2021年06月21日
日本有数の建設コンサルタントとして、世界中の国々で社会資本づくりに寄与する日本工営への転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、「人柄」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として評価されるので事前にしっかり対策をして転職を成功させましょう。
日本工営は、国内の業界でNo.1の売上を誇る建設コンサルタントです。70年にわたり、世界各国でダムや河川、道路といった社会資本づくりを手がけてきました。今や、防災、地盤・土壌関連、自然環境系と多岐にわたる事業領域で、地域ごとの課題に最適解を導き出しながら、人びとの安全で豊かな生活に寄与しています。その実績は、東南アジアの国々での水力発電事業、ベトナム初の大量高速輸送鉄道開発、チュニジアでの橋の建設など枚挙に暇がありません。プロジェクトの実施国は160ヵ国、年間件数は5000件にのぼります。
同社の口コミを見てみると、「世間の役に立っていると感じながら働ける」「若いうちから海外勤務もあり、途上国の開発などに携われる」と、公共事業や社会の根幹であるインフラ整備に関われる社会貢献度の高さが社員のやりがいや使命感となっている様子。
また中途採用社員については「能力に適した仕事を与えられ会社になじんでいる」「経験や知識を生かして活躍している」と、新卒入社社員と分け隔てなく、力を発揮する環境が見えてきました。「同業の中でも職場の雰囲気はかなり良い方」「日本企業らしい一体感がある」「上司が親身に指導してくれる」と、社内の人間関係も良好のようです。
仕事柄、繁忙期は多忙を極め、残業も増えるようですが、最近ではノー残業デーやフレックスタイムの活用などでバランスをとり始めたとのこと。仕事への責任感から、忙しさに理解を示す社員が多そうですが、体調やスケジュールの管理は大切な課題となっています。
誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。
これは日本工営の経営理念であり、そのまま社風を表しているとも言えます。また、同社の求める人物像としてもあてはまりそうです。
2020年5月現在、茨城県の中央研究所や広島支店の建設コンサルタント部門の技術職、仙台支店のコンストラクションマネジメントなどのポジションで中途採用を募集しています。コーポレートサイトのキャリア採用ページに募集情報が随時更新されていますので、こまめにチェックするとよいでしょう。
このページには事業部ごとの募集要項が掲載されています。応募方法は、履歴書と職務履歴書を指定の送付先へ郵送します。部署によっては、文字数指定の応募理由や最終学歴の卒業・成績証明書の提出も必要となるため、必ず自身の応募部署の要項をよく確認しましょう。
どの事業部も、書類選考後に面接日程の連絡がありますが、選考フローについてはそれぞれ異なり、コーポレートサイトに明記されていない部署もあります。電力事業部とエネルギー事業部では、一次試験として適性検査、論文試験、予備面接が実施され、その後面接がおこなわれるとのことです。
日本工営の面接では、「10年後どんな技術者になっていたいか」「建築系でなく当社を志望した理由は」など、さまざまな角度から志望動機を問われるようです。また事業への理解度を試す質問や、基礎知識を確認する質問をされる確率はかなり高いようです。具体的には、「ODA事業の意義は何だと思うか」というものや、ベルヌーイの定理、マニングの公式、カーボンオフセットなどについて説明を求められたというものです。候補者がエンジニアとしていかに成熟しているか、どのような展望を持っているかなどを具体的に確認し、適性を見極めているものと思われます。
また「海外の現場で働けるか」「英語はどの程度できるか」といった海外事業への配属を見据えた質問や「気分転換のために何をするか」という趣味に関する質問も多そうです。素直な回答が必要となりますが、どのような質問に対しても、誠実さと前向きさを意識して回答すると好印象を与えられるでしょう。
日本工営では現在、2021年6月までの3年間を対象とし策定した中期経営計画「NK-Innovation 2021」に取り組んでいます。この経営計画は、グループビジョン実現のためのイノベーション期間として位置付けられています。中途採用面接を受けるにあたっては、この概要を理解しておきましょう。
「NK-Innovation 2021」の位置づけ
日本工営コーポレートサイトより
計画終了時までの3年間で、連結売上高を1.3倍の1400億円に、営業利益を1.9倍の126億円にすることを数値目標として設定しています。
「NK-Innovation 2021」の数値目標
日本工営コーポレートサイトより
この中で重点投資分野として挙げているのが「鉄道」「都市」「エネルギー」の3つです。
「鉄道」関連では、アジア圏での実績とネットワークを生かして、インドの貨物専用鉄道建設に代表される大規模な鉄道事業を推進し、同分野の売上を1.5倍まで伸ばすことを目標に掲げています。「都市」の分野では、都市化が進むアジア地域で高まる、総合的な都市開発のニーズに応えるべく、現地法人との連携をさらに深めていきます。スマートシティの開発などにより優位性の向上も図ります。そして「エネルギー」の分野では、電力システムの改革により市場の変化が見込まれる今後を見据え、エネルギー事業のノウハウを蓄積し、新モデルの確立を急いでいます。2021年以降の収益への貢献を目指し、電力の自由化が進むヨーロッパで投資をおこなっていきます。具体的にはベルギーでアグリゲータビジネスをおこなう企業とともにプロジェクトを実施しています。
これらと同時に、顧客満足度向上のためのワンストップ営業体制の構築、「人財」への投資、グループガバナンスの強化という全社共通の施策も打ち出し、経営基盤を底上げしていく考えです。
この経営計画のちょうど中間地点にあって、各分野で即戦力となるプロフェッショナルが求められている現在、同社のベクトルをよく理解し、会社の成長に寄与できる人材であることをアピールしましょう。
日本工営の面接にあたっては、「なぜ日本工営か」という質問が鍵となります。面接官はこの回答から「この人はどのような仕事をしたいのか」「それは当社で実現可能なのか」ということに加え、「当社のことをどれくらい理解しているのか」をあわせて確認しようとしています。同社の事業内容や動向について知っておくことはもちろん、特色や業界での位置づけも把握しておきたいものです。
そこで有効なのが、競合企業の研究です。業界No.1の売上を誇る同社ですが、具体的に日本工営にしかない強みとは何なのでしょうか。また、各事業領域において競合他社はどのような仕事をしているのでしょうか。それを知ることで、日本工営に対する理解もさらに深まるでしょう。具体的には、以下のような企業について研究してみることをおすすめします。
企業研究を通じ、日本工営のビジョンや求める人物像が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。同社が世界中で手がけるプロジェクトや、グループビジョンの実現に向け策定した「NK-Innovation 2021」をよく理解し、面接の場では、誠意と確かな技術でともに社会貢献していける人材であるとアピールしたいところです。
そのためには、これまで培った技術や経験を棚卸しし、どのような質問をされても理路整然と回答できるように準備しておく必要があります。その時、具体的なエピソードとともに話ができると説得力も増すでしょう。以下、実際に経験者が面接で聞かれた質問をご紹介します。これらを参考にシミュレーションするなど、対策をすすめてください。
日本工営の採用面接に向けて、ぜひ押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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