2022年06月10日
温水洗浄便座のウォシュレットを世界に広め、国内においても圧倒的なシェアを誇るTOTOへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるのでしっかり対策しましょう。
便器や浴室などの衛生陶器をはじめ、ウォシュレットやシステムキッチン、水栓などの住宅設備機器を中心に、セラミックやタイルなどの環境建材も取り扱う世界的メーカーTOTO。
創業者である実業家の大倉和親が、旅行先の欧州で出会った清潔で素晴らしい衛生陶器を日本、そしてアジアに広めたいと考え、研究所をつくったことからはじまりました。1917年の創業から100年を超える今日においても、「快適で清潔な生活空間を提供する」という思いを大切にしています。実際に働いている社員の口コミからも、お客様に信頼される高品質な商品を提供するべく真摯に業務にあたっていることがうかがえます。
特にトイレメーカーとして有名ですが、日本の市場においては約6割のトップシェアを誇るリーディングカンパニー。海外においても5位以内に位置していますが、今後さらにシェア拡大に向けグローバル展開を進めていくようです。自社製品に誇りをもち、日本や世界にファンを増やしたい。そんな志をもつ人々が集まっているといえます。採用面接では、このような社風において結果を出せる人材であると、アピールする必要があるでしょう。
TOTOの選考は、書類選考と2回の面接、そして適性検査で構成されています。口コミによると、技術職の場合には、これまでに手掛けた製品のポートフォリオの提出や課題が与えられたこともあるようです。
職種は大きく分けて2つで、技術職と営業・企画職です。面接官は、選考が進むにつれ役職があがっていく一般的なスタイル。たとえば、技術職の一次面接官は研究・開発といった現場の課長や部長、最終面接官は人事部長と現場責任者が担うことが多いようです。適性検査は、最終面接前に受検することになります。
また、契約社員や派遣社員を経て、正社員や地域限定社員になったケースも。その際には、筆記試験・論文・面接に合格する必要があります。
特別変わった質問はほとんどなく、一般的な質問が多いようです。和やかな雰囲気のもとで、志望動機や職務経験、転職理由、将来へのビジョンなど幅広く問われることになるでしょう。
面接時間は1時間以上かかることも。人となりを知るべく、丁寧かつ細やかに質問を重ねているようです。また、業界研究やTOTOについての理解を深めておくことも必要不可欠。そのうえで、自身のもつスキルやキャラクターを活かし、入社後なにができるのかを自分の言葉で伝えることが大切です。
TOTOは、2017年に「日本でいちばん大切にしたい会社」の経済産業大臣賞を受賞するなど、離職率の低さにも定評があります。新卒採用がメインの会社なので、中途採用で入社を希望する場合には、求人情報を逃さぬよう定期的にチェックしましょう。
面接に備え会社理解を深めるためにも、必ず目を通しておきたいのが経営計画です。
TOTOは、「国内住設」「海外住設」「新領域」という3つの事業を展開。「国内住設」と「海外住設」では、主にトイレやお風呂、キッチンなどの水回りを中心とした商品を提供してきました。そして「新領域」では、「セラミック」と「環境建材」を中心とした幅広いビジネスを手掛けています。
2018~2022年度の中期経営計画「TOTO WILL2022」において掲げているのは、次の100年に向け世界にファンを増やすための計画です。売上の約70%を占める「国内住設」事業では、「あんしんリモデル戦略」の更なる推進と強化に注力すると宣言。増改築やリフォームに悩む人々をサポートするさまざまな施策に取り組んできました。「海外住設」事業では、累計出荷台数は4000万台を突破するウォッシュレットを中心として、高品質かつ高機能な商品やサービスの提供を約束しています。「新領域」事業においては、独自の技術をさらに進化させ活用の幅を広げるべく研究開発をすすめていくようです。
このように、創業から100年を超えてもなお挑戦し続ける環境において、「常に問題意識をもち、解決に向けて周囲を巻き込み推進していける人材」が求められているといえるでしょう。採用選考に臨む際には、経営計画を通じて会社の取り組みを理解し、達成するために自身の経験やスキルがどのように活かせるのかを伝えることが大切です。
TOTOサイトより
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜTOTOなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことはなんでしょうか。面接官になったつもりで考えてみてください。まず考えられるのは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向を問うと同時に募集しているポジションにマッチするかどうか。つづいて、業界や職種、会社についての理解度。そして、選考基準であるかにかかわらず、志望度もはかることができるのがこの質問です。
このように、「なぜTOTOなのか」という質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておきましょう。また、会社理解を深めるにあたって必要不可欠なのが、競合となる他社も含めた業界研究です。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。
●株式会社LIXILグループ
●パナソニック株式会社
●ジャニス工業株式会社
●タカラスタンダード株式会社
このように、TOTOの採用面接を受ける前には、中期経営計画「TOTO WILL2022」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「自社製品に誇りをもち、日本そして世界にファンを増やしたい。そんな志をもつ人々が集まっている環境」であると意識し、「常に問題意識をもち、解決に向けて周囲を巻き込み推進していける人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下では面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。ぜひ参考にして、面接対策に活かしてください。
TOTOの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「自社製品に誇りをもち、日本そして世界にファンを増やしたい。そんな志をもつ人々が集まっている環境」であることを理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
●中期経営計画「TOTO WILL2022」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜTOTOなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉で伝えるよう心がけましょう。
この記事の執筆者