定的な増収増益〜BtoC 個人向け〜
選択と集中をさらに強化
2020年5月期の利益計画達成と2023年5月期までの黒字化を実現
具体的な施策を見ていきましょう。
BtoB事業では、安定的な増収増益に向けて3つの施策に取り組む考えです。
①オリジナル商品のさらなる拡大
②ロングテール商品の高成長によるシェア拡大
③Webの進化継続による売上高拡大
一方、BtoC事業では、収益が低迷しているLOHACOにおいて、選択と集中を強化します。さらに、損益分岐点を下げることで収益構造を改善させる考えです。そのために次の3つに取り組むとしています。
① 売上総利益率のさらなる向上
② 物流コスト低減とお届け品質向上の両立
③ ヤフーとの連携をさらに強化
このように、企業は経営戦略を掲げ、それを遂行するために必要な人材戦略を策定します。つまり、経営戦略と採用・人材育成方針はダイレクトに繋がっているのです。現在、同社で多種多様なIT・エンジニア職が募集されているのも、同社が掲げる“テクノロジーファースト”を具現化するためだと言えるでしょう。したがって、面接にあたっては、決算説明資料や経営戦略資料等をしっかりと読み込んだうえで自己分析を行い、自分のスキルやキャリア展望を重ね合わせてアピールする必要があります。
アスクルの面接でよく聞かれる質問のひとつとして、「なぜアスクルか」があります。面接官がこの質問を通じて確認したいことは、「アスクルの社風にフィットしているか」「応募者のやりたいことがアスクルで実現可能か」「アスクルで戦力となりうる人材か」といった実に様々なことです。
だからこそ、この質問では深堀りをされる可能性があります。広い視野を持って企業研究をおこない、アスクルについての理解を深めておきましょう。そのためには競合他社についても研究し、違いを把握することが大切なのは言うまでもありません。少なくとも、以下のような企業との違いについてはおさえておく必要があるでしょう。
●株式会社カウネット
●プラス株式会社
●株式会社大塚商会
アスクルが目指している方向性や、求める人材像が分かってきたのではないでしょうか。
アスクルは、社員の関係性がとてもフラットで風通しの良い職場だと言います。また、女性比率が高く、ライフイベントによってキャリアを中断せずに済む制度の整備が進んでいます。そうした環境を最大限生かしながら、どんなアウトプットを出していくかが重要になります。経営戦略等をしっかり理解したうえで、自分がどういった側面から貢献できるのかを伝えられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
アスクルの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●フラットな関係性で仕事に取り組める人材であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
●アスクルの経営戦略を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜアスクルか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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