2022年06月14日
国内にとどまらず世界で勝負するデジタルアートのトップランナー、チームラボへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、書類だけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
最新鋭のテクノロジーにアートを融合させた独自の表現世界を展開する、チームラボ。同社は、東京大学大学院在学中だった社長の猪子寿之氏が幼馴染と「ずっと友達と一緒にいたかった」という理由で2001年に設立されました。その結束力は20年余りたった現在も継続しており、揺るぎないものとなっています。
東京お台場の「チームラボボーダレス」や豊洲の「チームラボプラネッツ」(両館とも2020年4月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止措置のため臨時休館中)などで魅せるユーザー体験型のアートは、観客に合わせインタラクティブに変化し、さまざまな年代の人を魅了しています。国内展示にとどまらず世界でも高く評価されるチームラボの作品群は、ニューヨークでのエキシビション、シンガポールビエンナーレをはじめ、海外でも高い評価を得ています。このようなデジタルアート事業と対をなすソリューション事業のほかにも、さまざまな領域の事業を幅広く展開しています。
そんな同社の口コミで多かったのは「自由」「面白い」というキーワードでした。「エンジニアやプログラマにとって快適に仕事ができる環境」「社内がフラットで決裁が早い」「裁量労働制のため出勤時間はあってないようなもの。残業代は出ないが仕事に没頭できる」「面白い仕事に関わることができる」といった話が聞かれます。やりたい仕事が明確にあり、その方向で突き抜けたいという人には最適な会社といえるでしょう。また、猪子氏らが徳島県出身であることから「阿波踊り時期の社内は閑散としている」という話もありました。
自由な雰囲気の中、チームの可能性を信じ、なにごとも楽しむ。こうした社風にフィットする人材かどうか、採用面接では見極められます。
同社の採用は、エントリー、書類選考後、2回の面接を経て採用という流れになっています。遠方から応募する場合、2回の面接はビデオ通話でも実施可能です。また、選考に要する期間は2週間~1か月となっています。
通常選考のほか、オンライン上でのプログラミング採用も実施しています。これは書類選考なしでオンライン出題に回答し、結果次第ではそのまま最終面接に進むことができるというものです。オンライン採用の結果は2週間以内に通知されるので、一度受けてみるとよいでしょう。
チームラボでは「テクノロジー」「クリエイティブ」「カタリスト」「マネジメント」のカテゴリに分け、エントリー可能なさまざまな職種を通年で募集していますので、こまめにチェックしてみてください。ちなみに新卒採用も通年でおこなっています。
面接では志望動機や仕事に関する考え方、制作への熱意を推し量るための質問が多いようです。面接経験者からは「開発経験を聞かれた」「エンジニアの資質を確認するような質問をされた」との話がありました。
採用担当者のインタビューには「互いを補完し合いながら自分の力を最大限に発揮できる環境で、ものづくりを楽しめる方に入ってもらいたい」「同じような人が集まるとアイデアが偏ってしまうので、チームラボにはいない斬新な発想力を持つ人、違った視点を持つ人と巡り合いたい」とあります。好きなことや得意分野が明確であれば、多少苦手なことがあっても構わないという方針の同社。面接では、これまで夢中になって取り組んできたことを整理し、エピソードとして理路整然と伝えられるよう準備しておきましょう。
同社の面接を受ける上では、「TECHNOLOGY × CREATIVE」という方向性を理解しておくことが不可欠です。
コーポレートサイトより
「ウルトラテクノロジスト集団」と自称する同社は、プログラマ、エンジニア、グラフィックデザイナーなどさまざまなスペシャリストたちで構成されています。プログラマ、エンジニアはさらに細分化され、これらのメンバーがチームを編成し、協力しながら活動しています。同社は「デジタルテクノロジー」と「デジタルクリエーション」を組み合わせることで新しいものをつくり、いままで以上の価値を生み出しているのです。
また、同社が進める「学ぶ!未来の遊園地」は、生きるために必要な共感力や創造力を育む最新デジタルアートが創り出す、体験型知育空間です。子どもたちが自由に体を動かし、アート体験を楽しむことができます。
コーポレートサイトより
猪子氏の著書『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』(宇野常寛氏との共著、PLANETS、2019年11月刊)のタイトルにもある「境界のない世界」は、同社を語る上で重要な言葉です。評論家である宇野常寛氏と猪子氏の対談から、チームラボが目指すアートの方向性が見えてきますので、一読しておくとよいでしょう。
こうした同社の理念「TECHNOLOGY × CREATIVE」を理解し、自己分析に結びつけることによってどのように活躍できるのか、具体的にアピールすることが重要です。
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜチームラボか」というものがあります。この質問を通して面接官が知りたいのは、さまざまな志望動機はもちろんですが、「当社について本当に理解しているのか」ということです。この質問に答えるためには、明確に志望動機を伝える必要があります。
志望動機をはっきりさせるには、チームラボに関する多種多様な情報を収集・分析することはもとより、業界理解や職種理解の枠を超えた他社研究が重要です。他社研究を通してチームラボという企業の輪郭がはっきりと見えてくるので、同社への理解がいっそう深まるでしょう。デジタルアートに関連した以下の企業について調べておくことをおすすめします。
●株式会社ライゾマティクス
●株式会社Takram
●THE EUGENE Studio
同社が目指している方向性や、どういった人材が求められているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
このように同社の採用面接を受ける前には、同社の理念「TECHNOLOGY × CREATIVE」に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「自由な雰囲気の中、チームの可能性を信じ、なにごとも楽しむ」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
チームラボの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「自由な雰囲気の中、チームの可能性を信じ、なにごとも楽しむ」という社風にフィットする人材であることをアピールする。
●チームラボの「TECHNOLOGY × CREATIVE」という理念を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜチームラボなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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