2021年06月21日
制御機器メーカーとして、スイッチ分野では世界3位のシェアを誇るIDECへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
制御機器製品、制御装置およびファクトリーオートメーションシステム(FA)製品などの製造・販売をおこなうIDEC。特に、操作スイッチや表示ランプに強みを持ち、スイッチ分野では世界3位の売上規模を誇ります。
2020年11月に創業75周年を迎える同社。グループ社員が価値観を共有しながら持続的な成長を追求すべく、2019年に『The IDEC Way』を制定し、100周年に向けた変革への取り組みをスタートさせています。そのひとつが「グローバル企業への変革」です。2020年4月より社内公用語を英語としました。
『The IDEC Way』 IDEC コーポレートサイトより
そんな同社の口コミには、「職場の雰囲気は温かい」「若い社員と執行役員クラスが交流する機会も存在する」「個人的なことでも親身になって相談に乗ってくれるような上司・同僚がいる」といった声が寄せられ、アットホームで風通しの良い社風であることがうかがえます。また、飲み会やイベントも盛んなようで、「こういった雰囲気が嫌いでなければ居心地がいいのではないかと思う」という声がありました。
仕事に関しては、「自分が開発に携わったものが世の中に出ていって役に立っていることを実感できることは一番のやりがい」といった、メーカーらしい声が聞かれます。また、入社年次に関わらず、積極的な提案や企画を推奨する風土だということです。
変革に挑戦している同社では、『The IDEC Way』に共感し、周囲とのコミュニケーションを大事にしながら積極的に挑戦する人が求められます。ここで紹介した社風を理解した上で、面接に向けた自己分析をすすめてみましょう。
2020年5月現在、コーポレートサイトに設けられた採用ページでは特定の中途採用情報は公開されておらず、個別に採用担当に連絡するかたちとなっています。興味がある方は、まずはメールでコンタクトを取りましょう。または、求人サイトを通じて、経理・財務マネージャー候補など複数の職種で中途社員を募集中ですので、そうしたサービスを利用する方法もあります。
選考プロセスに関する公式情報はありませんが、口コミ情報等によると、書類選考後に2回程度の面接がおこなわれます。一次面接では応募部署の部長クラスと人事担当者、二次面接では役員が面接官を務めることが多いようです。
採用ページには、求める人材像をはじめ、教育システムや福利厚生などさまざまな情報が掲載されていますので、事前に目を通しておきましょう。特に、下図に示す「求める人材像」はしっかりと把握した上で面接に臨んでください。
『IDECが求める人材像』 IDEC 採用ページより
「志望動機」「これまでの経歴」「転職理由」といった一般的な質問が中心です。人物重視という口コミ情報もあるため、奇をてらった回答よりも、内容を掘り下げて丁寧に回答することを心がけてください。人となりが伝わるようなエピソードを交えるのも効果的でしょう。
また、製品についての質問も多いとのこと。コーポレートサイトなどでひと通り勉強をして、自分なりの視点で意見を言えるようにする必要があります。
グローバル企業への変革に向けて取り組んでいる同社は、海外売上高比率が50%を超えています。部署やポジションによっては海外勤務の可否について問われることがありますので、面接の場でクリアに答えられるようにしておきましょう。
面接を受ける前に、IDECの中長期的な方向性を理解しておきましょう。
同社では、「長年培ってきた制御技術や新技術への挑戦を通じて、企業の発展に貢献し、グローバルな社会経済の発展に寄与」することを長期ビジョンに掲げています。
実現に向けた取り組みとして、2017年にフランスのAPEM社を買収。これにより、人と機械が触れ合う接点となるHMI(Human-Machine Interface)分野の強化を図り、この分野においてグローバルシェアNo.1を目指せる環境を整えました。また、同社が強みを持つ安全分野においても、新世代の安全思想である「Safety2.0」といった新たな規格づくりの推進や安全関連機器の普及を通じて、世界一の安全・安心を追求していく考えです。そのほか、社会課題の解決に向けて、制御技術や環境技術、ファインバブル技術などを活かした新規事業の拡大にも意欲を示しています。
こうした施策を確実に実行することで、2022年までに「真のグローバル企業への変革」を推進し、売上高1000億円、営業利益率15%以上を目指す方針です。
IDEC 2019年3月通期決算説明会資料より
面接にあたっては、こうした長期ビジョンや中長期戦略への理解が不可欠です。変革のフェーズを把握した上で、同社の持続的な成長に向けてどんな貢献ができるのかを具体的に考えてみるとよいでしょう。そうした視点を自らのキャリアビジョンに盛り込めれば、より有益な自己PRにつなげられるはずです。
面接では「なぜIDECを志望したのか」という質問により、志望動機について深く掘り下げられることが多くなっています。この質問の意図は、「即戦力となり得る人材か」「応募者のやりたいことがIDECで実現可能か」といった点にくわえ、「IDECの特徴を理解しているか」を確認することにあります。
面接官を納得させる回答をするためには、同社について知ることはもちろん、競合他社との比較を通じて業界での位置づけも把握する必要があるでしょう。他社の事業規模や特徴をつかめば、同社のポジショニングや独自性がより鮮明に見えてくるはずです。
ここでは、同社の競合となり得る3社をあげました。これを参考に、他社研究を進めてみてください。
IDECが目指している方向性や求める人材像が、少しずつクリアになってきたのではないでしょうか。
HMIなどの主力事業を通じてグローバル企業への変革を図るIDEC。その先に見据えているのは、創業100周年に向けた持続可能な成長とグローバル社会の発展への寄与です。『The IDEC Way』や中長期戦略をしっかりと把握した上で、入社後に実現したいことを明確にしておきましょう。また、「周囲とのコミュニケーションを大事にしながら積極的に挑戦する人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に対してどのように答えるか、自分なりにシミュレーションしながら面接対策しておきましょう。
IDECの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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