2021年06月21日
漢方、製薬事業や入浴液などで知られるツムラへの転職。中途採用面接では新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、また一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
1893年創業のツムラは、高齢者関連領域、女性関連領域、がん領域(支持療法)を重点3領域として展開し、医療用漢方製剤の市場で80%以上のシェアを占めています。経営理念「自然と健康を科学する」、企業使命「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」を基本的な理念としています。
そんなツムラは、「ガツガツしている人が少なく、優しい人が多い」「会社も社員に優しいと感じる」といった声が複数見られ、働きやすい環境といえます。
また扱っている薬が特殊なため競合があまりないこともツムラの特徴のひとつといえます。口コミには「医師から漢方薬について教えて欲しいと言われることもある。他のメーカーではあまりない」「医師に情報を提供する難しさがあるが、同時に誇りと喜びを感じることができる」といった声があり、他の製薬会社とは違ったやりがいを感じている社員が多いです。
ツムラは、生産、研究開発、営業、どの職種においても一人ひとりがプロ意識をもって行動し、「漢方のツムラ」として自ら新しい道を開拓することを目指しています。面接ではこういった姿勢にマッチする人財かどうかを見られますので、意識するようにしましょう。
ツムラの選考プロセスは、書類選考、面接(3回程)です。面接官は人事部と役員クラスが担当することが多いようです。内定までの所要期間は、1ヵ月程度ですが、なかには3ヵ月かかったという面接経験者の声もありますので、採用担当者とコミュニケーションを取り、転職希望時期を事前に伝えるなど工夫するようにしましょう。
2020年3月現在、ツムラのキャリア採用では、品質保証職(GQP)、人事職で募集を行っています。品質保証職では中国語を、人事職では英語または中国語の語学力が問われることもあります。コーポレートサイトには、条件や待遇などの詳細や各職種の募集要項、応募者へのメッセージなどが掲載されてますので、事前によく確認するようにしましょう。
ツムラの面接では一般的な質問のほか、漢方に対する考え方などを問われることが多いようです。そのため、西洋薬との比較や漢方の将来性、問題点など漢方の特長をしっかり捉え、説明できるように準備しておくことが大切です。併せて自分の考えもしっかり伝えられるようにしておきましょう。
コーポレートサイト内の採用ページには、応募者に向けたメッセージが記載されています。その中で、求める人財として「成長し続けられる人」といった記載があります。これを意識し、面接時の自己PRにおいては、責任感があり、自ら考えてチャレンジしやり遂げられる人財であることを、エピソードなどを通してアピールできるよいでしょう。
また、現在の世界・国内の医療について自身の見解をまとめておくとともに、自身が入社後にどう貢献していきたいか述べられるよう、準備しておくことも大切です。
ツムラの面接を受けるにあたり、「2021年ビジョン:長期経営ビジョン」を理解し自己分析に落とし込むことが大切です。ビジョンの内容は以下となります。
株式会社ツムラ 公式サイトより
ツムラの「2021年ビジョン:長期経営ビジョン」は、今後活躍する人財を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと確認し、面接ではこの理念に合致することをアピールしましょう。
コーポレートサイトの社長メッセージ内では、ビジョンで掲げられている「"人"のツムラ」について、「高い『志』と『情熱』、自らの『使命』を果たすことへの喜び、他人を思いやる『利他』の精神、自ら考え行動し責任を果たす『自立』、そして業務に関する『プロフェッショナル』。これらを兼ね備えた人を目指す」ことと語られています。前職の経験などから、自分の為すべきことを理解し目標を掲げ、自主的に行動してきたことを、エピソードを交えながら伝えられるとよいでしょう。
また漢方・生薬事業は、他に手本のないビジネスでもあります。これまでの経験の中で、新たに開拓したこと、自身の発想力でこれまでにない成果を得られたことなどがあれば、積極的に伝えるようにしましょう。患者やその家族に思いを馳せ、高い志(こころざし)と新しい発想力で挑戦し続けられる人財であるとアピールすることが大切です。
ツムラの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜツムラか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「入社後どのようなことをしたいのか」「それが当社にマッチするのか」「この人の経歴が当社でどう活かすことができるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も併せて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、ツムラという企業についてしっかりと理解することが大切です。そのためには、競合となりやすい他社の研究も忘れずに行いましょう。具体的には以下のような企業について調べておくことをおすすめします。
●クラシエホールディングス株式会社
●大正製薬株式会社
●大鵬薬品工業株式会社
●エーザイ株式会社
このようにツムラの採用面接を受ける前には、「2021年ビジョン:長期経営ビジョン」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「どの職種においても一人ひとりがプロ意識をもって行動し、『漢方のツムラ』として自ら新しい道を開拓することを目指す」という社風を意識しましょう。そして患者やその家族に思いを馳せ、高い志と新しい発想力で挑戦し続けられる人財だと印象づけられるよう、様々なエピソードを準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問内容をご紹介します。これらの質問をされたらどのように対応するか、イメージをしっかりもち面接対策をしておきましょう。
ツムラの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえていきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「どの職種においても一人ひとりがプロ意識をもって行動し、『漢方のツムラ』として自ら新しい道を開拓することを目指す」という社風を理解して、これに合致した人財であるとアピールする。
●ツムラの「2021年ビジョン:長期経営ビジョン」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜツムラか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするように心がけましょう。
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