2021年06月21日
動画配信に英会話、FXなど、領域を問わず40以上の事業を手掛けるDMM.comへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前に対策をしましょう。
会員数約3200万人を誇る総合エンターテインメントサイト「DMM.com」を運営する同社。石川県のレンタルビデオ店を母体に、ビデオ通販や動画配信サイトの立ち上げから始まり、1999年に設立されました。2020年5月時点の従業員数は1500名以上、グループ全体では約4000名(2019年時点)、40以上の事業を展開する組織に成長しています。2018年5月に株式会社から合同会社へ体制を変更したことからも、柔軟かつ迅速に意思決定ができるというメリットを活かした、自由な組織を目指していることが分かります。
実際の社内の雰囲気についても、「新規事業への参入・撤退の判断が早い」「2~3年単位で組織体制の変更がある」「人事異動も多い」「フラット」「役員とも気軽にコミュニケーションがとれる」という声が挙がっています。また、「やりたいことが明確で実行力がある人が評価される」「自ら動けることが大事」であることから、「中途入社の方がチャンスをつかみやすい環境」という声も。一方で、「各部署が一つのベンチャー企業でその集合体が同社」というような印象を抱いている社員も多く、会社=インキュベーション施設と表現するなど、部署ごと、さらに言えばチームごとに特色があると言えそうです。
しかし共通しているのは、「アイディアと実行力が求められる変化に富んだ環境」ということ。このような社風にフィットし、実力を発揮できる人材であるとアピールすることが大切です。本記事の面接対策法で触れますが、「規模やジャンル、領域を問わず可能性を感じたら挑戦する」という文化を大切にしていることも覚えておきましょう。
「おもしろい事業をやりたいひと。毎日、採用中」というメッセージを掲げて、正社員を中心に契約社員、業務委託などさまざまな雇用形態の幅広い職種を募集しています。選考フローは公開されていませんが、転職エージェントに記載されている情報によると以下のとおりです。SPIのような筆記試験や英語試験がおこなわれたという口コミもあるので、対策をしておくと安心でしょう。
書類選考→1次面接(部門担当者)→2次面接(役員)→内定
2020年5月時点で同社の採用ページに掲載されている正社員の募集は、なんと80種類以上。勤務地は、東京都をはじめ石川県、北海道、沖縄県です。職種は大きく分類すると、エンジニアやデザイナー、ディレクター、営業・企画、マーケティング、管理会計などのバックオフィスの6つで、さらにエンジニアの中でも電子書籍のECサイトに関する開発をおこなうwebエンジニア、トラッキングプラットフォーム開発に携わるwebエンジニアなど業務内容によって細かく分かれています。募集要項には応募資格や給与などの条件に加え、求める人物像がそれぞれ記載されているので必ず確認してマッチする求人にエントリーしましょう。エージェント経由で応募することも可能で、キャリコネ上にも50件の情報が掲載されています。
そのほかユニークな採用方法である「亀チョク」は、新規事業の企画を持ち込み、実現できると判断された場合に業務委託契約を結ぶというものです。将来的には社員として同社グループの中核を担う人材になることが期待されているため、今すぐにでも実現したい企画がある方はチャレンジしてみるのも良いかもしれません。
同社公式ホームページより
面接内容は一般的なものがほとんどのようです。「志望動機」「長所・短所」「同社で活かせるこれまでの経験」「入社後のビジョン」など、中途面接で必ず聞かれるであろう質問はしっかりと準備をしておきましょう。
5年以上前の面接では、「自分を動物に例えるとなにか」「親を尊敬しているか」「大切なクライアントにだすコーヒーの入手方法は」など、少し変わった質問もあったようです。また、プレゼンしたい場合には当日資料を持参するようにと言われることも。このような場合は自身をアピールするチャンスなので、積極的に活用することをおすすめします。テーマについて指定がない場合には、「入社後に実現したいこと」や「〇〇のような経験を同社で△△のように活かせると考えている」というように、これまでの実績にとどまらず「同社でどのように活躍してくれるのか」面接官が具体的にイメージできる内容がよいでしょう。
面接の雰囲気は、「フランク」「雑談のよう」「パーソナルをひきだしてくれる」といった口コミが多く、話しやすい環境をつくってくれることが分かります。そのため、安心して自分の考えや想いを伝えることができるでしょう。
選考を受ける際には、必ず事前に「コーポレートメッセージ」と「DMM.ESSENCE」を理解しておきましょう。
多くの会社には経営方針やビジョンが明文化されていますが、同社にはありません。その事業や組織ごとに異なるビジョンやミッションを持つことを認めることで、幅広い領域に40を超える事業を展開してきました。そして、創業21周年を迎えた2019年に掲げたのがビジョンやミッションではなく、社員や未来の仲間へ向けた「コーポレートメッセージ」です。
同社公式ホームページより
このメッセージに共感し、一緒に挑戦してくれる仲間を求めていると伝えています。実際に働く社員からも、「失敗を恐れずチャレンジできる環境」「とにかく行動。挑戦することが求められる」「変化を楽しめる人が強い」といったコーポレートメッセージを実践していることが伺える口コミが多数寄せられていました。つまり、目標を達成するまでの道すじをたて、先頭に立って実現に向けて行動してきたという経験は大いに役立つと言えます。
そのほかにもチェックしておきたいのが、上記のメッセージと同時に発表された「DMM.ESSENCE」。同社に関わる人たちへの約束として、会社の特徴を言語化したものです。他社では企業理念として掲げていることもあるかもしれません。5つのキーワードから成り立っており、下の画像はその中のひとつ。いずれも「DMMらしさ」が溢れているので、公式ホームページのスライドや同社のグループ会社が運営するメディアに掲載されている解説に目を通しておくことをおすすめします。
同社公式ホームページより
DMM.comの面接では、「なぜ当社なのか」という質問をされることでしょう。この質問では、社風やカルチャーにフィットする人材かどうか、事業や課題についてどの程度理解しどのような考えを持っているのかなどを確認していると言えます。これらについて事前に対策するためには、競合他社の分析は必須。他社を知り比較することで業界や同社に対する理解が深まります。
しかし同社は、領域にとらわれず幅広く事業を展開している珍しい会社。つまり事業ごと、サービスごとに競合が異なるのです。本記事では、動画配信・英会話・レンタルサービスの事業に絞って競合企業を以下に挙げますので、是非参考にしてみてください。ほかの事業に関わる職種に応募する際には、ご自身で競合他社を見つけて研究しましょう。
●株式会社蔦屋書店
●株式会社マーケットエンタープライズ
●株式会社レアジョブ
同社が目指している方向性や、求めている人物像が企業研究を通じて具体的に理解できてきたのではないでしょうか。DMM.comの場合、「アイディアと実行力が求められる変化に富んだ社風」と言えます。このような環境において、実力を発揮できる人材であるとエピソードを交えて伝えることが大切です。また、「コーポレートメッセージ」や「DMM.ESSENCE」を理解したうえで、自身はなにができるのかをまとめておきましょう。
以下では面接経験者が、実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「アイディアと実行力が求められる変化に富んだ社風」であると理解し、そのような環境において力を発揮できる人材であるとアピールする。
●「コーポレートメッセージ」や「DMM.ESSENCE」を把握し、「挑戦したいこと」と「実現するための行動力」を自己アピールへとつなげる。
●競合他社や業界についての理解を深め、「なぜ同社なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについて事前にしっかりと考えをまとめ、当日は自分の言葉で想いを伝えるようにしましょう。
この記事の執筆者