2023年02月27日
総合重機大手の一角、住友グループの住友重機械工業。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
住友重機械工業は、1888年に別子銅山の「工作方」として創業され、1934年に住友機械製作株式会社として独立しました。一般産業機械から建設機械・環境・プラント機器まで網羅する、総合機械メーカーです。
歴史ある住友グループの一社であることから、社風について「日本的企業」や「保守的」といった口コミが見られるかと思いきや、逆に「風通しが良い」「新しい文化を取り入れようとする姿勢がある」といった声が目立ち、また「トップダウンではあるが、締め付けは緩く自分の意見は言いやすい」とのことです。仕事の進め方についても、「チームというより個人商店化している」「基本的には個人商店のような働き方を求められる」ことが特徴で、これは「多種多様な製品開発をしている」ことが背景としてあると考えられます。「コントローラビリティが高く、やりがいを感じやすい」「自分が仕事を進めやすいようにできる」ことから、「仕事面でのストレスは少ない」そうです。
一方、こうした個人商店的な働き方、幅広い事業範囲のため、「丁寧なマニュアルというものは一切ない」文化であり、「自ら追い込んで身に着けていく風土」「現場で覚えろスタイル」が貫かれています。自律的に、当事者意識を高く持って仕事に取り組む人には、ぴったりの環境と言えるでしょう。
「風通し良く自由に意見ができる環境の中、一人ひとりが自律的・個人商店的に仕事に取り組む」、こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
同社の職種は、大きく「技術系」「事務系」の二つに分類されています。「技術系」は研究開発、設計、生産技術、品質保証、SEなど、「事務系」は営業、企画管理、生産管理、資材調達、管理業務などの職場で活躍しています。
2023年2月時点で、キャリア採用は120の職種が募集中となっています。上記のような職種のほか、担当領域やポジションなどによって求人が細分化されているので、確認してみてください。また、「Bloomキャリア登録」という制度も採用されており、登録しておけば適したポジションやイベントがある際に、人事担当者から連絡が届く仕組みになっているので、必要に応じて活用しましょう。
選考プロセスとしては、WEBエントリー後、書類選考、適性検査の後、2回の面接が実施されます。応募者の口コミによると、一次面接の面接官は配属部門の部門長または課長クラスと人事担当者、最終面接は本社の人事部長クラスとの1対1での面接とのことです。一次面接は90分と比較的長い時間を要しますが、そのうち「約30分は会社説明に充てられる」とのこと。また最終面接の前には「工場見学の機会があった」との声が見られ、選考時にしっかりと職場について情報提供を行うスタイルであるようです。
同社の面接では、志望動機やこれまでのキャリア、今後のキャリアプランなど、オーソドックスな質問がほとんどです。応募者によると、「人物重視の面接」「人としてどうか、という点を見ている」とのことで、そのため面接の雰囲気も「和やかに進む」「会話ベースでリラックスできる雰囲気」の中で「こちらの意見・考えを親身に」聞いてくれるそうです。
また、他社の選考状況について確認されることは特徴的で、「他にどんな会社を受けているか?」「同業他社から内定をもらったらどうするか?」といった質問も投げかけられます。「他社選考状況について正直に伝えると考慮してくれる」との声もあるため、志望度の高さをアピールする機会ととらえると良いでしょう。
~経営理念~
●企業使命
一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指します。
誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献します。
●私たちの価値観
・顧客第一
顧客価値を第一に考え優れた商品とサービスを提供します。
・変化への挑戦
現状に甘んずることなく変化に挑戦し続けます。
・技術重視
独自の技術を磨き社会の発展に貢献します。
・人間尊重
互いを尊重し学び合い成長する組織風土を育みます。
中期経営計画2023
住友重機械工業の面接を受ける前に、経営理念および「中期経営計画2023」を理解しておきましょう。
上記の通り、経営理念では共有すべき価値観が、そして「中期経営計画2023」では足元で重視すべき方針が示されています。
これをしっかりと理解し、共感を示すとともに、自身が貢献できる人材であることを面接でアピールすることが大切です。これまでの仕事への取組み姿勢やキャリア観について、この経営理念に沿って分析し、自身のエピソードとして準備しておきましょう。例えば以下のような切り口で整理してみましょう。
・これまで、現状に満足することなく、新しい価値を生み出すためチャレンジしてきたこと。
・上記を実現するために、自らのスキルを磨くとともに、周囲をいかに巻き込んできたか。
・企業の成長と社会貢献の最適なバランスを実現するために工夫したこと、苦労したこと。
中途採用面接で頻出する質問のひとつに「なぜ当社なのか」という問いかけがあります。この質問では、その企業をどのように理解しているかはもちろん、同業他社との違いを分析できているかを面接官は探ろうとしています。
面接官に対して説得力のある回答を示すためには、他社研究をすることが必要です。他社と比較することで、住友重機械工業の特色・強みが浮き彫りになります。重工メーカー大手である、以下の競合他社についても研究しておきましょう。
住友重機械工業が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。住友重機械工業の場合「風通し良く自由に意見ができる環境の中、一人ひとりが自律的・個人商店的に仕事に取り組む」社風を意識して、「自身のスキルとバランス感覚を武器に、新しい価値を生み出すチャレンジができる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
住友重機械工業の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「風通し良く自由に意見ができる環境の中、一人ひとりが自律的・個人商店的に仕事に取り組む」社風を意識して、「自身のスキルとバランス感覚を武器に、新しい価値を生み出すチャレンジができる人材」であることを、過去のエピソードをもとにアピールする。
住友重機械工業の経営理念および「中期経営計画2023」に沿った自己分析を行い、有効な自己PRにつなげる。
競合他社についても研究し、「なぜ住友重機械工業なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者