※本記事は、株式会社パソナグループ の有価証券報告書(2026年5月期、2025年6月1日 ~ 2026年5月31日、2026年8月14日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
パソナグループは持株会社であり、単体従業員数は795名、グループ連結従業員数は9,028名です。
同社グループは、連結子会社66社および持分法適用関連会社4社で構成されており、人材関連事業や地方創生事業などを展開しています。BPOソリューション、エキスパートソリューション、キャリアソリューションといったHRソリューションを主軸に、グローバルソリューション、ライフソリューション、地方創生・観光ソリューションの6つのセグメントで多角的なサービスを提供しています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)パソナ、ニジゲンノモリなどです。
2026年6月1日付でCCHサウンドの株式を追加取得し子会社化、商号をパソナCCHサウンドに変更しました。また、同年7月1日付で地方創生の商号をパソナ地方創生に変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に仕事を選択できる社会を目指しています。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す多様な働き方やキャリア構築の支援、安心して働ける職場環境づくりを重視しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が自律的なキャリアを築き、能力を最大限に発揮できる環境づくりに力を入れています。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的若年層から中堅層までが活躍し、一定の定着傾向が見られます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,497,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.2年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 795人 |
| 連結従業員数 | 9,028人 |
| 単体のグループ内比率 | 8.8% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 株式会社パソナ | 40.8歳 | 11.4年 | 6,282,000円 |
| 株式会社パソナ日本総務部 | 48.2歳 | 13.8年 | 5,802,000円 |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
これらの制度は、同社および一部の国内連結子会社、ならびに一部の海外連結子会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は76.8億円、年金資産は99.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に才能を活かして活躍できる社会の実現を目指しています。従業員一人ひとりの能力を最大化する多様な働き方やキャリア構築の支援、安心して働ける職場環境づくりを推進することで、持続的な発展と企業価値向上につなげています。
中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」では、「未来をともに創る人財の発掘」「新たな価値を生み出す人財の育成」「多様な人財が活躍できる環境づくり」の3つの柱を掲げ、人財育成を推進しています。報酬及び賃金水準は、法令遵守を前提に、職務・役割、専門性、成果、市場水準、社内の公平性を踏まえ総合的に決定されます。昇給・昇格は、期待役割、評価、組織業績、専門性、職能、職位などを総合的に勘案し、職能・職位の二職制を採用しています。
MBO制度を導入し、「業績」と「行動指針」の2軸で評価を行い、賞与はMBO評価結果に加え、会社業績・個人業績等を考慮して支給されます。営業部門ではインセンティブも導入されており、成果と行動の両面から評価・処遇を行うことで、中長期的な企業価値創出につながる行動も重視する制度設計となっています。具体的な取り組みとしては、エキスパート職制度の改定・拡充、タレントマネジメントシステムの基盤強化による最適配置の実現、DX人財育成プログラム、未経験からエンジニア職へ育成する「Engineer-Pass」プログラムなどがあります。
また、新規事業提案プロジェクト「Design the NATUREVERSE Action」や、経営トップと従業員との対話の場「タウンホールミーティング」の開催を通じて、イノベーション創出や企業理念の浸透を図っています。健康経営推進体制を整備し、「健康経営銘柄」に2年連続3回選定されるなど、従業員がイキイキと活躍できる環境づくりにも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の基準日は2026年5月31日、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異の対象期間は2025年6月1日から2026年5月31日です。短時間勤務制度を利用する女性比率が高いこと、管理職を含む上位の等級における男性の比率が高いこと等により、男女一人当たりの賃金に差が生じています。またパート・有期労働者においても、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や職務内容等が異なるため、平均給与に差が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 57.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 83.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 84.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 72.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社パソナ
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の基準日は2026年5月31日、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異の対象期間は2025年6月1日から2026年5月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 59.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 89.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 72.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 81.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 70.0% |
▼ ビーウィズ株式会社
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の基準日は2026年5月31日、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異の対象期間は2025年6月1日から2026年5月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 68.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 86.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 90.5% |
▼ 株式会社パソナ日本総務部
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の基準日は2026年3月31日、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異の対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 16.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 86.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 74.2%
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社パソナグループは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を策定し、多岐にわたる人材関連事業や地方創生事業を展開しています。同社グループは、社会課題の解決と新たな価値創造を目指し、多様なソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、BPOソリューション、エキスパートソリューション、キャリアソリューション、グローバルソリューション、ライフソリューション、地方創生・観光ソリューションの6つのセグメントで事業を展開しています。これらの事業を通じて、企業や個人の多様なニーズに応えるサービスを提供し、収益を上げています。
収益モデルは、顧客からの業務受託や人材派遣、人材紹介、子育て支援サービスの提供など、多角的なサービス提供に基づいています。各セグメントは、それぞれの専門性を活かしたサービスを展開し、顧客との契約を通じて収益を認識しています。
BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)
このセグメントは、顧客からの業務受託・請負サービスと人材派遣サービスを提供しています。BPOサービスでは、総務・庶務、経理・財務、人事・労務などの業務を同社グループが受託し、効率的な業務処理を実現しています。エキスパートソリューションでは、オフィスワークから専門スキルを持つ人材まで、幅広い職種の人材を企業へ派遣しています。
収益は、BPOサービスにおいては業務の完成やサービス提供期間に応じた対価から、人材派遣サービスにおいては稼働時間に応じた対価から得ています。
キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)
このセグメントでは、企業の中途採用活動を支援する人材紹介事業と、退職者や退職予定者のキャリア形成を支援する再就職支援事業を展開しています。人材紹介では、顧客企業が求める人材を紹介し、入社が決定した時点で収益を認識しています。再就職支援では、サービス提供期間にわたり定額で収益を認識しています。
収益は、人材紹介においては紹介者の入社時点での成功報酬から、再就職支援においては契約期間に応じたサービス対価から得ています。
グローバルソリューション(海外人材サービス)
海外市場において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修など、幅広い人材関連サービスを提供しています。各国の採用市場や企業ニーズに応じたサービスを展開し、グローバルな事業拡大を図っています。
収益は、各国のサービス提供形態に応じた対価から得ています。
ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)
このセグメントは、認可・認証保育所や学童保育施設の運営、児童教育などの子育て支援事業、家事代行などのライフサポート事業、デイサービスや訪問介護などの介護事業を展開しています。地域社会のニーズに応じた多様な生活支援サービスを提供しています。
収益は、保育園の運営や家事代行サービス、介護サービスの提供に応じた対価から得ています。
地方創生・観光ソリューション
地域住民や企業、地方自治体と連携し、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生・観光事業に取り組んでいます。兵庫県淡路島の「ニジゲンノモリ」をはじめとするアミューズメント事業や宿泊事業、飲食事業などを展開し、地域活性化に貢献しています。
収益は、飲食、アミューズメントサービス、宿泊サービスの提供に応じた対価から得ています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が収益の大部分を占める構造となっています。
| セグメント | 売上高(2025年5月期) | 売上高(2026年5月期) |
|---|---|---|
| BPOソリューション、エキスパートソリューション | 2,693億円 | 2,662億円 |
| キャリアソリューション | 145億円 | 140億円 |
| グローバルソリューション | 111億円 | 117億円 |
| ライフソリューション | 81.0億円 | 92.0億円 |
| 地方創生・観光ソリューション | 61.8億円 | 73.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも直近2期は減少傾向にあります。経常利益は前期に黒字転換し、親会社株主に帰属する当期純利益は直近2期連続で損失を計上していますが、当期は前期から損失幅が縮小しました。
営業利益は直近2期連続で損失を計上していますが、当期は前期から損失幅が改善しています。これは、BPOソリューションの大型案件ピークアウトやキャリアソリューションの営業効率低下による減収があった一方で、ライフソリューションや地方創生・観光ソリューションが好調に推移したためです。
また、売上総利益率の改善や大阪・関西万博での協賛金収入などにより、利益面では改善の動きが見られます。
| 項目 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,661億円 | 3,726億円 | 3,567億円 | 3,092億円 | 3,085億円 |
| 経常利益 | 225億円 | 154億円 | 71.5億円 | △4.6億円 | 1.4億円 |
| 経常利益率 | 6.1% | 4.1% | 2.0% | △0.1% | 0.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 86.2億円 | 61.0億円 | 959億円 | △86.6億円 | △33.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 220.19 | 155.70 | 2,447.56 | △221.80 | △90.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに減少しました。これは、連結売上高が前期比で減少したことによる影響と考えられます。
一方で、従業員1人あたりの営業利益は、前期と同様に損失を計上していますが、損失幅は改善しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示すものとして注目されます。
| 指標 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 34.8百万円 | 34.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.1百万円 | △0.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動を通じて資金を創出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。財務基盤の状況や資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は53.9%となっており、前期の50.9%から上昇しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)はマイナス2.6%で、前期のマイナス6.1%から改善傾向にあります。手元資金である現金及び預金は768億円となっています。これらの数値は、同社グループの財務の健全性や収益性を判断する上で重要な要素です。
| 指標 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,411億円 | 1,329億円 |
| 自己資本比率 | 50.9% | 53.9% |
| ROE(自己資本利益率) | -6.1% | -2.6% |
| 現金及び預金 | 1,248億円 | 768億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは29億円の増加となりました。これは前期の43億円の増加から減少しています。投資活動によるキャッシュフローは273億円の減少となり、前期の476億円の減少に続き、引き続き積極的な投資を行っている状況です。その結果、フリーキャッシュフローは244億円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは1億円の増加となり、前期の151億円の減少から増加に転じました。
これらの資金の流れは、同社グループが事業活動で得た資金を上回る規模で、将来に向けた投資を継続していることを示しています。この状況は、同社グループが成長フェーズにあることを示唆しており、将来的な事業拡大や雇用機会の創出につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年5月期(前期) | 2026年5月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 43億円 | 29億円 |
| 投資CF | △476億円 | △273億円 |
| 財務CF | △151億円 | 1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △433億円 | △244億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとしては、事業投資に伴う減損会計や企業買収に関するリスクが挙げられます。成長戦略に伴う各種事業投資が想定通りに進捗しない場合、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、生成AIを含むAI技術及びデジタル技術の急速な進展により、人材サービス及びBPOサービスの需要構造が変化し、既存サービスに対する需要の減少や競争環境の変化が生じるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの人材・組織に関するリスクとして、事業環境の変化に対応し持続的な成長を実現するために必要な人材を適時十分に確保できない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
パソナグループは、「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、人々の心豊かな生活を創造する「ライフプロデュース」を追求しています。多様な働き方を支援し、誰もが自由に仕事を選択できる社会の実現を目指す、ソーシャルソリューションカンパニーとしての姿勢が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
パソナグループは「社会の問題点を解決する」という企業理念を掲げ、創業以来、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られる社会インフラの構築を目指しています。同社グループの仕事は「人を活かす」ことであり、人々の心豊かな生活を創造する「ライフプロデュース」を追求しています。
また、中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」では、これまでの事業ノウハウとネットワークを礎に、新たな「Well-being産業」を創造する方針です。あらゆる人々の「からだの健康・こころの健康・社会の健康」が実現した「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」の世界を目指しています。NATUREVERSEとは、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながることで、一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingが実現した真に豊かな世界を指します。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
パソナグループでは、「パソナグループ 企業行動憲章」を定め、経営トップ以下、全役員・従業員が行動指針として共有しています。また、同社グループの芯を示す「Pasona Way」を行動指針としており、全役職員が創業の精神を継承し、ぶれない判断の軸として共有しています。
同社グループは、役職や入社年次に関わらず社会課題について議論し、その解決に向けた具体的な提言を行う社内組織として「パソナ・シャドーキャビネット」を発足しています。さらに、創業50周年を機に、全役職員が創業の精神に立ち返り、自律的にイノベーションを生み出す組織風土を醸成する新規事業提案プロジェクト「Design the NATUREVERSE Action」を実施しました。
これらの取り組みを通じて、同社グループは組織や事業の枠を超えた人財の成長機会を創出し、グループが一体となって事業価値を生み出す「One PASONA」の実践を目指すカルチャーが形成されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
パソナグループは、国内の生産年齢人口減少や人々の価値観・ライフスタイルの多様化、AI等のデジタルテクノロジーの進化による働き方の変化を経営環境として認識しています。これらの課題に対し、同社グループは、これまで培ってきた事業領域でより高付加価値なサービスを提供し、収益構造の改革に取り組んでいます。
人生100年時代における個々人の健康を支え維持する取り組みを重要なテーマと捉え、新たなWell-being産業を創造することで社会課題の解決と事業成長を目指しています。具体的には、HRソリューションの成長とWell-being事業の促進を図っています。
また、収益構造の改革として、全社コストの課題抽出と見直し、コストコントロールの徹底に取り組んでいます。新規事業投資やM&A投資等の成長投資、経営基盤の強化、株主還元を通じて中期VISIONの達成を目指す方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
パソナグループは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監査・監督機能の強化と迅速な意思決定による経営効率の向上を目指しています。これにより、中長期的な企業価値向上を実現するガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
パソナグループの株主構成を見ると、筆頭株主は個人である南部靖之氏です。また、株式会社南部エンタープライズも上位株主として名を連ねており、創業家またはその関連会社が主要な株主として同社グループを支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 南部 靖之 | 38.93% |
| 南部エンタープライズ | 8.79% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.29% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.66% |
| 日本カストディ銀行(信託E口) | 2.40% |
なお、Oasis Management Company Ltd.は2026年5月14日現在で76,804株(0.19%)を所有している旨が変更報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役会長CEOは若本博隆氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 若本 博隆 | 代表取締役会長CEO | 1984年埼玉銀行入行、1989年テンポラリーセンター入社。同社取締役常務執行役員経営企画部長などを経て、2025年6月代表取締役社長CEOに就任。2025年8月より代表取締役会長CEOを務めています。 |
| 中尾 慎太郎 | 代表取締役社長COO | 1998年パソナ入社。同社取締役執行役員、株式会社パソナ代表取締役社長などを経て、2025年8月より代表取締役社長COOを務めています。 |
| 深澤 旬子 | 取締役副社長執行役員Pasona Way総本部長兼社会貢献室担当 | 1974年三井東圧化学入社、1981年テンポラリーセンター入社。同社取締役専務執行役員人事部・広報室・企画制作室担当などを経て、2024年8月より取締役副社長執行役員Pasona Way総本部長兼社会貢献室担当を務めています。 |
| 山本 絹子 | 取締役副社長執行役員NATUREVERSE総本部長 | 1979年マンパワーセンター入社。同社取締役専務執行役員事業開発部担当などを経て、2024年8月より取締役副社長執行役員NATUREVERSE総本部長を務めています。 |
| 南部 真希也 | 取締役副社長執行役員グローバル戦略総本部長兼国際業務本部長 | 2008年三菱商事入社、2013年パソナ入社。同社取締役常務執行役員国際業務本部長などを経て、2025年8月より取締役副社長執行役員グローバル戦略総本部長兼国際業務本部長を務めています。 |
社外取締役は、舩橋晴雄氏(シリウス・インスティテュート代表取締役・監査等委員)、古川一夫氏(元新エネルギー・産業技術総合開発開発機構理事長・監査等委員)、宮田亮平氏(元文化庁長官・監査等委員)、跡見裕氏(杏林大学名誉学長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化と迅速な意思決定による経営効率の向上を目指しています。独立社外取締役が40.0%を占め、客観的な視点から業務執行に対する適切な監査と監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
パソナグループの役員報酬は、固定報酬と株式報酬で構成されています。監査等委員ではない取締役には、株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬と、中長期的な業績向上への貢献意識を高める業績連動型株式報酬が支給されます。監査等委員である取締役には、固定報酬と譲渡制限付株式報酬が支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 2.2億円 | 43.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 21百万円 | 21.0百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 68百万円 | 17.0百万円 |
同社グループの役員報酬総額は3.05億円であり、対象となる役員は合計10名です。1人あたりの平均報酬額は30.5百万円となっています。
個人別報酬が開示されている役員はいません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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