PwCコンサルティングの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
世界4大会計事務所(Big4)のひとつ、プライスウォーターハウスクーパースの日本法人であるPwC Japanグループ。PwCコンサルティングは2016年の組織変更により、PwC Japanグループ内の監査、税務、法務など専門サービスのコンサル部門を集結し、新設されました。
PwCグループ(157か国、約27万人)では、自らのPurpose(存在意義)として「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことを掲げ、その価値観と行動を一人ひとりが意識し、仕事で実践することが求められています。
中途入社が比較的多いPwCグループでは「コーチ制度」が設けられており、「丁寧にフィードバックしてもらえる環境」「リラックスしてパフォーマンスを発揮できる」という口コミからも、中途入社でも疎外感を感じることは少なく、成長の場を与えてもらえる環境だといえそうです。また、PwCコンサルティング(以下、PwC)にはオープンでフラットな文化が根づいており、「自分一人で成長しなくてはと悩むことなく、人と一緒に成長できる」「事業系からコンサルへの転職には最適」といった声も聞かれます。
また、同社は働きがいのある会社づくりに注力しており、参加企業の働きがいを分析し各メディアに発表している機関、Great Place to Work® Institute Japanによるランキングにも参加しています。「プロジェクト終了後には長期休暇の取得が可能、フレックス制度やテレワークなど制度面での整備も進んでいる」といった口コミも。
一方で、戦略コンサル、いわゆるピュアストラテジーを目指して入社した場合は、SIerと変わらない業務が多いことや、現場寄りの泥臭い仕事に対する不満の声も。しかし、ピュアコンサルはコンサル全体の1~2割ともいわれています。デジタルトランスフォーメーション(DX)が推進され、何をするにしてもITと絡めなければ成立しない昨今では、自己目標を描き、それに近づく努力を惜しまずキャリアアップすることにより、チャンスが広がっていく社風ともいえるでしょう。
同社の「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPurposeを意識し実現できる人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
エントリー後、書類選考(Webテスト)、複数回の面接を経て採用という流れとなっており、採用まで2週間~1か月くらいが見込まれます。面接時には想定されるポジションに応じて、ビジネスケースの提出や適性検査がおこなわれます。職種によって面接回数は2~5回とまちまちです。
コーポレートサイトからのエントリーも可能ですが、半数は転職エージェントから、それ以外は従業員の紹介とダイレクトソーシングからの採用実績といった話もあることから、「ケース面接」や「フェルミ推定」については転職エージェントなどと相談し、アウトプットの見せ方についても研究しておくことをおすすめします。
PwCでは通年で各種コンサルタントを募集していますが、領域スペシャリスト、クリエイティブディレクターなどの募集枠もありますので定期的に確認してみましょう。
■面接内容の傾向は?
面接官の自己紹介に続き、応募者の自己紹介、職歴説明、志望動機、質疑応答、ケース面接の順に進むことが多いようです。1次面接はディレクター、2次面接はシニアマネージャー、3次では人事担当者、最終面接はパートナーが面接官だったという口コミもあれば、2次面接が最終面接で採用に至ったという口コミもあるなど、職種により面接官が感触をつかみながら慎重に対応している様子がうかがえます。
前述しましたが、「ケース面接」や「フェルミ推定」は事前にしっかり研究しておくことをおすすめします。即戦力となるコンサルタントに必要とされる、未来志向、俊敏性、柔軟性をアピールできるように準備し、論理的かつ客観的に質疑応答できるよう入念な準備をしておきましょう。
PwCコンサルティングの面接攻略法(面接対策)
■PwCの行動規範「PurposeとValuesの実践」を理解した上で自己分析する
PwCの面接を受ける上で行動規範を理解しておくことが不可欠です。それでは、PwCグループの行動規範を確認してみましょう。
PwC PurposeとValuesの実践
PwCのカルチャーは、ファーム内外からの期待や要望に基づくフレームワークを支えに発展し続けています。こうした期待や要望が私たちの行動の指針となり、以下に挙げた私たちの信頼を築くことに役立っています。
・ビジネス活動における信頼を築く
・お互いの信頼を築く
・社会における信頼を築く
・情報利用における信頼を築く
PwCでは現在取り組んでいる課題解決だけではなく、社会の急速な変化に対応し、新しく複雑な課題を解決することによって、社会における信頼を構築し重要な課題を解決するというPurposeを実現しています。その実現に必要なのは、PwCの全員が「Values & Behaviours(価値観と行動指針)」を理解し体現すること。その行動変革こそがPwCの目指すPurposeの実現へとつながるとしています。さらに、5つの価値観を理解し体現していくことが重要です。
Purposeを追求するための基本的価値観
Act with integrity
・正しいと思ったら声を上げる、それが困難と感じるときほど
・最高のクオリティを期待し、生み出す
・自分自身のレピュテーションが問われているかのように決断し行動する
Make a difference
・常に世の中の情報に通じ、その将来について自分の意見を持つ
・同僚、クライアント、そして社会と共に、行動を通じてインパクトを生み出す
・絶えず変化する環境にスピード感をもって対応する
Care
・すべての人を個人として尊重し、その人にとって何が大切なのかを理解する
・一人ひとりの貢献を認め合う
・周りの人の成長をサポートし、その人が最も能力を発揮できるやり方を尊重する
Work together
・様々な境界を越えて協働し、人脈、アイデア、知識を共有する
・多種多様な視点、人材、アイデアを求め、それらを結びつける
・双方向のフィードバックを通じて、互いを高め合う
Reimagine the possible
・現状に挑戦することをいとわず、新しいことを試す
・創造する、試す、失敗から学ぶ
・いかなるアイデアに対しても先入観を持たない
多彩なキャリアを積んだプロフェッショナルが集まる幅の広さがPwCの強みです。行動規範を全員が実践することで信頼へとつながり、未来をつくっていくことを標榜しています。
PwCの行動指針を理解し、これまでの経験の中で上記5つの価値観に当てはまるものがあればピックアップし、エピソードを交えて話せるようにしておきましょう。
■「なぜPwCコンサルティングに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
PwCの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜPwCか」という志望動機があります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「それが当社で可能なのか」「この人は何をやりたいのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、PwCという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の研究も忘れないようにしましょう。具体的には、PwC以外のBig4コンサル・ファームについて調べておくことをおすすめします。
- デロイトトーマツコンサルティング合同会社
- KPMGコンサルティング株式会社
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
PwCコンサルティングの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、PwCの採用面接を受ける前には、行動規範に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」という行動指針を意識して、「Purpose」の実現に合致する人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
「フェルミ推定は勉強すれば簡単。今後は対策できないようにケース問題にするという話を入社後に聞いた」という口コミや、質疑応答では「なぜ、なぜ、と繰り返し問われた」との口コミも。日ごろから「なぜ」を繰り返し、物事を洞察する習慣をつけておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、シミュレーションしながら面接対策をしておきましょう。
[40代前半・男性/システムコンサルタント] 【入社】
[20代後半・女性/経営コンサルタント] 【入社】
[30代前半・男性/経営コンサルタント] 【入社】
PwCコンサルティングの採用面接に向けて
PwCの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3点です。
- 「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことを意識して「Purpose」の実現に合致した人材であることをアピールする。
- 行動規範を実現するための「5つの価値観」を意識し、それに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜPwCコンサルティングか」に対する答えを明確にしておく。
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