2021年06月21日

【面接対策】楽天の中途採用面接では何を聞かれるのか

ネット通販では国内双璧、旅行・金融など幅広く展開する楽天への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果などを具体的に問われるほか、キャリアシートでは見えてこない「人間性」も見られます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。


楽天の採用面接前に知っておくべきこと

社風への理解

1997年、三木谷浩史氏が創業した楽天は、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことをミッションとして掲げ、Eコマースから球団経営まで、70以上の革新的なサービスを展開しています。

世の中に新しい価値を提供していく原動力となるのは、創業当時から大切にされている「アントレプレナーシップ(起業家精神)」です。一から新しい事業を立ち上げていくことを風土として定着させるため、楽天では、若手のうちから裁量を与えられ、大きな仕事にチャレンジすることができます。「若くてもたくさんの仕事をまかせられかつスピードも要求される」「とにかくチャレンジができる環境がある」「自由に企画をやらせてくれチャレンジに対して寛容である」と、仕事を通して自分自身の成長を実感する声が多く見られます。

当然、「仕事量が膨大」であり、「量もスピードも要求される」「長時間労働は覚悟しなければならない」と、ハードワークを伺わせる声も目立ちます。特にスピード感については、「求められるスピードはまさに分単位」「業務時間に一切のムダがなく、1つのやり方として完成されている」「目標管理も徹底的に行なわれており、まさにスピードが必要」との声が多く、ベンチャー企業出身ならではの、スピードと成果双方が強く求められる風土であることが分かります。こうした仕事の進め方も、「目標も明確に定められており、周囲の一体感も高く、モチベーションも高い」「ダイナミックさかつスピーディーな環境をも楽しめる人には最高の職場」と、社員の成長モチベーション向上に寄与しているようです。

こうした風土が醸成されたバックグラウンドには、楽天独自の社風があります。「楽天主義」として明文化された行動指針・価値観を全ての従業員が共有していることはもちろん、「朝会」や「自席周辺の清掃」、社内公用語英語化に代表されるよう、独自のカルチャーが強く根付いています。これは、「社長のトップダウンが強い」「社長決定事項は有無を言わさず強制的に実行される」という声からも分かるよう、トップダウン体質故のことであり、カルチャーフィットは絶対条件であると言えます。

「楽天主義」という独自のカルチャーの中で、高い目標達成のために「アントレプレナーシップ(起業家精神)」とスピード感を持ってチャレンジする。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。

選考は何次まで?

楽天の中途採用プロセスは、書類選考後、適性検査と英語試験、論文審査と、3回の面接です。論文審査は、三木谷社長の著書を2冊指定され、それぞれの感想文を1000文字でまとめる、というものです。面接については、1次面接は現場社員のリーダークラス、2次面接は部長クラス、最終面接は役員が担当します。「2次面接では厳しいツッコミ、若干の圧迫も有り」「とにかく突っ込んで聞かれる」との口コミも見られますので、どのような形式の面接であっても、落ち着いて自分の言葉でしっかりと対応できるよう、準備をしておきましょう。

募集職種は、「BUSINESS」「ENGINEERING」「CREATIVE」「CORPORATE」の大きく4つに分類されます。それぞれの職種の中で、事業・サービスや専門領域、職層や勤務地等によって、さらに細分化されており、また同時に3つの職種に応募することが可能となっています。自身のキャリアを振り返った上で、最適な職種はどれかをしっかりと見極め、「なぜその職種に応募したのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。

面接内容の傾向は?

面接内容には、「『楽天主義』という独自のカルチャーの中で、高い目標達成のために『アントレプレナーシップ(起業家精神)』とスピード感を持ってチャレンジする」という社風が大いに反映されています。「三木谷社長のすでに本は読んでいるか?」「三木谷社長が作る独自の企業文化や朝礼、全員清掃といった社風習慣を理解できるか?」「楽天の歴史を簡単にまとめてください」と、カルチャーフィットを確認する質問が多く目立ちます。

また、「将来どのような事業がしたいか?」「世界一を目指すためにあなたができることは?」と、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を持っている人材かどうかも評価のポイントです。そして、「これまでで一番困難にぶつかった時のことを話してください」「過去にやってきたプロジェクトの詳細とその結果について」と、困難な場面に直面しても乗り越えられるか、そして成果を出せる高いビジネススキルを備えた人材かも確認されます。

ビジネススキルとともに確認されるのは、その人間性です。「あなたを都道府県に例えるとどこですか?」「1分間で自己PRしてください」といった質問とともに、「あなたは運がいい人だと思いますか?」も頻出質問です。「この問いにイエスと答えなければ必ず落とされるらしい」との口コミも見られます。

そして、社内公用語英語化された楽天では、英語スキルは必須です。「英語で自己PRして下さい」「なんでもいいから何か英語で話してみて」と、英会話レベルを確認するものから、「英語公用化についてのあなたの意見を教えてください」というカルチャーへの理解や自身の見解を求める質問も見られますので、しっかりと準備をしておきましょう。

楽天の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。

楽天の面接攻略法(面接対策)

楽天の行動指針「楽天主義」を理解した上で自己分析をする

楽天の面接を受ける上では、「楽天主義」と呼ばれる行動指針を理解しておくことが不可欠です。この「楽天主義」は、「楽天グループ企業倫理憲章」「行動規範8ヶ条」「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」「仕事の進め方」の5つで構成されています。採用面接においては、人事評価のコンピテンシー項目としても設定されている、「成功のコンセプト」への理解・共感が重要なポイントとなります。

<成功のコンセプト>
「ブランドコンセプトを実現する」という楽天の掲げる目標に揺るぎはありません。「楽天の目標」への共感度を強め、実現度を高めるために「成功のコンセプト」があります。

●常に改善、常に前進
人間には2つのタイプしかいない。
【GET THINGS DONE】様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する人間。
【BEST EFFORT BASIS】現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間。
一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要。

●Professionalismの徹底
楽天はプロ意識を持ったビジネス集団である。
勝つために人の100倍考え、自己管理の下に成長していこうとする姿勢が必要。

●仮説→実行→検証→仕組化
仕事を進める上では具体的なアクション・プランを立てることが大切。

●顧客満足の最大化
楽天はあくまでも「サービス会社」である。
傲慢にならず、常に誇りを持って「顧客満足を高める」ことを念頭に置く。

●スピード!!スピード!!スピード!!
重要なのは他社が1年かかることを1ヶ月でやり遂げるスピード。
勝負はこの2~3年で分かれる。

これは、楽天の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「楽天主義」における「成功のコンセプト」に合致する人材であることをアピールしましょう。

楽天は、「『楽天主義』という独自のカルチャーの中で、高い目標達成のために『アントレプレナーシップ(起業家精神)』とスピード感を持ってチャレンジする」という社風。これに沿ったエピソードを、「成功のエピソード」の視点も絡めて紹介することで、より強力なアピールになります。

まず、「成功のエピソード」にも含まれているとおり、楽天にとって「スピード」は非常に重要な要素です。そして、「常に改善、常に前進」することにより、確実に目標を達成できる人材であることをアピールする必要があります。例えばこれまで携わったプロジェクトにおいて、高い目標達成のために、どんな困難な場面に直面しても、自ら工夫することで乗り越え、スピード感を持って取り組んできたエピソードを準備するとよいでしょう。そしてその具体的なプロセスについては、「仮説→実行→検証→仕組化」を意識して整理することが重要です。様々な経験を通して、自身に身についたスキルが、楽天の中でどのように活かせるのか、ということを伝えることは、「Professionalismの徹底」の観点でのアピールも可能です。

「なぜ楽天に転職したいのか」の明確化には他社研究を

楽天の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ楽天か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

業界理解や職種理解の枠を超えて、楽天という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

●Amazon.com,Inc

●ヤフー株式会社

●株式会社リクルートホールディングス

楽天の採用面接で実際に聞かれた質問内容

このように、楽天の採用面接を受ける前には、「楽天主義」の行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「『楽天主義』という独自のカルチャーの中で、高い目標達成のために『アントレプレナーシップ(起業家精神)』とスピード感を持ってチャレンジする」という社風を意識して、スピード感とプロフェッショナル意識を高く持ち、どんな困難な場面においても確実に目標を達成できる人材であることを印象付けられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

32歳男性/システムエンジニア【結果:内定を辞退】

質問

三木谷社長の本を読んだか?

回答

答えられるか否かではなく、しっかり反論できるほどの…(口コミの続きとアドバイスを見る

35歳男性/商品企画【結果:3次面接で不採用】

質問

過去にやってきたプロジェクトの詳細とその結果について

回答

成果を問われます…(口コミの続きとアドバイスを見る

27歳男性/システムエンジニア【結果:入社】

質問

あなたは運がいい人だと思いますか?

回答

ちゃんと運がいい方だと思うと答えておけばオーケー…(口コミの続きとアドバイスを見る

29歳男性/経営企画【結果:最終面接で不採用】

質問

英語で自己PRして下さい

回答

想定外のことでうまくアピールできなかった…(口コミの続きとアドバイスを見る

楽天の採用面接に向けて

楽天の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

●「『楽天主義』という独自のカルチャーの中で、高い目標達成のために『アントレプレナーシップ(起業家精神)』とスピード感を持ってチャレンジする」という社風を意識する。そして、スピード感とプロフェッショナル意識を高く持ち、どんな困難な場面においても確実に目標を達成できる人材であることを、自分の言葉でアピールする。

●楽天の行動指針「楽天主義」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。

●競合他社について研究し、「なぜ楽天か」に対する答えを明確にしておく。


これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。

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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。


この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。