2021年06月21日
マイクロプロセッサやフラッシュメモリなどの製造で知られるアメリカの大手半導体素子メーカー「Intel」の日本法人、インテルへの転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
PC用CPU市場で圧倒的なシェアを占め、世界屈指の半導体メーカーとして名を馳せる米インテル。インターブランド社による「Best Global Brands 2020」ではブランド価値370億ドル相当と評価され、ランキングでは世界12位につけています。その米インテルの日本法人であるインテルは、前身法人時代も含めると50年近く日本で事業を展開しており、国内で認知度の高い外資系企業のひとつです。
口コミによると、インテルで仕事をするうえで重視されるのは「自発性」です。「与えられた仕事をするだけでなく、いろいろなことに対して自発的にイニシアティブが取れる人が評価される」「自分から前に出ていかないといけない環境」といった口コミが多く見受けられ、自分の能力を最大限に発揮するための意欲的な姿勢が要求されます。「(周りの人に教わるのではなく)自らの力で這い上がっていかなければならないカルチャー」と語る社員もいるように、向上心をもって自分のスキルを高め、成果を挙げるための努力を惜しまない人に適した環境と言えるでしょう。
実力主義が徹底されたフラットな企業風土ですが、評価に関しては日本企業的な一面もあり、独特の雰囲気が存在するようです。「社内向けのアピール力が重要」「米国人には英語を駆使して派手にプレゼンし、日本人の前では謙虚な振る舞いをするような器用さが必要」という声が聞かれるように、自分の挙げた成果がいかに組織に貢献したかをロジカルかつ効果的にアピールする能力、社内政治力やコミュニケーション能力が求められます。
「自発性を重視する実力主義がベースではあるが、日本企業的なコミュニケーション能力も必要とされる」。こうしたインテルの社風にフィットし、自分の強みを活かして成果を出せる人物であるかどうかは、面接時に重視されるポイントです。自身の性格や志向分析も含めた事前対策を行い、面接に備えましょう。
2021年4月現在、インテルではグローバルリクルーティングサイト経由で中途採用をおこなっています。エンジニアや営業、マーケティングなどの分野で幅広い職種の求人が掲載されており、職種ごとの募集要項には必要なスキルや経験などが明記されています。学士や博士の資格保有を応募要件とする求人もあるため、応募にあたっては募集要項をしっかりと読み、要件を満たしていることを確認しましょう。
選考プロセスの詳細について、リクルーティングサイト上に明記はありませんが、口コミによると、エントリー情報をもとにした書類選考通過後、複数回の面接が設定されることが多いようです。
また、「英語面接があった」との口コミも見受けられました。英語による質疑応答のシミュレーションも含めた面接準備をしておくとよいでしょう。
口コミによると、インテルの面接では実務スキルを重視する傾向が強く見られます。
「(実際に業務で必要になる)技術的な専門用語について英語で聞かれた」人や、「順伝播型ネットワークを書くよう求められた」人が見受けられました。入社すれば上司になるであろう人物が面接官になることが多いため、「現場で実際にどのようなパフォーマンスが発揮できるのか」を探るための質問をされることが少なくないようです。周辺分野の専門用語までを含め、自分の専門分野にまつわる知識には抜けや漏れがないよう、念入りに確認をおこないましょう。これまでのキャリアの中でどのように専門性を高め、成果を挙げてきたかを、英語・日本語両方で具体的に伝えられる準備をしておくことも必要です。
また、「最近の金融情勢がインテルにもたらす影響は?」「10年後のITマーケットはどのようになっているか?」といった質問をされた人も。正解がひとつではない質問の場合、応募者の思考力や判断力を見極める意図であることが多いものです。企業研究の一環として、業界全体を俯瞰した自分なりのビジョンを描いてみることも有効です。その際、矛盾のないように、内容を検証しておくとよいでしょう。
面接の雰囲気が面接官によって左右されることもあるため、どのような進行具合になってもうろたえることのないよう、心の準備をしておきましょう。
面接を受けるにあたっては、インテルの事業戦略「RISE戦略」を理解し、自己分析に落とし込んでおく必要があります。
インテル コーポレートサイトより
クラウド・ツー・エッジ・コンピューティングの信頼性をより高めることで、顧客の課題解決に貢献することをミッションとし、「信頼できるパフォーマンス・リーダー」となることをビジョンとする同社。企業や個人の生産性向上のみならず、世界中のすべての人々の生活を豊かにすることを事業目的として掲げています。その骨子となるのが、2030年に向けた「RISE戦略」です。
この戦略の目的は、「Responsible」(企業責任)・「Inclusive」(一体性)・「Sustainable」(サステナビリティー)の3つが実現した世界を構築することです。そのために、インテルが達成すべき事業基準を引き上げ、これまでの社会貢献活動戦略を他社とコラボレーションできるまでに範囲を広げて取り組むとしています。
こうした戦略を深く理解し、社会貢献を視野に入れた事業活動についての自分なりの考えを述べられる用意をしておくとよいでしょう。
新卒・中途を問わず、採用面接では志望動機について問われることが多いものです。志望動機について問うことで、事業内容や社風などを含めた企業理解の深度に加えて、入社後の仕事に対する意欲やその人のキャリアビジョンも探ることができるからです。
こうした面接官の意図に応え、効果的な志望動機とするためには、「インテルの独自性はどこにあるのか」という面から企業研究をおこない、「そのフィールドで自分は何をしたいのか」を明確に表現することが重要です。以下のような企業についても研究し、比較することで、同社独自のミッションや事業戦略を把握しておきましょう。
●サムスン電子ジャパン株式会社
●日本エイ・エム・ディ株式会社
●キオクシア株式会社
インテルの求める人物像、ミッションや事業戦略などが具体的に掴めたのではないでしょうか。
インテルの採用面接を受ける際には、「自発性を重視する実力主義がベースではあるが、日本企業的なコミュニケーション能力も必要とされる社風」を意識して、「社会貢献活動を視野に入れた事業戦略を理解したうえで専門性を活かして業務に取り組める人材」と印象づけられるようなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならこれらの質問にどのように答えるか、面接対策の一環としてぜひシミュレーションしてみましょう。
人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
インテル株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
インテルの採用面接を受けるにあたって、その社風や事業戦略など、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「自発性を重視する実力主義がベースではあるが、日本企業的なコミュニケーション能力も必要とされる社風」を意識して、「社会貢献活動を視野に入れた事業戦略を理解したうえで専門性を活かして業務に取り組める人材」であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
●インテルの「RISE戦略」に沿った自己分析を行い、有効な自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究することで、「なぜインテルなのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は、「インテルの事業に自分はどう貢献できるのか」「自分の強みは何か」といったアピールを英語・日本語どちらでもできるようにしておきましょう。
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