2021年06月21日
インキュベーションを主に、幅広いビジネスを展開するデジタルガレージへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として評価されるので、事前にしっかり対策して転職面接に臨みましょう。
「インターネット中心の時代が到来」との将来を予測し、1995年に設立されたデジタルガレージは、企業へ向けての投資・育成事業の他、マーケティングサービス、電子決済サービスの提供など、さまざまなIT関連業務により、現在では東証一部上場企業へと成長を遂げました。「価格.com」や「食べログ」を運営する株式会社カカクコムも、同社の連結子会社です。
実際に働く社員からは「裁量労働制により自分の思うように仕事をできる」との声が多く聞かれます。社員同士の交流も盛んで、そこからは風通しの良い職場であることも見て取れます。経営陣のアンテナ力の高さにより常に新しく大きなプロジェクトに携われ、さらには自らが手がけた業務の結果を直接感じ取れるなど、仕事への意欲が高いほどやりがいを得られる環境にあるようです。
一方、「自由過ぎる風土」により、逆に残業が増えたり、業務ができる人ほど多数の仕事を抱えるといった弊害も。さらに「売上が還元されず投資やメディア戦略に使われてしまう」との不満もあるようです。出世面でいえば、個人の功績よりもチーム全体の評価で左右されるため、リーダー的素養を持った上で、経営陣にも気に入られないと難しいとの口コミも見受けられます。
社是とする「ファーストペンギンスピリット」は、リスクを顧みず強い意志で先陣を切ってチャレンジするとの意味。「世のあらゆる事柄をITビジネスで結び社会発展に貢献する」「常識に捉われない新たな価値の発想を持ち続ける」など、採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
株式会社デジタルガレージ 会社概要サイトより
デジタルガレージの中途採用プロセスは、コーポレートサイトの採用情報によると、書類選考後に1次面接、適性検査、最終面接を経て内定の流れとなっています。これは予定であり、変更される場合もあるようです。選考期間は1週間〜1ヶ月程度です。面接官は、現場社員、管理部門、部長、役員が主な担当となります。
現在の募集職種は「WEBプロデューサー/ディレクター」「WEBマーケティングプランナー」「広告運用コンサルタント」となっており、それぞれ特別な資格の必要はありませんが、実務経験が必須な職種もありますので、募集要項の確認が必要です。社員のインタビューや職場環境などの情報に目を通して、雰囲気を掴んでおくのも良いでしょう。
口コミによると、「専門的な質問を次々とされる」「論理的に素早く回答する必要があった」などの声が見られます。次項ではこれらを元に面接内容の傾向を紹介していきます。
「これまでどういった仕事のやり方をしてきたか?」「この会社に入って貢献できることは何か?」など、仕事に取り組む姿勢を多く問われる傾向にあるようです。厳しい雰囲気ではないですが、複数の面接官が連続してさまざまな質問をしてきたり、何気なく返した答えをさらに深く追求されるなど、そこからは「落ち着いた印象の面接ではない」ということがうかがえます。
そのような面接方式により「即戦力として働ける人材か」「タフであるか」「スピーディーな反応ができる人物か」などを判断されているといえます。質問に対しては、迅速で的確な回答をすることが必要となってきますが、口コミには「頭の回転が早い面接官で、自分を大きく見せたり嘘をついたりしてもすぐさま見抜かれてしまう」との意見も。どのような質問に対しても正直に自分の言葉で回答できるよう、しっかりとした準備と対策を練った上で、面接にのぞむことが大切です。
「狭き門」との声もありますが、自分がいかにこの会社で働きたいかを、貪欲に前向きな姿勢でアピールしていきましょう。
デジタルガレージの面接を受ける上では、「Open Incubation」と呼ばれる中期経営計画を理解しておくことが不可欠です。まずは同社の4つのセグメントからなるビジネスコンセプトを見ていきましょう。
有望なスタートアップ企業への投資と事業育成を柱とする「インキュベーションテクノロジー・セグメント」、消費者ひとりひとりに寄り添う広告プロモーション技術やソリューションを手がける「マーケティングテクノロジー・セグメント」、インターネットビジネスの収益化に欠かせない決済ソリューションを提供する「フィナンシャルテクノロジー・セグメント」のそれぞれがオーガニックに成長しながら全社業績を底上げし、これらのセグメントを横断する新たな事業を「ロングタームインキュベーション・セグメント」が創出することで、成長を爆発的に加速させることを目指しています。
インキュベーションは同社を代表する事業のひとつであり、国内に留まることのないビジネス展開を続けています。そのコンセプトはこれからも変わることなくさらなる拡張が予想されます。ここにマーケティング業、決済ソリューション業が加わり、以上3つのセグメントにまたがる領域を「ロングタームインキュベーション・セグメント」と名付け、各業務を行き交うことでの新たな事業の創出と拡大を目指しています。それらを盛り込んだのが、以下の中期経営計画である「Open Incubation」です。
株式会社デジタルガレージ IR資料室サイトより
IT業界は日々進化し続けています。すぐ先の未来を予想するだけでも、5Gネットワークによるモバイル通信網の高速化に伴うUI(ユーザーインターフェース)の変革があげられます。さらにはAIの進歩による新技術の開発・発展や、医療分野における遺伝子技術の大きな変革も予見できるでしょう。このような革新的な新事業が立ち上げられる際、必要とされるのがインキュベーションやマーケティングのノウハウを持った企業です。同社の戦略からは既存事業の最適化とともに、将来を見据えた中長期的な投資と育成をさらに強めていく方針が見てとれます。
今後どのような技術の革新があり、どういった分野で発揮されるのか、それを会社の業績に繋げていくには何をするのが最適か。新しいビジネスを構築するには、絶えず開かれた視野を持ち、日々変わりゆく事業環境の変化に敏感でいなくてはなりません。
このような戦略を十分に理解した上で自己分析に落とし込み、面接では「新たな価値を生み出すことを常に考える意欲がある」「ITにより世の中に貢献していける」といったことがうかがえるエピソードを紹介しましょう。「Open Incubation」に合致した人材であることをアピールできるよう対策をすることが大きなポイントです。
デジタルガレージの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜうちの会社なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、デジタルガレージという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
このように、デジタルガレージの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「常識に捉われない新たな価値の発想を持ち続ける」という社風を意識し、「自分の考えと仕事へのプライドを強く持っている」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
デジタルガレージの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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