2021年06月21日

【面接対策】日本生命(ニッセイ)の中途採用面接では何を聞かれるのか

生命保険業界トップの日本生命(ニッセイ)への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。


日本生命の採用面接前に知っておくべきこと

社風への理解

1889年「有限責任日本生命保険会社」として設立。今では当たり前になった平均寿命などを考慮した年齢別の保険料の設定や、剰余金が発生した場合の契約者への配当などを国内で最初に実施しました。日本で3番目にできた生命保険会社ですが、創業10年目の1899年には保有契約高が第一位に。以降現在に至るまで、常に業界のリーディングカンパニーとして君臨し続けています。

その背景には、どのような環境下でも「契約者に対する経済的保障責任を誠実に果たすことを第一義とする」といった、顧客第一主義の経営理念があります。その取り組みの一つとして、顧客から直接要望や意見を聞くための懇親会を全国で実施。その声を可能な限り経営に活かし、結果を顧客に報告する流れで、理念を実現しています。

一方、「顧客第一主義」をかたくなに守ろうとするがゆえ、時にベテラン社員から後輩社員への要求が厳しくなることがあるのか、「昭和の体質が根強く残っている」「上司も休まないため休みづらい」「基本的に上の言うことは絶対」など、高度経済成長期時代の労働環境を彷彿させるような口コミが見られます。しかし、「そういう環境だからこそしっかりとした仕事の仕方を学べる」、「いざというとき助けてもらえる」といった声もあります。

先輩社員から吸収できることを積極的に吸収しながら、どのような困難な場面でも顧客第一主義を貫く。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。

選考は何次まで?

採用手法や応募部署などにより若干異なりますが、基本的に面接は3~4回で、1回目は若手社員、2、3回目は中堅社員やベテラン社員、最終は役員クラスとなります。その間計算試験が実施されることもありますが、小中学校レベルの簡単なものなので、特別な前準備は必要ないでしょう。

中途採用の募集職種は主に、コンサルティング営業業務を行う「サービスコーディネーター」「ニッセイトータルパートナー」、代理店の各種フォローを行う「エージェンシーパートナー」、リーテイル部門・ホールセール部門・運用部門・海外事業部門・スタッフ部門などで専門的な業務を行う「総合職」の4つ。

職種に関わらず、長くやっていけるか、保険業界で大丈夫かといったことを念押しされたという口コミが多くありました。

面接内容の傾向は?

やや昭和的な体質が残る同社ですが、「ほぼ雑談のような感じだったので何を聞かれたのかすら覚えていない」いった声もあるほど、面接は終始なごやかな雰囲気の中行われるようです。質問内容も、「転職理由」や「志望動機」、「自分の長所や短所」など、ごく一般的なものがほとんどですので、基本的なことはしっかりと答えられるようにしておきましょう。

一方、「保険業界は大丈夫ですか」「断られることに慣れていますか」など、保険業界特有の環境の中でやっていく自信があるかといった質問は高確率で投げかけられます。これまで困難を乗り越えてきた経験などを絡めて、面接官を安心させられるような受けえ答えができるようにしておきましょう。

また女性の場合は、「長く働けますか」「出産後も続けられますか」といったことも確認されます。企業はできるだけ長く働いてくれる人材を望むため、「出産後の退職を考えている」という答えは、残念ながら不利に働きます。どうしてもの場合は正直に伝えるしかありませんが、同社は育児休暇や時短勤務を利用しやすく、実際それらを活用し、働き続ける女性社員も多くいます。そういった制度を利用するなどして仕事を長く続けたい気持ちであることはアピールしたいところです。

日本生命の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。

日本生命の面接攻略法(面接対策)

日本生命の中期経営計画を理解した上で自己分析をする

日本生命の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが大切です。現在同社では、2017年から2020年の中期経営計画「全・進-next stage-」を進行中。計画の内容を理解しやすいよう、経営基本理念もご紹介します。

経営基本理念
共存共栄、相互扶助の精神にもとづく生命保険事業は、国民の福祉と密接に関連し、また、事業の繁栄は、国民の深い理解と信頼の上にはじめて可能であることにかんがみ、われわれは、信念・誠実・努力の信条のもとに、国民生活の安定と向上に寄与することを固く決意し、ここに経営の基本理念を定める。

(1)国民各層が真に求める保険を提供し、充実したサービスを行ない、契約者に対する経済的保障責任を誠実に果たすことを第一義とする。
(2)生命保険事業の公共性を自覚し、適正な資産の運用を行なうとともに、広く社会の福利増進に尽力する。
(3)英智にもとづく創造性と確信にみちた実行力とをもって、経営の生産性をたかめ、業績のあらゆる面における発展を期する。
(4)会社の繁栄とともに、全従業員の生活の向上をはかり、また、すぐれた社会人としての資質の育成につとめる。
(5)生命保険業界の一員として、自主性のある協調の立場に立ち、保険思想の普及と、業界全般の進歩発展に貢献する。

経営戦略「全・進-next stage-」は、今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこれに合致する人材であることをアピールしましょう。

「全・進-next stage-」は、超低金利の厳しい環境の中でも収益向上を目指し、確実に保障することを目的とした計画です。「顧客第一主義」の経営基本理念をベースにしていますので、まずは顧客の立場に立って誠実に対応できる人材であるかどうかが大切なポイントでしょう。

一方で、顧客第一主義で確実な保障責任を果たすべきだからこそ、一層の収益力の強化を目指します。計画の中でも、「お客様ニーズと収益性を両立する保険商品開発・販売」を目標のひとつとして明記しています。応募職種が営業部門であれば、設定された目標額を達成できる力があるか、あるいは達成しようとする熱意があるかは、面接官が最も気にするところです。

とはいえ、数字ばかりに意識がいくと、顧客の利益を無視した独りよがりな営業になる恐れがあります。顧客のニーズを丁寧に引き出してそれに応じた最適な商品を提案し、その後も細やかなフォローをする「誠実な姿勢」が、結果的に安定した営業成績へとつながることは面接官も知っています。

従ってヒアリング力や共感力、提案力といったコミュニケーション能力が求められます。また、商品知識はもちろん、社会の流れなどを積極的に学ぼうとする勤勉さもアピールしたいところです。

「なぜ日本生命に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

日本生命の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ日本生命か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

業界理解や職種理解の枠を超えて、日本生命という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

●第一生命保険株式会社
● 明治安田生命保険相互会社
● 住友生命保険相互会社
● 株式かんぽ生命保険

日本生命の採用面接で実際に聞かれた質問内容

このように、日本生命の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「先輩社員から吸収できることを積極的に吸収しながら、どのような困難な場面でも顧客第一主義を貫く」という社風を意識して、「高いコミュニケーション能力と勤勉さを併せ持つ」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

20代前半女性/代理店営業【結果:入社】

質問

なぜ保険の営業を志望したか。

回答

お客様と長くお付き合いしたい。保険は形がない…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代後半女性/代理店営業【結果:入社】

質問

泥臭い部分もありますが、本当にできますか?

回答

担当する職域のお客様に日々お声かけをしていく…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代後半女性/代理店営業【結果:入社】

質問

前職において、困難に直面した際の対処方法。

回答

目標数字が達成できない時期、現状に腐ることなく…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代前半女性/コンサルティング営業【結果:入社】

質問

日本生命の保険をご家族、友人にすすめることはできますか?

回答

良い商品でありその保険が家族や友人に…(口コミの続きとアドバイスを見る

日本生命の採用面接に向けて

日本生命の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

● 「先輩社員から吸収できることを積極的に吸収しながら、どのような困難な場面でも顧客第一主義を貫く」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。

●現在進行中の中期経営計画「全・進-next stage-」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる 。

●競合他社についても研究し、「なぜ日本生命か」に対する答えを明確にしておく。

これらについてしっかりと準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。

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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。


この記事の執筆者

関西学院大学商学部卒。証券会社営業などを経て現在はフリーランスで活動。保険、年金、投資など幅広いジャンルに対応。2級FP技能士。