2021年06月21日
革新的なメニュー開発によって、ファミリー層の高い支持を得ているくら寿司への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人がら」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として評価されるので事前にしっかり対策をして転職活動に備えましょう。
1977年、ごく一般的な寿司店として大阪府堺市にオープンしたくら寿司。2010年以降になると、ラーメンや本格珈琲、しゃりカレー、牛丼など、回転寿司業界では考えられなかったメニューの開発・販売に注力しはじめます。また、人気アニメとのコラボ企画やフェアの開催など、「頻繁に通っても飽きない」「家族みんなで楽しめる」とファミリー層から高い指示を獲得することで、「くら寿司」のブランド価値を高めているのです。
そんな同社は、「給与が良い」「福利厚生が充実している」「マニュアルや教育がしっかりしている」など、待遇の良さや教育制度の充実を高く評価する声が多数あがっています。さらに調理から接客までマニュアル化されているため、未経験者でも仕事が覚えやすいことも魅力のひとつです。ほかにも「10代でも店長を任される」「いろいろなことをやらせてもらえる」など、年齢や勤務年数を問わずさまざまなことに挑戦させてくれる社風であることがうかがえます。
一方で「女性が店長以上を目指すのは難しい」「女性には体力的にとてもきつい」「結婚すると継続して勤務できない」などの口コミもあり、男性社会であることが分かります。ほかにも「万年人材不足」「アルバイトの欠勤をサービス残業で穴埋めするため、労働時間が過酷」「タフな人でないと続かない」など、休みの少なさや労働環境の改善を訴える声も少なくありません。また、「アルバイトとのプライベートな付き合い、メールアドレスの交換が禁止されている」など、社内恋愛に発展しかねない行動は徹底的に禁止されています。
回転寿司チェーンの中でも独自のメニュー開発や最先端のシステムを積極的に導入することで、一目置かれている同社。「独自性と存在感を重視し、食の変革のための努力を惜しまない体育会系な社風」を理解し、面接ではこれに合致した人材であることをアピールしましょう。
2020年6月現在、中途採用では店舗勤務の店長候補、本部勤務の店舗開発・店舗建設・衛生管理・商品開発にて募集をおこなっています。店舗勤務には完全実力主義による全社員等級制を採用し、個々の成長とやる気を促しています。先行フローは以下のとおりです。
エントリー→書類選考→筆記試験→一次面接→二次面接
書類選考通過に面接が2回と、他の企業と比較しても回数が少ないことが特徴です。すべて面接官と1対1でおこなわれ、一次は人事マネージャーと、二次は担当部署の部長との面談になります。主に人柄やコミュニケーション能力をチェックされており、体育会系のため言葉遣いには厳しく、質問には常に笑顔でハキハキと回答することが大切です。
昨今、飲食業界では人手不足が問題となっているように、同社も恒常的に人員を募集しています。中途採用でも常にいくつかの職種で募集がおこなわれていますので、積極的に応募しましょう。
同社の面接では、志望動機や自己PRなどの一般的な質問に加え、「お子様がお茶をこぼした際、どのような対処をするか」などの対応力を問うものや、「ビッくらポンは何か分かるか」「店舗を利用した上で感じた改善点は?」など、店にまつわる質問が出されます。そのため、面接の前には実際にいくつかの店舗を訪れ、接客の様子やサービス内容などを把握し、回答できるように準備しておきましょう。
ほかには「日本に電柱は何本あるか?」「千葉県をいくらで買うか」などの意表をつく質問を出された応募者も存在し、対応力や考える力があるかどうかを見極められているようです。他の回転寿司チェーンとの多角化を図りたいという思いが強い同社では、面接を受けるにあたり、しっかりと企業研究をしておくことが大切だといえるでしょう。
同社の面接を受けるにあたり、企業理念とコンセプトについて理解しておきましょう。
コーポレートサイト「企業理念」より
「安くて美味しい」ことはもちろん、寿司という日本ならではの食文化や、添加物を一切使用しない「食」の安全を守り続けることのへの強いこだわりが感じられます。独自性や存在性のあるメニュー開発を展開する同社ですが、この根元には「食を提供する」とはどういうことなのか、「食の安心」とは何なのかを追求し続けるという、揺るぎない信念があるようです。
コーポレートサイト「存在価値の創出・提供」より
同社ならではのメニュー展開以外にも、お客様を飽きさせない工夫が「存在価値」として語られています。さまざまなオリジナルシステムを導入することで、独自の店舗展開やサービスを提供。回転寿司の後発企業ということを強みと捉え、「先発事業にないものは何か」という観点から、次々に新しいビジネスモデルを生み出しています。
こうした信念や強いこだわりを理解し、面接では同社の発展にどう貢献できるかをアピールしましょう。
採用面接で必ず聞かれる質問のひとつに、「なぜくら寿司なのか」というものがあります。これは志望動機だけを問うものではなく、「本当に当社を理解しているのか」「当社にどう貢献してくれるのか」「この人の経歴やスキルは当社でどう活かせるのか」など、さまざまな視点から見られているのです。
こうした面接官の意図に応えるためには、他社研究を通じて経営戦略やサービス内容などの違いを知り、同社への理解をさらに深める必要があります。以下には、競合他社となりうる企業を3社あげています。他社研究の参考にしてみてください。
●株式会社あきんどスシロー
●株式会社はま寿司
●カッパ・クリエイト株式会社
くら寿司の企業理念やこだわりを通じて、求める人物像などが具体的に掴めてきたのではないでしょうか。採用面接を受けるにあたり、「独自性と存在感を重視し、食の変革のための努力を惜しまない体育会系な社風」であることを理解し、お客様に安心・安全な楽しい食事の時間を提供するために、笑顔と真心でサービスを提供できる人材であることをアピールしましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならどのように回答するか。シミュレーションしながら面接対策に取り組みましょう。
くら寿司の面接を受けるにあたり、必ず押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、次の3つです。
●「独自性と存在感を重視し、食の変革のための努力を惜しまない体育会系な社風」であることを理解し、これに合致した人材であることをアピールする。
●企業理念とこだわりを理解し、これに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。
●競合他社について研究し、「なぜくら寿司なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備し、面接では言葉遣いに気をつけながら、自身の経歴やスキルをどう活かしていけるのかをアピールしましょう。
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