2023年02月27日

【面接対策】南海電気鉄道の中途採用面接では何を聞かれるのか

大阪南部から和歌山地域を走る「南海電車」の運営や沿線の開発を手がける南海電気鉄道。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。


南海電気鉄道の採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

1885年、難波(なんば)から堺への路線を開通させたことから、南海電気鉄道の歴史はスタートしました。純民間資本の鉄道会社としては日本でもっとも古く、大阪中心部南エリア(通称「ミナミ」)の開発・発展とともに成長を続けてきた同社。大阪市内から和歌山までを結ぶ南海電車の路線は、関西南部の鉄道ネットワークにおいて大動脈とも言える重要な位置を占めています。

難波駅周辺の商業施設のほか、沿線の開発も積極的に手がけており、2010年代以降はインバウンド需要に呼応し、ツーリズム事業にも注力してきました。ローカルとグローバル、ふたつの視点を併せ持つ事業展開を進め、地域の発展にも貢献しています。

そんな南海電気鉄道の口コミには「典型的な年功序列社会」「穏やかな人が多い」「和気あいあい」といった言葉が並び、歴史ある大手私鉄ならではの体質があることがうかがえます。周囲との調和や協調性を重視する穏やかな職場環境がある反面、年功序列の企業風土があり、上司との付き合いが評価を左右すると考える人も見受けられました。ドライで実力主義の企業文化を好む人には向かない環境と言えるでしょう。

一方、「お客様に喜ばれたとき、お褒めの言葉をいただいたときは嬉しい」「職場によっては、自分自身のやる気次第で目標達成に向かって突き進んでいける」など、やりがいや目標をもって業務に取り組む人も少なくない様子。個人の志向のほか、配属先によって仕事のモチベーションが左右される環境でもあるようです。

協調性を重んじる企業風土のもと、やりがいと責任感をもって公共交通事業における成果を追求する。中途採用面接では、こうした南海電気鉄道の社風にフィットする人物であるかどうかを見極められるでしょう。

選考は何次まで?

2023年2月現在、南海電気鉄道ではDX企画担当者やIT管理担当者などのDX人材のほか、建築・設備系の職種で中途採用をおこなっています。職種により、求められる実務経験や資格、語学力などが明記されているため、コーポレートサイト上の募集要項を確認してから応募するようにしましょう。

選考は、メールによるエントリーがスタートとなります。その後のフローの詳細について、コーポレートサイト内のキャリア採用ページには記述がありませんが、口コミによると2回程度の面接と適性検査がおこなわれることが多いようです。「SPIのような検査とクレペリン検査を受けた」という人も見受けられたため、事前に対策をしておきましょう。

新卒採用サイトにも、社員座談会など、業務内容や職場環境を垣間見られるコンテンツが用意されています。面接前にはぜひ一読しておきましょう。

面接内容の傾向は?

口コミによると、南海電気鉄道の面接では、一般的な質問をベースに、協調性を問われることがあるようです。

現業職に応募した人は、集団面接でオーソドックスな質問を多く受けたとのこと。中途採用面接では、人物理解に重点が置かれることも多く、自己分析にもとづく効果的な自己PRの用意が欠かせません。事前に質疑応答のシミュレーションをするなど、万全の対策をおこないましょう。

また、「他人といっしょに寝られますか?」と聞かれた人も見受けました。特に現業職などにおいて、自分以外の人と時間を共有することも多く、それに耐えうるかどうかを確認される場合もあるとのこと。自身の協調性がどの程度あるのかを考えておくとよいでしょう。

南海電気鉄道の面接攻略法(面接対策)

南海電気鉄道の「共創140計画」を理解した上で自己分析をする

南海電気鉄道の面接を受ける前に、同社の中期経営計画を理解しておきましょう。南海電気鉄道では、2022~2024年度の3年間を対象とした中期経営計画「共創140計画」を策定しています。

南海電気鉄道 コーポレートサイトより

公共交通事業においては、上図のような戦略を掲げる南海電気鉄道。輸送事業にかかわるリスクを低減・解消するための各種施策に取り組むとともに、ブランド力向上施策にも注力し、これまでの公共交通事業を「総合モビリティ事業」へと進化させたい考えです。

また、サスティナブル経営や未来志向の経営戦略にも意欲的です。コロナ禍を経て定着しつつあるニューノーマルにも対応した新たなサービスの模索やインバウンドに対応したツーリズム関連事業の強化、多様な価値観との共生などを通じて、中長期的な視野でグループ基盤をより強固なものにしていくとしています。

さらに、人事戦略においては生産性の向上に重点を置くだけではなく、人財確保・育成に努め、活躍の場を多様化させる方針です。

こうした南海電気鉄道の経営姿勢は中途採用にも影響を与えると考えられ、未来志向の経営に共感したうえで、自身の能力を活かして協働できる人材が求められるでしょう。協調性を活かして業務に取り組んだ経験、ビジョンをもって職務を遂行した経験などをアピールできると有利です。

「なぜ南海電気鉄道か」をはっきりさせるためには他社研究が必要

新卒・中途ともに、採用面接では志望動機を問われることが多いでしょう。この質問では、正確な企業理解ができているかどうかはもちろん、他社との違いを理解したうえで業務に取り組める人物であるかを見極められます。

「なぜ当社なのか?」という問いに対し、説得力のある回答をするためには、企業研究において他社研究をおこなうのがよいでしょう。競合他社を比較することにより、南海電気鉄道の社風や強み、経営戦略などにおける独自性を明らかにできます。具体的には、路線エリアや都市開発において競合する、次のような企業と比較してみることをおすすめします。

近畿日本鉄道株式会社西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)京阪ホールディングス株式会社阪神電気鉄道株式会社

南海電気鉄道の採用面接で実際に聞かれた質問内容

南海電気鉄道の求める人物像や経営戦略の特色などが、企業研究を通じて見えてきたのではないでしょうか。

南海電気鉄道の中途採用面接を受ける際には、「協調性を重んじる企業風土のもと、やりがいと責任感をもって公共交通事業における成果を追求する社風」を意識して、「未来志向の経営に共感したうえで、自身の能力を活かして協働できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問に自分ならどう回答するか、面接対策の一環として考え、ぜひシミュレーションもしてみてください。

[20代後半・女性/物流サービス] 【結果:入社】

質問

他人といっしょに寝られますか?いびきはかきませんか?

回答

どちらも問題ないと答えた。共同生活ができないと…(口コミの続きとアドバイスを見る

[10代後半・男性/物流サービス] 【結果:最終面接で不採用】

質問

志望動機は?

回答

和やかな雰囲気の集団面接。特に意表を突かれるもの…(口コミの続きとアドバイスを見る

南海電気鉄道の採用面接に向けて

南海電気鉄道の採用面接を受けるにあたって、その社風や経営戦略、求められる人物像など、事前に理解しておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

「協調性を重んじる企業風土のもと、やりがいと責任感をもって公共交通事業における成果を追求する社風」を意識して、「未来志向の経営に共感したうえで、自身の能力を活かして協働できる人材」であることを、具体的なエピソードや数値データを交えてアピールする。
南海電気鉄道の「共創140計画」に沿った自己分析を行い、有効な自己PRにつなげる。
競合他社についても研究することで、「なぜ南海電気鉄道なのか」という質問に対する答えを明確にしておく。

これらについてしっかりと準備をおこない、面接当日は人となりだけでなく、自身の人となりはもちろん、入社後の業務への意気込みなどを自分らしい言葉で伝えられるよう心がけましょう。

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この記事の執筆者

大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。