2022年09月05日
【給与明細のひみつシリーズ】山崎製パン社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。
まずはじめに山崎製パンの平均年収を見ていきましょう。山崎製パンの平均年収は558.3万円です(山崎製パン有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考に山崎製パンの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で360〜410万円、30歳代で500〜550万円、40歳代で630〜680万円という結果がでました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.13倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2021年12月期 | 558.3万円 | 38.3歳 | 15.1年 | 19985人 |
2020年12月期 | 557.5万円 | 38.2歳 | 15.2年 | 19832人 |
2019年12月期 | 558.9万円 | 38.2歳 | 15.4年 | 19490人 |
2018年12月期 | 562.8万円 | 38.1歳 | 15.5年 | 19478人 |
2017年12月期 | 568万円 | 38.2歳 | 15.8年 | 19109人 |
出典:山崎製パン・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
山崎製パンの平均年収は前年を上回り558.3万円でした。
過去5年間では2番めに低い額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 377.6万円 | 24.2万円 | 73.8万円 | 339.84万円 |
30代 | 521.7万円 | 32.9万円 | 102.1万円 | 469.53万円 |
40代 | 648.2万円 | 40.6万円 | 127万円 | 583.38万円 |
50代 | 766.3万円 | 47.7万円 | 150.2万円 | 689.67万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
山崎製パンの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(6月・12月)の賞与で構成されています。
賞与は業績連動制ですが、上述の通り安定した業績であるため、ここ数年は年間4~5ヶ月分と高い水準の賞与が支給されています。「基本給は低い」という声はあるものの、一方で「賞与はしっかり出る」というのも同様に多く見られる口コミです。「ほぼ毎年同じ水準」であることも、魅力の一つと言えるでしょう。
諸手当は、時間外手当、家族手当のほか、都市手当が支給されることが特徴的です。この手当は、配属された都市の物価によって、S・A・Bの3つにランク分けされ、それぞれのランクによって支給額が異なります。
住宅手当は、全社員に支給されるものではなく、既婚者が転勤した場合のみ支給されます。その代わりに、格安の寮が整備されており、口コミによると「場所によるが、家賃5000円前後」という破格の家賃で入居できるようです。
山崎製パン社員の給与明細(キャリコネ)
20代から30代で年収100万円アップ
20代営業(非管理職)の 給与明細
20代営業(非管理職)の 給与明細
基本給はゆるやかに上昇
30代(非管理職)の 給与明細
30代(非管理職)の 給与明細
山崎製パンの職種は、「生産技術」「営業」「店舗運営(デイリーヤマザキ・ベーカリー)」「管理部門」「専門職(例:研究・エンジニアリング・社内SEなど)」の大きく5つに分類されます。
賃金制度は5つの職種すべてに共通するものであり、給与は、社内で規定される「等級」毎に設定される仕組みです。そのため、初任給についても、以下の通り、全職種共通で、学歴別に設定されています。
<初任給[2019年実績]>
●大卒:222,470円(地域手当含む)
●院了:233,590円
年代、等級、資格別の年収目安としては、2等級(高卒入社時)は200~300万円、3等級(大卒入社時)は300~450万円、4等級(修士了入社時)は450~600万円、班長500~600万円、係長600~750万円、課長750~1000万円、次長1200万円程度、といったあたりです。
山崎製パン社員の給与明細(キャリコネ)
同年代ならほぼ同年収
20代管理部門(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
30代以降は昇格時期により年収差が開く
30代営業(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
前述の通り、山崎製パンの給与は、社内の「等級」によって決まるため、年収を上げるためには、「等級」を上げる、つまり昇格することが必要です。
山崎製パンの等級体系は、2等級~7等級まであり、高校卒は2等級、大学卒は3等級、修士了は4等級がスタートとなります。役職の体系は、一般→班長→係長→課長→次長→工場長→幹部の順に昇格していきます。基本的に昇格は、「年功序列」である部分が多く、「大体3~4年ごとに一つ上がる」ことが目安となります。とはいえ、「基本的に横並びで昇格していくが、1~2年程度の差はついていた」という口コミもあることから、完全に横並びではなく、評価次第で順番付けはされるようです。また、係長以上への昇格には昇格試験が実施されることも特徴です。
山崎製パン社員の口コミ(キャリコネ)
係長以上へは昇格試験合格が必要
「係長になる前に試験があって、どうもそれが高い壁になっている 試験自体はそんなに難しくないが……」
年功序列の風土が根強く、ほぼ横並びでの昇格
「月給は同年代に比べ、若干少ないように感じる 年功序列であるため、昇格が特別早くなったりすることは……」
山崎製パンの競合や同業界である第一屋製パン、日糧製パン、ブルボンの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、山崎製パンが558.3万円、第一屋製パンが423.7万円、日糧製パンが417.8万円、ブルボンが469.8万円です。
この4社の中で最高額は山崎製パンの558.3万円で、最低額が日糧製パンの417.8万円。その差はおよそ141万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では山崎製パンは1番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
山崎製パン | 558.3万円 | 38.3歳 | 15.1年 | 19985人 | 7413.71億円 |
ブルボン | 469.8万円 | 37.9歳 | 15.5年 | 3537人 | 914.08億円 |
第一屋製パン | 423.7万円 | 38.4歳 | 14.3年 | 742人 | 225.79億円 |
日糧製パン | 417.8万円 | 43.8歳 | 14.5年 | 680人 | 171.64億円 |
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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