【年収研究シリーズ】シグマクシスの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。
三菱商事系コンサルティング会社のシグマクシスの業績が好調です。
シグマクシスが2018年5月7日に発表した決算報告によると、2018年3月期の連結経常利益は前期比44.3%増の10億4000万円に拡大しました。
つづく2019年3月期においても、前期比26.3%増の13億2000万円と、3期連続で過去最高益を更新し、5期連続での増収増益となっています。
株価も決算報告前から高値をキープし、2014年1月以来の4年3カ月ぶりに高値圏を快走しているところです。
シグマクシスは早くから人工知能(AI)を活用しており、なかでもAIでビジネス競争力を実現するサービス「AIDプログラム」に注目が集まっています。
これは企業がAIを導入する際に必要となるプランニングを行うもので、AI適用領域や施策、想定できる効果を明確にし、導入ロードマップを策定・実行までを支援するサービスです。
またその他に、DataRobot社と日本初のコンサルティングパートナー契約を締結し、機械学習プラットフォーム「DataRobot」を国内企業へ導入するサービスを開始するなど、今後も業務拡大の期待が大きいです。
シグマクシスの年収はどれくらい高いのか
それでは、はじめにシグマクシスの平均年収について見ていきます。
シグマクシスの平均年収は、2020年3月期の有価証券報告書によると、1152.8万円です。
キャリコネに寄せられた給与明細から算出したシグマクシス年代別年収レンジは、20歳代で640〜690万円、30歳代で1030〜1080万円、40歳代で1320〜1370万円となっています。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は503.5万円(国税庁・令和元年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ2.29倍の額です。
■シグマクシスの平均年収の推移
続いて、過去5年間における年収の推移を見てみましょう。
下は平均年収と平均年齢の推移を表したグラフです。
過去5期の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
シグマクシスの平均年収はこの5期で約116.1万円と、大きく上昇しています。前期からは-14.5万円減額しています。
過去5期では2番目に高い額になりました。
シグマクシスと競合他社の平均年収を比較
シグマクシスの競合や同業界であるコンサルティング会社の野村総合研究所、ドリームインキュベータ、三菱総合研究所、リンクアンドモチベーションの5社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、野村総合研究所が1235.2万円、ドリームインキュベータが1034.7万円、三菱総合研究所が993.4万円、リンクアンドモチベーションが589.8万円です。
この5社の中で最高額は野村総合研究所の1235.2万円で、最低額がリンクアンドモチベーションの589.8万円。その差はおよそ646万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではシグマクシスは2番目に位置します。
平均年収では見えてこない、支給額の実態はキャリコネでチェックできます。同じ職種での違いに注目です。
SIer業界の給与明細(キャリコネ)
一流企業社員が受け取る給与明細のリアル
シグマクシス・20代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
野村総合研究所・20代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
三菱総合研究所・20代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
電通国際情報サービス・20代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
シグマクシスの年収が高い理由
■比較的新しい会社だが給与水準は同業者に合わせている。
シグマクシスは三菱商事の関連会社です。またSIerという業界の特性め給与水準が高いことでも知られています。
2008年に設立された同社には、同業他社で働いていた経験者が集まっており、彼らの給与水準が平均年収を押し上げている理由の一つです。また給与格差が激しいとも言われています。
給与は年俸制を取っています。年俸の7割を12等分して給与として支払われ残りの3割が賞与として支給されます。そのため業績変動によって賞与額が増減することがありません。
給与額は個人の能力や評価の結果に応じて異なるものの、若手の人材確保を第一優先としていることもあって、社員の年収を同業他社の水準に合わせている点が大きいと言えます。
キャリコネに寄せられた給与明細を見ると、世代間での違い、同年代・同職種なのになんでこんなに差が生まれるのかの理由が確認できます。
シグマクシス社員の給与明細(キャリコネ)
同職種でも年代によって基本給に大きな差が
20代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
30代・経営コンサルタント(非管理職)の
給与明細
同年代でも賞与の有無が年収に大きな差を生む
30代・経営コンサルタント 賞与なし(非管理職)の
給与明細
30代・経営コンサルタント・賞与あり(非管理職)の
給与明細
シグマクシスで働く上での懸念点・課題
■プロジェクトによっては残業時間が多くなる
シグマクシスを選ぶにおいてのデメリットは、担当するプロジェクトや所属するチームによって労働時間が長くなることが挙げられます。
シグマクシスは裁量労働制を採用しており、同業他社と比較するとワーク・ライフバランスは良く、早朝出勤や深夜まで残業をすることは少ないようです。しかし担当するプロジェクトや顧客の要望次第で働き方が異なり、難易度が高く激務なプロジェクトの担当になれば、夜遅くまで働いたり頻繁な休日出勤でなかなか休めず、プライベートの時間を取りづらくなることもあるようです。
給与システムは賞与込みの年俸制で、12分割したものが月給として支給されます。定期的な昇給制度はなく、ランクアップや昇進によるポジションが変わる際に給与が上がる仕組みのため、同期であっても個人のパフォーマンス次第で年収に大きな差が出てきます。また福利厚生の充実度は低く、住宅手当や退職金といった制度がない点は注意が必要です。
また若手が少なく人手不足といった課題もありますが、その他に1人月単価が年々下がっていることから、原価が上昇傾向であることが懸念点です。大きな改革や改善をしない限り、利益率に影響を与えて続けることになるといった見方ができます。
結局シグマクシスは就職・転職先として選んでもいいのか
三菱商事系であることから、大きな案件、国や地域の仕事に携われる可能性が大きく、幅広い分野において活躍できる場が豊富であると言えます。
また企業経営者が抱える課題を自ら立案した事業戦略で解決したり、巨大なシステムの構築に携わることもでき、社会インフラを手がけることで社会的意義も大きく、やりがいがあります。
そして1案件何十億、何百億円もする巨大プロジェクトを経験できるのも、大手でしか味わえない仕事の醍醐味です。
出典・参考
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2019年企業活動基本調査速報-2018年度実績-」
国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2020年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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