※本記事は、三菱商事株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月12日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
三菱商事は、天然ガス・LNG開発、金属資源、自動車、食料、都市開発、電力など、多岐にわたる分野で事業を展開する総合商社です。同社グループは、トレーディング、事業投資、事業開発を通じてグローバルに価値を創造しています。
単体従業員数は4,456名、連結従業員数は63,037名です。事業セグメントは地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8つです。
主な国内グループ会社は、三菱商事エネルギー、五十鈴、エムオーテック、メタルワン()、メタルワン特殊鋼などです。
また、メタルワン特殊鋼は、2026年4月1日にメタルワン鉄鋼製品販売との新設合併により、Metal One Nexusへ統合しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
三菱商事は、多様な事業領域でグローバルに展開する総合商社として、社員一人ひとりの成長と活躍を重視する企業文化を持っています。長期的な視点での人材育成と、成果に応じた公正な評価・報酬制度を通じて、社員がやりがいを持って挑戦できる環境が整えられています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員が長期的にキャリアを形成し、専門性を高めていく傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して働き続ける社員が多いことがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 21,125,472円 |
| 平均勤続年数 | 17年7ヶ月 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 4,456人 |
| 連結従業員数 | 63,037人 |
| 単体のグループ内比率 | 7.1% |
退職給付制度として、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
三菱商事は、人材を最大の資産であり、価値創出の源泉と位置づけています。経営戦略「ERC -Enhance × Reshape × Create-の好循環モデル」の推進において、多様性に裏打ちされた「総合力」を発揮する「要」として人材を重視しています。
人事制度は、個人のキャリアステージに応じた多様な経験を通じて「経営マインドをもって事業価値にコミットする人材」を輩出することを主眼としています。具体的には、段階的な人材育成を主軸とした「資格制度」と、職務に応じて報いる「職務給制度」を組み合わせたハイブリッド型を採用しています。報酬制度は、能力・職務・成果・業績に応じて報いることを基本とし、市場競争力のある水準を維持しつつ、業績に応じた支給原資の変動や、一定資格以上における株式交付制度を導入しています。
同社は10年後を見据えたMC HR Vision「DEAR」(多彩・多才な人材を活かし、育て、報いる)を掲げ、各種施策を推進しています。「D:Diversity」では、国内外の学生やプロフェッショナルを対象とした採用手法の多様化・高度化、およびグローバルタレントマネジメントに取り組んでいます。「E:Energize」では、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進や女性活躍推進に向けたマイルストーン・施策を実行しています。「A:Accelerate」では、AI人材育成プログラムの拡充や、公募型異動制度「Career Choice」、社内複業制度「Dual Career」などを通じたキャリア自律支援を行っています。「R:Reward」では、連結ベースで重要な役割を担う「重要職務就任者」を対象とした面談を通じて、人材の可視化と次世代育成に繋げています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、育児休業等と育児目的休暇の取得割合であり、前連結会計年度以前に出生した子に係る取得者も含まれるため、100%を超える場合があります。男女賃金差異は、一般職を希望する女性が多いことや、過去の総合職採用における女性比率の低さが要因として挙げられています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 13.1% |
| 男性育児休業取得率 | 171.7% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 65.2% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 61.5% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 64.7% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 三菱商事エネルギー
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 4.3% |
▼ メタルワン
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 6.9% |
| 男性育児休業取得率 | 53.3% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 58.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 63.1% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 57.5% |
▼ 朝日機材
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 1.2% |
| 男性育児休業取得率 | 16.7% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 57.3% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 71.6% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 57.5% |
D・“Diversity /多彩・多才な人材”
| 指標名 | 実績 |
|---|---|
| キャリア採用数 | 68名 |
| キャリア採用女性率 | 25.0% |
| 新卒採用女性率 | 36.0% |
| 外国人管理職比率 | 17.3% |
| 障がい者雇用率 | 2.65% |
E・“Energize /活かす”
| 指標名 | 実績 |
|---|---|
| 社員エンゲージメント度数(KPI) | 77% |
| 社員を活かす環境度数(KPI) | 73% |
| 女性部長職層比率 | 3.4% |
| 女性部長候補者層比率 | 10.1% |
| 有給休暇取得率 | 73.1% |
| 定期健康診断受診・実施率 | 100% |
| 当社グループ企業(国内)における法定定期健診実施率 | 100% |
| 労働災害度数率 | 0 |
| 連結労働災害度数率 | 1.31 |
A・“Accelerate /育てる”
| 指標名 | 実績 |
|---|---|
| 人的資本投資額 | 37.1億円 |
| リーダーシップ開発関連研修受講者数 MC Leading Change Program(本店、国内・海外拠点、連結向け) | 40名 |
| リーダーシップ開発関連研修受講者数 MC経営塾(部長・事業会社経営幹部向け) | 25名 |
| リーダーシップ開発関連研修受講者数 リーダーシッププログラム(first,middle,executive) | 371名 |
| リーダーシップ開発関連研修受講者数 新任管理職研修(マネージャー・事業会社課長向け) | 188名 |
| リーダーシップ開発関連研修受講者数 インストラクター研修(新人教育担当向け) | 151名 |
| DX人材育成研修受講者数 「MC Innovation Lab(MIL) for Executive」の累計受講者数 | 700名 |
| DX人材育成研修受講者数 「MIL for Manager」の受講者数 | 45名 |
| 成長対話満足度 | 73.2% |
| キャリア自律施策における、公募案件数・応募者数 公募案件 | 108件 |
| キャリア自律施策における、公募案件数・応募者数 応募者数 | 94名 |
| キャリア自律施策における、公募案件数・応募者数 異動・複業者数 | 32名 |
R・“Reward /報いる”
| 指標名 | 実績 |
|---|---|
| 重要職務数 | 約700ポスト |
| 重要職務就任者面談者数 | 約780件/累計 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
三菱商事は、多岐にわたる事業領域で活動する総合商社です。複数の営業グループに区分された事業部門と、その直轄の関係会社が連携し、グローバルにビジネスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、商品やサービスの性質に応じて事業を複数のセグメントに区分し、それぞれの事業を推進しています。連結子会社は833社、持分法適用会社は349社にのぼります。収益は日本が最大ですが、アメリカ、シンガポール、オーストラリア、オランダなど海外からの収益も大きく、グローバルな事業展開を行っています。特定の単一顧客や顧客グループ、政府機関への収益集中はありません。
金属資源
銅、原料炭、鉄鉱石、アルミ、リチウム、ニッケルといった金属資源への投資・開発事業に取り組んでいます。グローバルネットワークを活用し、鉄鋼原料や非鉄原料・製品の供給体制を強化しています。収益は、これらの金属資源の取引や投資活動から得ています。
地球環境エネルギー
天然ガス・液化天然ガス(LNG)の開発・生産事業やLPG・石油製品事業を展開しています。次世代エネルギー事業の開発にも積極的に取り組んでいます。収益は、エネルギー資源の生産、取引、および関連事業から得ています。
S.L.C.
各地域や国の社会課題、生活者のニーズに応じた多様なC2B(Consumer to Business)事業を立ち上げています。金融、デジタル、物流などのB2B事業と有機的に連携させることで、豊かな社会と生活者のより良い暮らしの創造を目指しています。収益は、これらの多角的なサービス事業から得ています。
社会インフラ
国内外での都市開発・運営、不動産開発・運用、データセンター、船舶、宇宙航空機、産業機械、エネルギーインフラ事業などに取り組んでいます。収益は、インフラ関連プロジェクトへの投資や運営、不動産事業などから得ています。
食品産業
食料、生鮮品、生活消費財、食品素材などの「食」に関わる分野で幅広く活動しています。原料の生産・調達から製品製造に至るまでの多様な領域において、販売取引、事業投資、事業開発を行っています。収益は、食品関連のサプライチェーン全体における取引や事業投資から得ています。
モビリティ
自動車の生産・販売・販売金融・アフターサービスといったバリューチェーン事業を展開しています。移動に関する社会課題を解決するモビリティサービスや、EV・バッテリーを起点としたモビリティ関連事業にも取り組んでいます。収益は、自動車関連事業および新たなモビリティサービスの提供から得ています。
電力ソリューション
国内外の産業基盤である電力関連事業における幅広い分野に取り組んでいます。具体的には、発電事業、電力トレーディング、電力小売事業に加え、送電事業や水素エネルギー開発などを行っています。収益は、電力の供給、取引、および関連するインフラ事業から得ています。
マテリアルソリューション
資源素材、鉄鋼製品、機能素材、石油化学、基礎化学など多岐にわたる素材関連分野で事業を展開しています。トレーディング、事業投資、事業開発などを通じて収益を上げています。収益は、各種素材の取引や関連事業への投資から得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの収益は、直近5年間で変動が見られます。当連結会計年度の収益は前期から増加した一方、親会社の所有者に帰属する当期純利益は減少しました。売上総利益も前期から減少しています。
当連結会計年度の収益は、ローソン持分法適用会社化に伴う減少があったものの、市況上昇により増加しました。売上総利益は、ローソン持分法適用会社化に伴う減少が主な要因となっています。親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度に計上したローソン持分法適用会社化に伴う再評価益の反動などが影響し、減少となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 収益 | 17兆2,648億円 | 21兆5,720億円 | 19兆5,676億円 | 18兆6,176億円 | 18兆9,160億円 |
| 売上総利益 | 2兆1,508億円 | 2兆5,600億円 | 2兆3,597億円 | 1兆8,364億円 | 1兆6,551億円 |
| 売上総利益率 | 12.5% | 11.9% | 12.1% | 9.9% | 8.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 9,375億円 | 1兆1,807億円 | 9,640億円 | 9,507億円 | 8,005億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 211.69 | 269.76 | 230.10 | 236.97 | 210.92 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり収益(連結)は、当連結会計年度に300.1百万円となり、前期の300.0百万円からわずかに増加しました。これは、従業員数が増加する中で収益も伸びたことを示しています。
一方、従業員1人あたり売上総利益(連結)は、当連結会計年度に26.3百万円となり、前期の29.6百万円から減少しました。これは、売上総利益の減少が影響していると考えられます。これらの指標は、同社グループの事業規模と従業員一人ひとりの貢献度を測る上で参考となります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり収益(連結) | 300.0百万円 | 300.1百万円 |
| 従業員1人あたり売上総利益(連結) | 29.6百万円 | 26.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの経営の安定性を評価する上で、財務基盤とキャッシュフローの状況は重要な指標となります。本業で得た資金をどのように事業に投じ、将来の成長に繋げているかを確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、手元資金は増加傾向にあり、潤沢な水準を維持しています。これらの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも繋がる基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 9兆3,687億円 | 9兆4,406億円 |
| 自己資本比率 | 43.6% | 39.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.3% | 8.5% |
| 現金及び現金同等物 | 1兆5,366億円 | 1兆8,415億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期も1兆4,900億円のプラスを確保しており、安定した収益力を示しています。前期からは減少していますが、法人所得税の支払額増加や営業収入の減少が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、設備投資や持分法投資の取得により資金が減少しており、前期よりもマイナス幅が拡大しています。これは、将来の成長に向けた積極的な投資を継続していることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得による減少があったものの、社債・借入による調達増加により、前期よりもマイナス幅が縮小しました。結果として、フリーキャッシュフローは1兆415億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この安定した資金の流れは、同社グループが持続的な成長を追求し、従業員の雇用や給与の安定性にも繋がる健全な財務運営を行っていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1兆6,583億円 | 1兆4,900億円 |
| 投資CF | △2,739億円 | △4,486億円 |
| 財務CF | △1兆5,307億円 | △8,047億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1兆3,844億円 | 1兆415億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、世界的なマクロ経済環境の変化による影響を受けるリスクを認識しています。米中対立や地政学リスク、通商・金融政策の動向など、不確実性の高い状況が経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー資源や金属資源の価格変動、外貨建て取引や海外事業投資における為替レートの変動も、同社グループの業績に大きな影響を与える市場リスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
三菱商事は、多様な事業をグローバルに展開し、社会や産業の課題解決に挑むことを目指す企業です。
変化の激しい事業環境において、総合力をエンジンに未来を創ることを掲げています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
三菱商事は、2025年4月に「経営戦略2027 -総合力をエンジンに未来を創る-」を策定し、中長期的な経営方針としています。
同社グループが目指す姿は、多様性に裏打ちされた「総合力」を発揮し、最適な事業ポートフォリオを構築することで、持続的な成長と企業価値向上を実現する企業です。
「総合力」とは、多様な事業をグローバルに展開し、多彩な人材が深く関与することで信用・信頼を築き、幅広い産業知見と深いインサイトを蓄積し、時代の変化を先取りして柔軟に事業戦略を進化させる力と定義されています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
三菱商事の企業理念である「三綱領」は、事業を通じて豊かな社会の実現と地球環境の維持に貢献することを掲げています。
同社グループは、事業活動を通じて解決すべき重要な社会課題を「マテリアリティ」と位置づけ、共創価値を創出しながら社会と共に成長することを目指しています。
また、人的資本に関する10年後を見据えたMC HR Vision「DEAR」を策定しており、「多彩・多才な人材がつながりながらやりがいと誇りをもって、社会や産業の課題解決に挑む会社」を目指すことを指針としています。
「DEAR」は、「Diversity /多彩・多才な人材」、「Energize /活かす」、「Accelerate /育てる」、「Reward /報いる」の4つのコンセプトで構成されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、地政学リスクや経済情勢リスク、脱炭素への動き、AIの急速な発展など、不確実性の高い事業環境に直面しています。
このような環境下で、既存事業の収益基盤強化と案件創出に取り組む方針です。
中長期的な成長実現のため、従来の循環型成長モデルを「磨く(Enhance)」「変革する(Reshape)」「創る(Create)」に再定義し、同社グループの競争優位性である総合力を強化する施策を推進しています。
翌連結会計年度からは地球環境エネルギーグループと電力ソリューショングループを統合し、「エネルギー&パワーソリューショングループ」を設立することで、8グループ体制から7グループ体制へと改編します。
これにより、エネルギートランジション期の多様なニーズに応え、最適なソリューションを提供することを目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
三菱商事は、経営における監督と執行の分離を進め、実効性の高い監督体制を構築しています。取締役会による充実した審議を通じて、経営の健全性、透明性及び効率性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行をはじめとする信託銀行や海外の金融機関が上位を占める構成となっています。複数の機関投資家が主要株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 16.65% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505104(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 10.91% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は15名(男性11名・女性4名)で構成され、女性役員比率は26.7%です。代表取締役社長は中西勝也氏が務めています。社外取締役比率は46.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中西 勝也 | 代表取締役 社長 | 1985年4月同社入社、執行役員中東・中央アジア統括、常務執行役員電力ソリューショングループCEOを経て、2022年4月より社長、2022年6月より取締役社長現職。 |
| 野内 雄三 | 代表取締役 | 1987年4月同社入社、執行役員主計部長、常務執行役員コーポレート担当役員(CFO)を経て、2026年4月より取締役現職。 |
| 野島 嘉之 | 代表取締役 常務執行役員General Counsel コーポレート担当役員 (総務、法務)チーフ・コンプライアンス・オフィサー 緊急危機対策本部長 | 1988年4月同社入社、執行役員法務部長、常務執行役員コーポレート担当役員(総務、法務)を経て、2026年4月より取締役常務執行役員、General Counsel、コーポレート担当役員(総務、法務)、チーフ・コンプライアンス・オフィサー、緊急危機対策本部長現職。 |
| 垣内 威彦 | 取締役会長 | 1979年4月同社入社、執行役員農水産本部長、常務執行役員生活産業グループCEO、社長を経て、2022年4月より取締役会長現職。 |
| 塚本 光太郎 | 取締役 | 1985年4月同社入社、執行役員鉄鋼製品本部長、常務執行役員総合素材グループCEO、副社長執行役員社長補佐を経て、2026年4月より取締役現職。 |
| 柏木 豊 | 取締役 | 1986年4月同社入社、執行役員環境事業本部長、常務執行役員コーポレート担当役員(国内開発)、関西支社長を経て、2026年4月より取締役現職。 |
社外取締役は、宮永俊一氏(元三菱重工業取締役社長・コーポレートガバナンス・指名委員会委員)、秋山咲恵氏(㈱サキコーポレーションファウンダー・コーポレートガバナンス・指名委員会委員・報酬委員会委員長)、鷺谷万里氏(元㈱セールスフォース・ドットコム常務執行役員・コーポレートガバナンス・指名委員会委員)、小木曾麻里氏(㈱SDGインパクトジャパン代表取締役社長・コーポレートガバナンス・指名委員会委員・報酬委員会委員)、立岡恒良氏(元経済産業事務次官・コーポレートガバナンス・指名委員会委員・報酬委員会委員)、佐藤りえ子氏(石井法律事務所パートナー・コーポレートガバナンス・指名委員会委員)、中尾健氏(㈱パートナーズ・ホールディングス代表取締役社長・コーポレートガバナンス・指名委員会委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営における監督と執行の分離を進め、実効性の高い監督体制を構築しています。社外取締役が過半数を占めるコーポレートガバナンス・指名委員会を設置し、経営の健全性、透明性及び効率性の確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主との価値共有と中長期的な企業価値向上を目的として設計されています。報酬水準は役員の機能・役割に応じたものとし、報酬ガバナンスは社外取締役が過半数を占める報酬委員会で継続的に審議・モニタリングされています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | - | 24.2億円 | - |
| 社外取締役(監査等委員を除く) | - | 1.7億円 | - |
| 監査等委員(社外除く) | - | 1.7億円 | - |
| 社外取締役(監査等委員) | - | 1.4億円 | - |
なお、表中の報酬等のほか、業績連動賞与(中長期)の2024年度分は現時点で金額が確定していないため表には含まれていません。また、退任した役員に対して役員年金が支給されており、当連結会計年度の支給総額は取締役30名に対し48百万円、監査役4名に対し3百万円となっています。
個人別報酬が開示されている役員は、垣内威彦氏(3.35億円)、中西勝也氏(10.06億円)、塚本光太郎氏(3.51億円)、柏木豊氏(2.66億円)、野内雄三氏(2.66億円)、野島嘉之氏(2.66億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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