2021年06月21日
食品の開発から輸出入、販売まで、食品にかかわる事業を幅広くおこなう伊藤忠食品への転職。中途採用面接では新卒採用の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を問われる他、キャリアシートからは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として多角的に評価されるので、しっかり対策をしましょう。
1886年に創業し、食にかかわる老舗企業としてありとあらゆる事業をおこなう伊藤忠食品。おもに、「酒類」「ギフト」「ヘルス&ビューティ」「ブランド商品開発」「WEB関連」「物流」という6つの事業に重点をおいています。
「酒類」の輸出入は、同社の売上の約4割を占めるメイン事業だといえます。「ブランド商品開発」では、有名飲食チェーンの冷凍惣菜やスイーツの開発をおこなっています。「WEB関連」事業としては、食品に特化した卸売・仕入れマーケットプレイス「Foodlive(フードライブ)」を運営。また2019年には株式会社エブリーと業務提携し、エブリーが運営するレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を軸に協業を進めています。
そんな同社は「堅実」を社是に掲げています。これは、約4000社のメーカーと取引があるということ、また業界屈指の老舗であることから、慎重さが重視されているためだと考えられます。しかし「伊藤忠食品の面接攻略法(面接対策)」の項でもお伝えするとおり、同社では変革の姿勢も見られます。安定性と革新性、そのバランスが重要だといえるでしょう。
伊藤忠食品 コーポレートサイトより
同社の社風について口コミを見てみると、「非常に働きやすい環境」「残業も少なく、自分の時間を大事にできる」などの声が多く、QOLを保ちながら仕事ができる環境があるようです。また、女性社員から「育休・産休を非常に取りやすい」との意見が上がっているように、ライフイベントがあっても安定して働くことができるでしょう。
「さまざまな食品事業を担う老舗として、堅実さを重視する」。採用面接においては、こうした社風に馴染み、この会社で働き続けることができそうか見極められます。
2020年5月現在、同社では転職エージェントを通じて中途採用がおこなわれています。コーポレートサイト上では新卒採用のみで、中途採用は公開されていませんので注意してください。
キャリコネでは東京本社勤務の「社内SE(インフラ・ネットワーク構築)」が募集されています。応募にあたっては「社内システムの企画・構築・運用」の経験が必須となっています。その他の職種も随時募集される可能性がありますので、コーポレートサイトならびに転職サイトをチェックしてみてください。
転職エージェントを経由するため多少変化することが考えられますが、面接経験者によると書類選考の後は2回の面接がおこなわれます。1次面接は課長・部長クラス、2次面接は役員が面接官です。
1次面接では、これまでの経験や志望動機、入社後のビジョンなど、一般的な内容を中心に問われます。1次面接を通過した経験者は「志望動機がもっとも重要」と語っていますので、まずはなぜ伊藤忠食品に入社したいのかを明確にし、はっきりと言語化しておきましょう。
2次面接では、さらに掘り下げた質問を多くされる傾向があるようです。特に同社は食品に特化したプロであることから、食品やシステム構築に関する専門知識、大学での研究内容などについて細かく聞かれます。面接官はこうした質問により、応募者の特性を同社でどのように生かせるのか判断するでしょう。
面接を受ける前には、回答を深掘りされてもいいよう、「なぜその研究を選んだのか」「なぜその能力が同社で生かせるのか」などについて、自身のなかで問いかけを重ねてみてください。
伊藤忠食品の面接を受けるにあたっては、同社の中期経営計画を理解しておくことが必要です。
同社は2022年度までに目指す姿として、「売場作りへの貢献度向上・新価値創出」「社会課題解決への取組みによる持続的成長基盤構築」という2点を打ち出しました。その背景には、食品市場への進出が現状頭打ちとなっていることや、人口減少・自然災害などによる経済・社会環境の変化、消費環境の変化、また食品卸業界の環境変化があります。
伊藤忠食品 2020-2022年度 中期経営計画説明資料より
同社はこのようなさまざまな変化に対応すべく、社全体をあげて変革していく方針をとっているのです。具体的には、メーカーに対して「顧客分析・商品開発」、消費者に対して「パーソナルな生活シーンへの対応・賢い購買体験・フードロス削減」といった価値を提供。メーカー・消費者の間に立つ卸売の立場で、双方にコミットしていきます。
伊藤忠食品 2020-2022年度 中期経営計画説明資料より
同社の選考では、この中期経営計画に沿ってアピールすることが効果的です。B to Bで顧客分析や商品開発を担当した経験や、B to Cで顧客にサービスを提供したことがあれば、細部まで伝わるように言葉でまとめておきましょう。
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ伊藤忠食品なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「食品卸業界に向いているか」「それまでの経験を同社で生かせるのか」といった点はもちろん、「本当に同社の特色を理解しているのか」ということです。
業界や職種の枠を超えて伊藤忠食品という企業について理解するためには、競合となりやすい企業についても調べておく必要があります。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜ伊藤忠食品なのか」について、説得力のある答えを用意しておきましょう。例として、以下のような企業と伊藤忠食品との違いを調べてみてください。
伊藤忠食品の社風や目指している方向性を理解することで、同社がどのような人材を求めているのか分かってきたのではないでしょうか。このように、伊藤忠食品の採用面接を受ける前には、前職での経験を振り返り自己分析をおこなうことや、他社研究を踏まえ志望動機を整理することが大切です。
そして面接の場では、「さまざまな食品事業を担う老舗として堅実さを重視する」社風を意識して、「経済・社会環境や消費環境、食品卸業界の環境変化に合わせ、メーカー・消費者双方に対して価値を創出できる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことが望ましいです。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、事前にシミュレーションしておき、実際の面接の際に落ち着いて話せるようにしましょう。
伊藤忠食品の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについて面接の前によく考えを深めておき、当日は落ち着いて理路整然と話し、能力をアピールできるよう心がけましょう。
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