2021年06月21日
日本の三大臨床検査センターに数えられるビー・エム・エルへの転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
日本の三大臨床検査センターの一角として、臨床検査と電子カルテのサービスを医療の最前線に提供しているビー・エム・エル。全国に検査ラボを有し、生化学検査・血液学的検査などの「一般検査」から、遺伝子検査といった「特殊検査」まで、幅広い検査に対応できる体制を構築しています。
ビー・エム・エル コーポレートサイトより
「豊かな健康文化を創造します」をスローガンに掲げる同社の口コミからは、「人の命や健康に貢献する仕事なのでやりがいがある」という声が聞かれ、医療分野にかかわる者としての自覚や誇りを持った社員が多いことがうかがえます。営業に関しては、「一人の営業マンに与えられる裁量は大きく、やりがいを感じる」という声が聞かれました。大手ゆえに、さまざまな検体を扱う機会があり、経験を積むには申し分のない環境だと言えるでしょう。
検査ラボなどへの設備投資をしっかりとおこなってきた同社は、ハード面でも恵まれているといいます。なかでも、川越総合研究所には事業所内保育所や診療所が設置され、社員からも「素晴らしい施設」という声が寄せられています。これらは、「健康経営」という考えに基づき、戦略の一環として推進されているものです。
また、同社の特徴のひとつに、中途採用比率の高さが挙げられます。2020年の中途採用比率は65%と、半数以上が中途採用者です。それだけ専門性の高い仕事であり、即戦力が求められていることがわかるでしょう。
豊かな健康文化の創造に向けて、専門領域を極める。採用面接では、このような社風にフィットする人材であるかを見極められます。
2021年5月現在、同社のキャリア採用ページには「システム開発職」の募集が掲載されています。業務内容は、社内各種システム、サービス開発、導入、サポート業務などです。また、求人サイトや転職エージェントを通じて、「臨床検査技師」「営業」を募集しています。
コーポレートサイトでの募集はシステム開発職のみとなっていますが、情報は随時更新される可能性があります。情報をタイムリーにキャッチできるよう、こまめにコーポレートサイトを確認することをおすすめします。
選考フローは、書類選考→適性検査→面接(2回程度)となっています。内定までの期間は、数週間から1ヶ月超と幅が見られるため、余裕を持ったスケジュールで臨むとよいでしょう。
志望動機や転職理由、入社後の展望などを中心に質疑応答がおこなわれます。これらについては、自己分析や企業研究を徹底した上で戦略的に内容を構築しておく必要があるでしょう。
「検査物に抵抗がないか?」といった、臨床試験センターならではの質問も見られました。入社後の仕事に直接影響することなので、正直に答えることが重要です。また、意見を求められた時事問題について答えられず、「新聞をもっと読むべき」と指摘された人もいます。特に、営業職の場合には医師と接することが多いため、時事問題についてもアンテナを高く張り、ロジカルな話し方を身に着けておく必要がありそうです。
基本的には、面接の雰囲気は穏やかで真面目であるとのこと。万全な準備をおこない、誠実な態度で臨みましょう。
面接にあたっては、ビー・エム・エルの中期的な方向性を把握し、自らの能力・スキル・キャリアビジョンとの整合性を確認することが大切です。ここでは、同社の中期経営計画から今後の方向性を見ていきましょう。
同社では、2021年度から2023年度まで3ヵ年を対象とする第8次中期経営計画を策定しました。スタートしたばかりのこの3ヵ年を、9ヵ年に及ぶ中長期的な計画の集大成と位置づけ、業界ナンバーワンを目指す「飛躍期」としました。第6次中期経営計画からのグループビジョンとなっている「医療界に信頼され選ばれる企業をめざす」のもと、品質・サービスの向上を追求をしていく考えです。
ビー・エム・エル 2020年度決算説明会資料より
基本戦略フレームワークとして掲げたのは、「標準化」と「DX」です。具体的には、競争力の拡充として、「ラボネットワークの充実」「営業力の充実」「集配プロセスの革新」の3つの戦略を遂行していくとしています。また、DX推進基盤の構築では、デジタル人財の育成、システム基盤の整備、ITガバナンスの強化に取り組む方針です。
ビー・エム・エル 2020年度決算説明会資料より
中期経営計画は人材育成や採用戦略に直結するものです。資料を読み込んで内容を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで戦略的な自己PRにつなげましょう。
同社の面接でよく聞かれる質問が、「なぜビー・エム・エルなのか」というものです。面接官はこの質問を通して、候補者のキャリアや入社後のビジョンにくわえ、同社への理解度を確かめようとしています。
企業理解を深め、この質問に説得力のある回答をするためには、競合他社の研究が不可欠です。他社の経営スタイルや社風を理解することで、同社への理解をより深めることができます。少なくとも、同社と並んで日本三大臨床検査センターと呼ばれている2社については徹底的に研究をおこない、比較考量しておく必要があるでしょう。
株式会社エスアールエル
株式会社LSIメディエンス
企業研究を通じて、ビー・エム・エルの方向性や求める人材像について理解が深まってきたのではないでしょうか。
同社の場合、「豊かな健康文化を創造する」というスローガンを理解し、「医療分野にかかわる者としての自負と誇りをもって仕事を遂行できる人材」であると印象付けられるよう、自己分析をすすめるとよいでしょう。その上で、具体的な実績やエピソードを交えて話すことで説得力が増すはずです。
ここで、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の総仕上げとして、自分ならどのように答えるかシミュレーションしてみてください。
株式会社ビー・エム・エルの面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
ビー・エム・エルの中途採用面接に向けて押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として特に重要な点は、以下の3つです。
「豊かな健康文化の創造に向けて、専門領域を極める」という社風を意識しながら、「医療分野にかかわる者としての自負と誇りをもって仕事を遂行できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを用意しておく。
ビー・エム・エルの「第8次中期経営計画」を理解し、これに沿った自己分析をおこなって有益な自己PRにつなげる。
競合他社についてもよく研究し、「なぜビー・エム・エルなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上の点を意識して面接準備をすすめ、面接当日は誠実な態度で入社への熱意を伝えましょう。
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