2021年06月21日
建築分野でのリーディングカンパニーである、大和ハウス工業への転職。住まいと土地活用を中心に、幅広い事業を手掛けています。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を問われるほか、即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されます。事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。
住宅やビルはもちろん、建築物に関する様々な事業を展開する大和ハウス工業（以下、大和ハウス）。戦後の日本に、「すぐ建てられる丈夫な住宅」を提供しようとプレハブ住宅の原点である「パイプハウス」を提供したのが始まりです。「3時間で建てられる」パイプハウスの大ヒットが住宅の「工業化」を支え、住宅の需要喚起につながりました。この経験から、住宅をお客様と「共に創る」という姿勢が、現在まで受け継がれています。自分の手掛けた建物が完成した時のよろこびはひとしお。仕事の成果を視覚的に体感することができるため、やりがいを実感しやすいのは働くうえで大きなメリットでしょう。
社内にはスポーツをやっていた体育会系の人が多く、体力、やる気重視。実力重視で、特に営業の場合、インセンティブによって給料が大きく左右されます。20代で1000万円の大枚を稼ぐことも可能。
口コミからも、自由度が高く個人プレー重視の傾向がうかがえます。「お客様と共に創る」ためにどうするか、自ら考えて行動することが必要となるでしょう。
こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
1次面接、2時面接のあとに、3次面接で入社の意思確認が行われることもあります。WEBテストやグループディスカッションが行われることも。
経験者の話によると、ほかの応募者と共にホームセンターの開店について討論したとのこと。グループディスカッションでは協調性やリーダーシップ、周りへの気配りなどのコミュニケーション能力が評価されます。全体の話の流れを見極めながら、話に積極的に参加しましょう。
選考期間は2週間から一カ月程度です。
体育会系の人が多く、理論をこねくり回す回答は嫌われる傾向が見受けられます。机上の空論で終わらせるのではなく自分の足で調べ、体感したことを素直に話せるように。具体的には、ホームページを読んで終わらせるのではなく、いくつかの住宅展示場に足を運んで企業研究しておくとよいでしょう。
「建築は善か悪か」、「環境に対する考え」、「あなたにとって家とは」など、建築業に対する考えを問われることが多いでしょう。普段から建築業や住宅について考えているかどうかが問われます。ニュースなどをチェックし、考えたことをメモしておくと役に立つかもしれません。
技術系の職種では、今までの経験を問われます。施工内容、予算、担当箇所などをポートフォリオとしてまとめておきましょう。
また、体力面、ストレス耐性などについて「大丈夫ですか」と単刀直入に聞かれます。ストレスがかかっても乗り越えた経験、体力をアピールする具体的なエピソードなどを添えて「大丈夫です」と話せると好印象でしょう。
面接を受けた人の印象を総合すると「実績よりも元気・覇気が重要」です。企業理念にも「事業を通して人を育てる」とあり、経験職種でなくても採用になった人も。面接官の目を見て、大きな声ではきはきと話すよう心がけてください。
大和ハウスの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
出典：大和ハウス工業のサイトより
ガバナンス体制を再整備するとともに、事業領域の広さを活かし、持続的な成長を実現します。
大和ハウスの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
事業領域の広さは、大和ハウスの強みの一つ。住宅余りと言われている中、「住宅ストック」や「商業施設」の分野では、営業利益・売上高ともに高い成長率が見込まれています。そのため営業や施工管理、建築設計といった分野での採用が盛んに行われています。こういった分野での経験がある場合は、即戦力として期待されるでしょう。実績や担当分野などをまとめて話せるように準備しておいてください。
海外では北米や豪州での売上高増加に力を入れているのも特徴。北米での市場を2022年までに1.5倍に成長させることを目標としており、実際に海外営業での採用も増加傾向にあります。英語圏での勤務を希望している人、英語を活かした仕事をしてきた人にもチャンスがあります。
M&Aが活発に行われ、ガバナンスの強化やリスク管理の徹底が急務であることから、法務や経営企画部門でも人材の募集が活発化する可能性があるでしょう。
大和ハウスの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ大和ハウスか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、大和ハウスという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●積水ハウス株式会社
●ミサワホーム株式会社
●積水化学工業株式会社
このように、大和ハウスの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「覇気とやる気が重視される実力主義」という社風を意識して、まずは「やる気がある」人材であると印象付けられるよう、緊張しても明るく素直にふるまえると良いでしょう。
住宅余りが叫ばれている中、個人住宅の営業は入社後苦戦する可能性も高いです。会社が成長を見込んでいる分野を見極めて応募するのも一つの手。成長市場について勉強をして、今までの経験がそこでどのように役に立つかを分析しましょう。即戦力として活躍できることを示す体験談や実績をまとめ、簡潔に話せるようにしておきましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
大和ハウスの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
●「体育会系で覇気とやる気が重視される」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●大和ハウス工業の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜ大和ハウスか」に対する答えを明確にしておく。
●住宅展示場に足を運ぶなど、机上の空論に終わらない企業研究を心がける。
●海外や住宅ストックなど会社が成長を見込んでいる事業について事前に勉強を。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者