※本記事は、IMV株式会社 の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
IMVは、主に振動シミュレーションシステムやメジャリングシステムの製造・販売を手がける企業です。同社グループは、振動試験装置や複合環境試験装置の提供を通じて、様々な産業の研究開発や品質管理を支援しており、振動試験の受託サービスも展開しています。
単体従業員数は212名、連結従業員数は373名です。同社グループの事業セグメントは「振動に関する事業」の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、IMVプレシジョンワークス(各種機械の組立・加工)、振研などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
IMVは、試験機や計測器の製造・販売を手がける企業として、専門性の高い技術を追求する環境が特徴です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、安定した環境でキャリアを築くことができる傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
IMVは、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。また、単体従業員数が連結従業員数に占める割合も高く、同社がグループ全体の中核を担っていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,038,000,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.4年 |
| 平均年齢 | 43.3歳 |
| 単体従業員数 | 212人 |
| 連結従業員数 | 373人 |
| 単体のグループ内比率 | 56.8% |
IMVは、確定拠出年金制度のほか、中小企業退職金共済制度に加入しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
IMVグループは、人材を最も重要な資本と位置づけ、チャレンジ精神と自己実現を追求できる組織文化の醸成を目指しています。プロフェッショナルが挑戦し続ける企業となるため、多様な人材の採用と登用、適正な評価に基づく報酬・インセンティブ制度の構築に注力しています。
具体的には、社員のモチベーション向上を図るため、人事評価制度による報酬制度やプロジェクト制度へのインセンティブ制度を活用しています。また、社員の業務や能力に合わせた研修・教育プログラムを充実させ、階層別研修に加え、Eラーニングなどの自主学習を奨励し、資格取得補助も行っています。
柔軟な働き方を推進するため、フレックスタイム、時短勤務、在宅勤務などの制度を整備し、出産・育児・介護などのライフイベントに対応できる環境を整えています。さらに、育児・介護セミナーを実施し、制度の理解促進と活用を支援することで、社員一人ひとりが自己実現を図れる職場づくりを進めています。健康経営にも力を入れており、2025年3月には「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を取得し、従業員の健康課題や労働安全の向上に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。全労働者における男女の賃金の差異に関して、同社は男女による賃金体系及び制度上の違いはありません。しかしながら、女性管理職が不在であること、等級別人数構成の差が男女の賃金の差異の主要因であり、また男性はフルタイム勤務が多いのに対し、女性は短時間勤務が多いことも要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 54.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 70.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 64.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
IMVは、振動シミュレーションシステムやメジャリングシステムの製造・販売、および振動試験の受託サービスを提供しています。同社グループの事業は、振動に関する技術を核として多岐にわたる分野で展開されています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
IMVグループは、主に振動シミュレーションシステムとメジャリングシステムの製造・販売を手掛けています。また、テスト&ソリューションサービスとして振動試験の受託も行っています。同社グループの事業は「振動に関する単一セグメント」としており、品目別に「振動シミュレーションシステム」「テスト&ソリューションサービス」「メジャリングシステム」の3つに分けられます。
振動シミュレーションシステムは、振動試験装置や複合環境試験装置の製造・販売、修理・保守を含みます。テスト&ソリューションサービスでは、顧客からの振動試験や解析の要請に応じ、環境試験の実施と結果に基づく分析・解析を提供しています。メジャリングシステムは、振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置などの製造・販売、修理・保守を行っており、地震による二次災害防止や予知保全に貢献しています。
収益は、これらの製品販売とサービス提供から得られています。特に振動シミュレーションシステムは、国内の自動車関連や防衛産業、欧州の電気自動車関連、米国の航空宇宙向けの設備投資が堅調に推移し、売上高が増加しました。テスト&ソリューションサービスも、車載用バッテリーを中心とした電気自動車関連や航空宇宙関連の振動試験が堅調に推移し、売上高が増加しています。
メジャリングシステムは、国内の防災関連需要は堅調でしたが、海外市場の受注が鈍化し、売上高は減少しました。同社グループは、ROICを主要な経営指標としており、既存コア事業の拡大や新規事業の立ち上げに経営資源を効率的に投入し、収益性の向上と資本効率のさらなる向上を目指しています。同社グループの売上高は、日本が最も大きいものの、欧州、米国、アジアといった海外地域も一定の割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で一貫して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加しており、特に直近の期では大幅な伸びを示しています。これは、世界経済の不確実性が続く中でも、国内のDXや脱炭素化投資、半導体・自動車分野の研究開発投資意欲の旺盛さが追い風となり、増収増益を達成した結果です。部材高騰や人的資本への投資によるコスト増があったものの、生産プロセスの最適化や新サービスの提供により採算性向上に努め、売上高・利益ともに過去最高を更新しました。
| 項目 | 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 116億円 | 119億円 | 137億円 | 153億円 | 179億円 |
| 経常利益 | 13.1億円 | 12.4億円 | 15.7億円 | 18.5億円 | 25.7億円 |
| 経常利益率 | 11.3% | 10.4% | 11.5% | 12.1% | 14.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.4億円 | 10.7億円 | 11.3億円 | 14.3億円 | 19.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 57.52 | 65.42 | 69.11 | 88.75 | 121.68 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、生産性の向上がうかがえます。これは、業容拡大に伴う期中採用の増加があった中でも、効率的な事業運営により、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上していることを示しています。組織全体の収益体質が強化され、持続的な成長を支える基盤が整っている状況です。
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.0百万円 | 48.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.4百万円 | 6.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
IMVの経営の安定性について、財務基盤と資金の流れ、そして事業を取り巻くリスクの観点から見ていきます。同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、財務基盤を強化している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準で、効率的な資本活用ができていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、事業運営における資金的な余裕がある状態です。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 102億円 | 119億円 |
| 自己資本比率 | 53.0% | 51.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.7% | 17.5% |
| 現金及び預金 | 28.0億円 | 48.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加しており、安定した収益力を示しています。これは、税金等調整前当期純利益の増加や契約負債の増加が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことにより、資金の減少幅が拡大しています。これは、事業拡大に向けた積極的な投資が行われている状況です。財務活動によるキャッシュフローは資金の減少を示していますが、減少幅は縮小しています。これらの結果、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローは大きく増加しており、本業で得た資金を成長投資に回しつつ、なお余剰資金を生み出せる優良な状態にあることがうかがえます。この資金状況は、同社グループの将来的な成長と、それに伴う雇用や給与の安定性につながるものと考えられます。
| 項目 | 2024年9月期(前期) | 2025年9月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 20.1億円 | 38.5億円 |
| 投資CF | △10.3億円 | △12.0億円 |
| 財務CF | △3.6億円 | △3.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.7億円 | 26.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内売上の比率が高く、当連結会計年度において全体の約55%を占めています。このため、既存の自動車産業等における内需の回復が想定よりも遅れた場合には、経営成績の変動要因となる可能性があります。
また、海外売上比率の増加とともに外貨建ての取引が増加しており、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、同社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
IMVは「SECURE THE FUTURE」をスローガンに掲げ、社会の安全・快適・エコロジーへの貢献を責務としています。世界トップレベルの「開発力」「提案力」「総合力」を強みに、持続的な成長と顧客満足の向上を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
IMVは「SECURE THE FUTURE」をスローガンに、社会の安全・快適・エコロジーに貢献することを責務と考えています。同社グループは、世界トップレベルの「開発力」「提案力」そして「総合力」を強みとして、経営基盤の強化を進めています。
総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立しており、さらなる事業成長と顧客満足の向上のためにグローバルな展開を行っていく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
IMVグループは、人材を最も重要な資本と位置づけ、人的資本基本方針を定めています。チャレンジ精神と自己実現を追求できる組織文化を醸成し、プロフェッショナルがチャレンジし続ける企業になることを目指しています。
社員の多様性を重視しており、グローバル化への対応やイノベーション創出のために、外国人を含む様々な背景や技術を持つ人材の採用・登用を推進しています。社員のモチベーション向上を図るため、人事評価制度による報酬制度やプロジェクト制度へのインセンティブ制度を活用しています。柔軟で働き続けやすい制度として、フレックスタイム、時短勤務、在宅勤務などを整備し、社員が長期的に安心して働ける環境を整えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
IMVグループは、優先的に対処すべき課題として、生産体制の強化とコスト削減に取り組んでいます。具体的には、品質および生産効率の向上、リードタイムの短縮、サプライチェーン全体でのコスト削減を推進しています。
人材育成においては、人的資本基本方針に基づき、チャレンジ精神と自己実現を追求できる組織文化の醸成を目指しています。適正な評価に基づく報酬とインセンティブ制度の構築、研修およびスキル強化プログラムの充実を実施しています。
また、技術的優位性の確保のための研究開発体制の強化、株主や投資家からの信頼に応えるための管理体制の強化、持続的な成長のための新規事業分野への展開、そして海外展開の強化も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
IMVは、コンプライアンスの徹底を基礎に、管理体制と監査体制を整え、経営の透明性を高めることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。意思決定と実務執行を分離する執行役員制度を導入し、経営責任の明確化と業務執行の迅速化を図る体制を敷いています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
IMVの株主構成を見ると、有限会社SEIKOが筆頭株主となっています。また、同社の取締役会長である小嶋成夫氏や代表取締役社長兼CEOである小嶋淳平氏も上位株主として名を連ねています。IMV取引先持株会も主要な株主の一つです。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社SEIKO | 18.80% |
| 小嶋成夫 | 7.90% |
| IMV取引先持株会 | 7.30% |
| 小嶋淳平 | 6.50% |
| エスペック | 4.80% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.0%です。代表取締役社長兼CEOは小嶋淳平氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小嶋 淳平 | 代表取締役社長兼CEO | 2006年6月 同社入社、2015年10月 同社代表取締役社長、2024年1月 同社代表取締役社長兼CEOより現職。 |
| 小嶋 成夫 | 取締役会長 | 1976年7月 同社代表取締役社長、1986年2月 同社代表取締役会長、2023年4月 同社取締役会長より現職。 |
| 青木 秀修 | 取締役最高技術責任者(CTO)兼技術推進統括本部長兼輸出管理室長 | 1988年3月 同社入社、2014年12月 同社取締役、2023年10月 同社取締役最高技術責任者(CTO)兼技術推進統括本部長兼輸出管理室長より現職。 |
| 小嶋 健太郎 | 取締役 | 2005年10月 小嶋健太郎税理士事務所所長、2005年12月 同社取締役より現職。 |
| 柿原 正治 | 取締役 経営企画本部長 | 1997年3月 同社入社、2023年12月 同社取締役経営企画本部長兼海外事業本部長、2024年10月 同社取締役経営企画本部長より現職。 |
| 溝本 秀樹 | 取締役 営業本部長 | 1995年4月 同社入社、2023年12月 同社取締役営業本部長より現職。 |
社外取締役は、草野欽也氏(株式会社藏商会相談役)、酒井清氏(公認会計士酒井清事務所所長)、髙橋祥子氏(TAZ Inc.代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名が就任しています。社外役員が役員全体の3分の1を超え、専門的な見地から経営を監督し、客観的な監視を行う体制を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
IMVの役員報酬は、固定報酬である基本報酬と変動報酬である賞与で構成されています。加えて、株主と株価変動のメリット・リスクを共有し、企業価値向上への貢献意欲を高めるため、業績連動型の株式報酬制度を導入しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 2.1億円 | 35.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 25百万円 | 4.2百万円 |
なお、期末日現在の取締役は9名、監査役は3名です。上記報酬等には、使用人兼務役員の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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