2021年06月21日
第一ゼミナールなどの学習塾や、通信制高校である第一学院などを運営する総合教育サービス企業ウィザスへの転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
ウィザスは、学習塾の運営や高校・キャリア支援を基幹事業とする「総合教育サービス企業」です。学習塾事業においては、独自に確立した「プラスサイクル学習法」を用い、第一ゼミナールやファロス個別指導学院などの学習塾を大阪をはじめとした5都市に展開しています。通信制・単位制高校である第一学院高等学校は、茨城と兵庫の本校を中心に全国52のキャンパスを擁し、現在約6000人の生徒が在籍。このほか、オンライン授業や社会人向けコンテンツなど、ICTを活用した学びの提供にも注力しています。
全国各地の塾や学校で講師や教師として活躍する社員には、この業界を志すだけあり、教育に対し熱意のある人材が多いようです。生徒の志望校合格の瞬間に立ち会えることや、教え子が社会人になってあいさつに来てくれることを仕事の醍醐味とし、日本の教育の一翼を担っています。学習進度や事情の異なる生徒への指導に悩むこともありますが、その壁を乗り越えることに喜びを見出せるケースが多い様子です。
労働環境について見てみると、教師・講師の場合は残業が常態化しているという口コミが散見されました。これを改善すべき点としながらも、「教育現場の仕事としてある程度は仕方ない」「業務時間以外にも自己研さんの必要性はある」など、状況に理解を示す声も聞かれます。生徒の未来を左右する立場にあるという、責任感と使命感をいかに持てるかがポイントとなるでしょう。
日本有数のネットワークと独自の学習法を通じて生徒一人ひとりと向き合い、熱心に教育事業に携わる。面接ではこのような社風にフィットし、同社の教育事業を担える人材であるかを見極められます。
2021年5月現在、同社では全国各地の第一学院の教員、通信制大学のICT活用授業をデザインする運営職、広報・マーケティングなどの中途採用を募集しています。まずはコーポレートサイトの「キャリア採用」のページにて詳細を確認しましょう。口コミによると、選考のプロセスは書類選考と2回程度の面接となっています。教員職に関しては、第一種高等学校教員免許の所持者が望まれます。キャリコネにも求人情報が掲載されているので、チェックしてみるとよいでしょう。
また、これらの中途採用とは別枠で、第一ゼミナール、ファロス個別指導学院などの学習塾の講師募集もおこなわれています。コーポレートサイトの「講師採用」ページから、募集要項の確認と応募が可能です。選考は二段階方式が採用されており、「書類提出→採用説明会参加・適性テスト・教科テスト・適宜面接→登録・待機→勤務予定校での面接」というフローに沿って実施されます。
同社の面接では、教育に携わる人材としての人間的・技術的適性の見極めがおこなわれます。適性テストや教科テストからは読み取れない、志望動機や経歴、候補者の内面に焦点が当てられるでしょう。
なかでも「教育業界を志望する理由は?」「なぜ他社ではなく当社を選んだのか?」については必ず聞かれるという前提で、考えをまとめておく必要があります。また、「クラス運営にあたり大切なことは?」「なぜ学校の教師ではなく塾の講師を志望するのか?」「9割の卒業率を保つために必要なことは?」など、現場を想定した具体的な回答を求められる質問も多出です。
さらに、失敗談や人生で後悔したこと、自身の短所などを聞かれたという口コミも目立ちました。後述する行動指針のひとつに「肯定的思考」をあげる同社では、一見ネガティブと思えるものごとの捉え方、転換の仕方を重要視しています。これは面接までに自身の中に落とし込み、回答に反映させたい要素のひとつです。
同社の面接を受けるにあたっては、「経営理念」と「行動指針」を理解しておくことが大切です。
ウィザス コーポレートサイトより
教育で人を幸せにすることを根本的な価値とし、社会貢献の方法を追求する同社。顧客・社会・社員という三者に対する貢献を考えることが、バランスのとれた経営につながります。そしてこのビジョンの実現には、具体的な行動が不可欠であり、その指針となるのが6つの行動指針です。
ウィザス コーポレートサイトより
「肯定的思考」「信頼」「考え抜く」といった具体的な行動を意識して業務に取り組むことで、現場に携わるスタッフのみならず、塾や学校で向き合う生徒一人ひとりの人間力の向上に寄与できます。「目標は志望校合格、目的は社会で活躍できる人づくり」を標榜する同社が見据えているのは、数字や合格・卒業といった短期目標のみならず、社会でも活躍できる人材の育成です。
また、一企業としての成長には、顧客満足度の向上や環境に対応したアイデアの創出も欠かせません。そのための施策を強化し時代に最適な教育を模索する同社は、教育に対する熱意とビジョンを共有できる人材を求めています。そのため、同社に対する理解を深めた上で、「教育という仕事を通じた社会貢献に強い意欲を持つ人材」であることをアピールしましょう。コーポレートサイトの代表あいさつや採用ページに掲載されているインタビューからも同社の信念がよくわかるので、一読しておくことををおすすめします。
面接を受けるまでに「なぜウィザスなのか」という質問に対する明確な回答を用意しておきましょう。口コミを見ると、同社の面接では「たくさんある企業の中でなぜうちなのか」と質問されるケースがとても多いことがわかります。候補者のキャリアをどのように活かせるのかという点にくわえ、同社をどの程度理解しているかが問われます。
同社の独自性を理解し志望動機を強固なものにするには、競合他社についての研究が有効です。教育事業のあり方はさまざまですが、実際に教育現場で人と向き合う上で、所属する会社とビジョンを合致させておくことは非常に重要です。他社研究をおこなうことで、理念やビジネスの方向性、実績などにつて理解を深め、ウィザスと他社との違いを明瞭に把握しておきましょう。
以下は、研究対象となる企業・学校の一例です。これ以外にも転職を検討している地域の学習塾や学校などについて、研究してみることをおすすめします。
馬渕教室(株式会社ウィルウェイ)
類塾(株式会社類設計室)
クラーク記念国際高等学校(学校法人創志学園)
NHK学園高等学校(学校法人NHK学園)
企業研究を通じ、同社の理念や求める人材像が少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
同社の場合、「日本有数のネットワークと独自の学習法を通じて生徒一人ひとりと向き合い、熱心に教育事業に携わる」社風の中で、「教育という仕事を通じて社会貢献したいという強い意欲を持つ」人材であることをアピールすることが大切です。その際、自身の経験や実績、信念などを具体的なエピソードを用いて話すと、より伝わりやすくなるでしょう。
ここで、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならどのように答えるかシミュレーションをするなど、面接対策に役立ててください。
株式会社ウィザスの面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
ウィザスの中途採用面接に向けて、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3点です。
「日本有数のネットワークと独自の学習法を通じて生徒一人ひとりと向き合い、熱心に教育事業に携わる」社風の中で、「教育という仕事を通じて社会貢献したいという強い意欲を持つ」人材であることを、具体的なエピソードを用いて印象付ける。
ウィザスの「経営理念」と「行動指針」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
競合他社についてもよく研究し、「なぜウィザスなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらを軸に面接対策を講じ、教育や社会貢献に対する熱意を存分に伝えられる面接にしましょう。
この記事の執筆者