2021年06月21日
人材サービスや、セールスプロモーションやコンサルティングなどの事業を展開するヒト・コミュニケーションズへの転職。採用面接では、これまでの仕事への取り組み方や成果が具体的に問われるほか、「人間性」も大事なポイントです。ともに働く仲間として多角的に評価されることを踏まえ、しっかり面接対策をすすめましょう。
1998年の設立以来、営業・販売支援を主な領域として人材派遣事業を手がけてきたヒト・コミュニケーションズ(以下、ヒトコム)。単に人材を派遣するだけではなく、さまざまな商品の営業・販売に関わる業務を一括して請け負う「成果追求型の営業支援企業」です。2017年6月にはECサイト支援会社を傘下に収め、EC受託・支援やインサイドセールスの展開を強化。従来の人材サービスの枠組みにとらわれない「マーケティングの未来創造企業」への転換を図っています。
そんな同社には中途社員が多く、体育会系の社風だといいます。20代のうちから、新規プロジェクトに参加し、PDCAを回していくことが可能です。
口コミには、「受け身の人は向いていない」「まず行動し、よく考える人に向いている」「営業力をつけたい人に合う社風」などの声が寄せられていました。上昇志向で積極的に仕事に向き合える人にとっては、チャンスの多い職場環境だと言えるでしょう。
同社の面接を受けるにあたっては、体育会系の社風を理解すると同時に、すすんでPDCAを回していく意欲と資質があるかどうかを自己分析する必要があります。その上で、主体的に仕事に取り組める人材であることを積極的にアピールするとよいでしょう。
選考プロセスに関する公式情報はありませんが、口コミ情報によると、書類選考後の面接は3回程度おこなわれます。面接はWebでおこなうことも可能です。また、Webによる適性検査を受検したという口コミもありました。早い人は1週間程度で内定の連絡を受けており、おおむね1カ月以内には内定が出るようです。
2020年7月現在、コーポレートサイトでは中途採用を募集していないものの、転職エージェントや求人サイトを通じて「新規事業企画・企画営業」「経理」「人材開発本部マネージャー」などの職種が募集されています。東京以外の勤務地の募集もありますので、情報収集をしっかりおこないましょう。キャリコネにも情報が掲載されていますので、チェックしてみてください。
面接は、志望動機やこれまでの経歴といった一般的な質問が中心です。前職での経験やスキルをどう活かすかという点は、詳細に語れるようにしたいところ。営業職の場合は、体育会系の社風に合う熱意を伝えることも有効でしょう。
また、こちらからの質問を求められた面接経験者は、「逆質問は4つ以上用意していかないと会話にならない」と語っています。こちらからの質問は、企業研究の深さや入社への熱意をはかるバロメーターになるため、これを意識した準備が必要です。調べればすぐにわかるようなことは訊かないよう、あらかじめ質問事項を吟味し、まとめておきましょう。
面接は和やかな雰囲気で進むことが多いものの、圧迫感を覚えることもあるかもしれません。どんな場合でも冷静に対応することが大切です。口コミには「笑顔で話す」「ハキハキと元気良くしゃべる」といったアドバイスがあがっていますので、参考にしてください。
面接を受ける前に、同社の今後の方向性を理解する必要があります。ここでは、同社の親会社であるヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスの2020年8月期第3四半期決算資料から、今後の戦略を読み解いていきましょう。
販売・営業・サービス分野を中核とした「営業支援企業グループ」である同社は、今期のテーマとして「マーケティングの未来創造企業へ」と掲げています。
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス 2020年8月期第3四半期決算説明資料より
EC支援プラットフォームやインサイドセールスに加え、スタートアップ企業との協業によるデジタルマーケティングの強化により、新たな価値を創造していく方針です。
具体的には、コロナ禍において顕在化したマーケット課題として以下を挙げています。今後は、こうしたニーズにグループとして対応していく考えです。
●リアルからバーチャルへEC化率の向上
●人員体制の見直しによる生産性向上
●働き方改革によるテレワークの拡大
●非対面営業の必要性の高まり
面接に際しては、コロナ禍による影響の大きい観光人材サービス事業や、イベント・コンベンション運営(MICE)事業などの動向を注視しつつ、同社が目指す方向性をしっかりキャッチする必要があります。その上で、即戦力としてどう貢献ができるのか、具体的に伝えられるとよいでしょう。
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス 2020年8月期第3四半期決算説明資料より
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜヒトコムなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「社風にフィットした人材か」「戦略遂行に向けて貢献できる人材か」といった点はもちろん、「業界動向を含めて企業理解を深めているか」という点です。
業界や職種の枠を超えて同社について理解するためには、競合企業についても調べておく必要があります。そうすることで、事業における強み・弱みのほか、社風や目指す姿にも違いがあることがわかるでしょう。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜヒトコムなのか」について、自信を持って答えられる状態にしておくことが大切です。
同社の場合、人材派遣業界だけでなく、マーケティング業界についても研究してみるとよいでしょう。ここでは人材派遣会社4社を挙げますので、これを参考にしつつ、自分なりの切り口で他社研究をすすめてください。
●株式会社パソナ
●株式会社リクルートスタッフィング
●株式会社ネオキャリア
●株式会社フルキャスト
ここまでの企業研究を通して、同社の今後の展望や求める人物像が明確になってきたのではないでしょうか。
ヒトコムの採用面接を受けるに際しては、社風や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。その上で、「主体的にPDCAを回していける人材」だということを面接官の印象に残せるとよいでしょう。そのために、裏づけとなるエピソードを複数用意して臨むことをおすすめします。
ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分がこのような質問をされたと想定し、即座に的確な回答ができるよう、イメージトレーニングしておきましょう。
ヒトコムの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●体育会系の社風を理解すると同時に、主体的にPDCAを回していく意欲と資質があることをアピールする。
●グループの事業戦略を通じて今後の方向性を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRへとつなげる。
●競合他社についても理解を深め、「なぜヒトコムなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上の点を踏まえ、面接当日は自分の言葉でしっかりアピールできるよう、入念に準備をすすめてください。
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