【平均年収810.1万円】持田製薬の給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

持田製薬の有価証券報告書によると、平均年収は810.1万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考に持田製薬の年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で480〜530万円、30歳代で670〜720万円、40歳代で830〜880万円となりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円（国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果）ですから、それと比較しておよそ1.64倍の額です。

過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
持田製薬の平均年収は前年を上回り810.1万円でした。
過去5年間では2番目に高い額になりました。

続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。

持田製薬の年収の高い理由としては2つ、賞与と諸手当類の充実です。諸手当類については、次項にて詳述しますので、ここでは賞与について説明します。

賞与は、口コミを見ると、「ここ数年は年間7ヶ月分」が平均的な支給水準。「5ヶ月分は固定、残りは業績反映分」という形式をとっているようですが、順調な業績のため、その業績反映分として2ヶ月上乗せされていることになります。個々人の評価によって、支給額の変動があり、その幅は「0.8～1.2の係数をかけられる」というものですが、「個人による賞与額の差は小さい」とのこと。これに対する不満の声も見られるものの、全社員に安定して高水準の賞与が支給される、とも捉えることができます。

持田製薬の給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回（7月・12月）の賞与で構成されています。
諸手当は、住宅手当、通勤手当、職務手当の他、対象となる職種は限定的ではありますが、外勤者手当や営業手当といったものまであります。外勤者手当・営業手当は、金額のインパクトも大きく、口コミを見ると、営業手当は「32000～35000円」あたりで、外勤者手当は1日当たりの日当が「2200～2300円」であり、合わせると、月7～8万円程度になります。
また、住宅手当についても、既婚・独身で補助額は異なりますが、独身者の場合「自己負担3000～7000円程度で済む」そうで、既婚者の場合は「家賃の2割＋共益費」が自己負担とのこと。諸手当類は充実していることが分かります。

持田製薬社員の給与明細（キャリコネ）

20代から30代で年収約2倍に！

20代技術（非管理職）の 給与明細

30代技術（非管理職）の 給与明細

30代で800万円超えも

20代営業（非管理職）の 給与明細

30代営業（非管理職）の 給与明細

持田製薬の職種は、大きく「総合職」（リーダーシップを発揮し、課題解決型としての役割と成果を求めるコース）と「エキスパート職」（主に定型的な業務を担当し、業務遂行型としての役割と成果を求めるコース）に分かれており、賃金制度もそれぞれの職種によって適用される制度が異なります。今回は、「総合職」に絞って話を進めます。

「総合職」は、「研究職」「医薬開発職／メディカルアフェアーズ職」「MR職／学術職／マーケティング職」などの職種にさらに細分化されています。前項の通り、適用される手当に若干の違いはあるものの、基本的な賃金制度は同一です。初任給についても、以下の通り、全職種共通で学歴別に設定されています。
＜初任給＞
●大学院修士課程修了、大学（6年制学士課程）卒業：月給245,000円
（試採用期間3カ月間は月給240,000円）
●大学（4年制学士課程）卒業：月給221,000円
（試採用期間3カ月間は月給216,000円）

年代・役職別の年収目安としては、20代が500～550万円、主任クラスが550～650万円、課長クラスになると800～1000万円といったあたりになります。

持田製薬社員の給与明細（キャリコネ）

同年代ではほぼ同年収

20代営業（非管理職）の 給与明細

20代技術（非管理職）の 給与明細

営業職は諸手当類で年収に上乗せ

30代医療系（非管理職）の 給与明細

30代営業（非管理職）の 給与明細

持田製薬は、新卒入社後、主任→係長→課長補佐→課長→副部長→部長、の順に昇格していきます。それぞれのステージにおいて、さらに細かいステップが設定されており、ステップが上がるごとに基本給が上昇するという仕組みです。
昇格については、「基本的に年功序列」という口コミが多く見られます。「結果や実力ではなく、既定の年齢に達していないと昇格試験を受けることができない」というルールがあるため、「いくら主任で良い成績を残していても、年齢に達するまでは係長に昇格することができない」とのこと。「40歳を超えないと管理職は難しい」という口コミもあり、長期的に勤めることを前提とした人にとっては、安定的に昇格・昇給が望める制度であると言えるでしょう。

持田製薬社員の口コミ（キャリコネ）

年功序列の風土が根強い

「基本的に日本企業なので年功序列 40歳を超えないと管理職は難しい……」

年功序列、さらに勤務地による運も左右

「年功序列制であることは間違いない どの都道府県で仕事をしているのかもポイント……」

持田製薬の競合や同業界である科研製薬、小野薬品工業、中外製薬の4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、持田製薬が810.1万円、科研製薬が798.3万円、小野薬品工業が947.2万円、中外製薬が1155.8万円です。
この4社の中で最高額は中外製薬の1155.8万円で、最低額が科研製薬の798.3万円。その差はおよそ358万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では持田製薬は3番目に位置します。

持田製薬の競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください

出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報－2020年度実績－」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」

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