2021年06月21日

【面接対策】凸版印刷の中途採用面接では何を聞かれるのか

世界最大規模の総合印刷会社として知られる凸版印刷への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として、多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。


凸版印刷の採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

創業100年を超える凸版印刷。銅凸版印刷からスタートし、現在ではデジタルコンテンツへも進出するなど多角的に事業展開しています。大きな盛り上がりを見せた「ラグビーワールドカップ2019」ではトーナメントサプライヤーを務めたほか、「東京2020オリンピック・パラリンピック」ではオフィシャルパートナーに決定しており、業界内外から注目を集めます。

そんな凸版印刷の口コミからは、堅実な大企業ならではの社風が見えてきます。大幅な昇給が望めない給与体系に不満を感じる口コミが多く見受けられる反面、充実した福利厚生制度や、年功序列で安定的な昇格・昇進を評価する声もあります。こうした堅実さを優先する環境のせいか、危機感なく安穏と仕事をする社員も少なくなく、その姿勢をよしとしない社員は不満を感じている状況が浮かび上がりました。やりがいを感じられる昇給制度か、安心して長く働ける年功序列の評価制度か。就労する上でどちらを重視するかは社員の志向次第と言えるでしょう。

また、年功序列の組織体制ゆえ上下関係に厳しい社内の雰囲気に加え、飲み会や会社主催のイベントが多い点など、社風を「体育会系」とする口コミが散見されました。一方、イベントなどが奏功してか、社内の風通しはよく、和気あいあいと仕事ができる環境はあるようで、これも社員にとって合う・合わないがはっきり分かれるところでしょう。女性総合職は増えつつありますが、出産・育児休暇などを取りづらい状況はいまだ残るところをあわせて考えると、やはり体質の古さがうかがえます。

「歴史ある大企業ならではの古さがある一方、堅実な経営と安定的な環境を重視する」凸版印刷。採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。

選考は何次まで?

書類選考通過後、内定までには通常3回の面接があります。1次面接は人事部担当者が面接官となるようですが、2次面接・3次面接は現場管理職や人事部長、役員など、ケースに応じた役職者との面接になることが多いようです。エントリーシート通過後にグループディスカッションを挟んだ人もおり、志望する部署・ポジションによって選考プロセスが異なる場合もあります。

面接では、オーソドックスな質問に交じって、ときに意表を突く質問をされることもあるようです。予想外の質問に慌ててしまい、うまく自分をアピールできなかった…ということのないよう、落ち着いて面接に臨みましょう。面接内容の傾向については次項でご紹介します。

面接内容の傾向は?

「あなたの強み・弱みは何か」「転職したい理由は?」というような、面接ではオーソドックスと言える質問はもちろん、少し目線を変えた質問をされることがあります。「面接前日時点での凸版印刷の株価」や「街で見かけた面白いもの」について質問されたという口コミがありました。志望する企業・業界に関連する情報に対してどれだけアンテナを高く張っているかを問われているようです。日頃から幅広い情報に触れるようにし、会話の引き出しを多く持っておきましょう。

また、面接の雰囲気について散見されたのが「圧迫面接気味だった」という口コミです。応募者の臨機応変さやストレス耐性を見るためか、当たりの強い質問をされることもあるようです。「(応募者の)回答に対し『そんなふうに見えないけど?』と切り返された」という口コミや、「持参した自己PR資料を見せたところ『それを使ってこの場でプレゼンしてください』と言われた」という口コミがありました。答えや対応に窮し、とんちんかんな回答をしたり沈黙が続いたりすることだけは避けたいものです。面接官に気圧されないよう、こうした質問が出る可能性を踏まえて心の準備をしておきましょう。

凸版印刷の面接攻略法(面接対策)

凸版印刷のサステナビリティを踏まえた自己分析

凸版印刷の面接を受ける上では、サステナビリティを理解しておくことが不可欠です。凸版印刷では、環境・社会・経済への影響を考慮した中長期的な経営戦略(サステナビリティ)を掲げています。

凸版印刷コーポレートサイトより

国連総会で採択されたSDGs(サステナブル社会実現のための行動目標)と凸版印刷の事業領域の関連性分析からはじき出された課題への取り組みが、凸版印刷のサステナビリティです。この戦略における指針はISO26000(CSR国際規格)であり、活動の原則は国連グローバル・コンパクトという、企業規模の大きさを反映した、スケールの大きな戦略と言えます。

このサステナビリティの具体的内容として、グループ内の構造改革やグローバルな事業展開の加速に加え、「新事業・新市場の創出」が掲げられています。特に、デジタル需要の高まりを受け、2019年6月に就任した麿社長の旗振りのもと、印刷テクノロジーをベースにしたデジタルトランスフォーメーション(D-TX)を推進。変容するマーケットへの柔軟な対応により商機拡大を見込みます。グローバル化により拡大する市場を、印刷パッケージというハード面だけではなくソフト面からも支えることで、企業としてのさらなる成長にも期待がかかります。このように、凸版印刷の戦略は常にグローバル市場を視野に入れているため、中途採用においてもグローバルな視点をもって企業活動に参画できるような人材が求められていると言えるでしょう。

また、このサステナビリティにおいて「事業領域」とは、凸版印刷の持つ技術的資源の5つの系と(凸版印刷が重点化した)4つの領域とが合わさる領域のことです。

凸版印刷コーポレートサイトより

技術的資源の系と重点化領域をかけ合わせると、凸版印刷の進むべき新市場・新事業のフィールド(事業領域)が指し示される仕組みです。こうして導き出された事業領域には企業理念・経営信条・行動指針という要素が乗っている構造になっています(1つ目の図参照)。凸版印刷ではこの構造を「TOPPAN VISION 21」と名づけ、サステナビリティの中核的存在であり社会的価値創造企業へと凸版印刷を成長させる原動力として位置づけています。凸版印刷のサステナビリティは常に企業理念・経営信条・行動指針とともに歩むというわけです。したがって、中途採用面接にあたっては、サステナビリティはもちろん、企業理念・経営信条・行動規範にもしっかり目を通し、理解しておくことが必要です。

「なぜ凸版印刷に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

凸版印刷の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ凸版印刷か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人物は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

業界理解や職種理解の枠を超えて、凸版印刷という企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

●大日本印刷株式会社
●NISSHA株式会社
●共同印刷株式会社

凸版印刷の採用面接で実際に聞かれた質問内容

このように凸版印刷の採用面接を受ける上では、サステナビリティに基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「歴史ある大企業ならではの古さがある一方、堅実な経営と安定的な環境を重視する」という社風を意識して、「企業規模に合わせたグローバルな視点から行動でき、かつ組織にもなじめる人材」であると印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくといいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

20代後半・男性/法人営業【結果:2次面接で不採用】

質問

これまで一番印象に残った仕事は?

回答

初任配属の際に経験した…(口コミの続きとアドバイスを見る

30代後半・女性/企画営業【結果:2次面接で不採用】

質問

あなたを野菜に例えると?

回答

かぼちゃです、なぜなら…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代前半・男性/技術関連職【結果:入社】

質問

一つの仕事に没頭するのと複数の仕事をやるならどっち?

回答

複数の仕事をバランスよくする…(口コミの続きとアドバイスを見る

30代前半・男性/制作ディレクター【結果:入社】

質問

これまでの作品について

回答

できるだけ具体的に…(口コミの続きとアドバイスを見る

凸版印刷の採用面接に向けて

凸版印刷の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

●「歴史ある大企業ならではの古さがある一方で堅実な経営と安定的な環境を重視する社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。

●凸版印刷のサステナビリティおよび企業理念・経営信条・行動指針を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。

●競合他社についての理解を深め、「なぜ凸版印刷なのか」に対する答えを明確にしておく。


これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールできるよう心がけましょう。

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この記事の執筆者

大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。