2021年06月21日
大手部品メーカーとして、自動車用をはじめ様々な製品を手掛けるNOKへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
NOKは1939年に創業した、日本初のオイルシールメーカーです。現在は、自動車用メインの総合部品メーカーとして、シール製品、フレキシブル基板、工業用機能部品等の製造販売をおこなっています。中でも、自動車用オイルシールは、国内の全自動車メーカーのみならず世界各国の自動車メーカーにも採用される同社の主力製品であり、国内シェアは実に7割を占めています。また、オイルシールに次いで同社の売上に貢献しているフレキシブル基盤は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の小型化・高性能化に大きく寄与しています。このように、NOKの強みは、あらゆる製造分野を支えるための技術開発力を持っていることです。そして、この世界に誇る技術の数々は、同社の頭脳とも言うべき湘南開発センターで生み出されています。
そんなNOKの口コミを見ると、「福利厚生に関しては充実している」「長時間残業が続いている部署には労働組合から指摘が入る」といった声が聞かれ、社員のワーク・ライフ・バランスに配慮した労働環境が用意されていることがうかがえます。こうした環境の実現は、経営理念に『愛情と信頼に基づく人間尊重経営』を掲げ、社員を大切にすることに重きを置いてきた結果と言えます。
一方で、「昔ながらの体質で完全な年功序列」「社歴がすべて」という内容も多数見られ、日本の古い体質が残った企業風土であることがうかがえます。さらに、「女性は一般職採用がほとんど」「企業体質が古いので女性が管理職になるのは難しい」「多様性がない」といった口コミが散見されるなど、女性活用に関しても遅れをとっているようです。しかし、中には、「わりとのびのびと働かれていた女性社員が多かったように思えました」という口コミもあり、積極的なキャリアアップを望まない女性にとっては働きやすい側面も。良くも悪くも、日本的な文化を色濃く残した企業であると言えるでしょう。
NOKの選考について、モデルケースをご紹介しましょう。
まず、書類選考を通過後、一次選考として面接とWebテストが実施されます。面接は、応募職種の部門責任者および採用部門によるもので、同日に会社概要説明もおこなわれます。一次選考を通過すると役員面接へと進み、内定が出る運びとなっていますが、職種により面接回数などが若干変更になる場合があります。内定までの期間は1ヶ月程度の場合が多いようですが、面接回数によってはもう少し時間を要することもあるでしょう。なお、コーポレートサイトによると、選考試験への交通費については会社側が実費負担するとしています。
現在、同社では事務系・技術系を含めた様々な職種で中途採用の募集がおこなわれています。コーポレートサイト等でこまめに情報収集をおこない、チャンスを逃さないようにしましょう。
意表を突いた質問は少なく、一般的な質問を掘り下げられるケースが多いようです。面接の雰囲気も、「非常にリラックスした形」「終始、和やかな雰囲気」といった声が多く聞かれ、圧迫面接などはおこなわれていないようです。また、「人柄重視の選考」という口コミもあり、質問の答え方や言葉の選び方から人柄を見られる可能性があります。志望動機やこれまでのキャリア、転職理由については必ずと言っていいほど聞かれるので、自分の言葉で語れるようにしっかりと整理しておくことが大切です。面接官との双方向の対話ができるよう、様々なエピソードを準備して臨むとよいでしょう。
NOKの面接を受ける上では、同社の経営理念や中期経営計画を理解しておくことが不可欠です。NOKグループでは、『持続性ある企業体質の構築』を基本方針とした2017年度〜2019年度の3カ年計画(中期経営計画)に取り組んでいます。「すべてのステークホルダーに利益と誇りをもたらす」ことを企業目的としているNOKにとって、安定して事業を継続させることは最重要課題のひとつです。電気自動車や先進運転支援システム(ADAS)の普及、人工知能(AI)を用いた技術の発展といったトレンドも踏まえながら、既存商品の拡販と新商品の開発・拡販をおこなうとしています。こうして技術開発に力を入れるNOKに技術職で応募する場合には、同社の技術を理解していることや、開発に対する思いをアピールできるように勉強しておくことが大切です。
そのほか、重要課題として掲げているのが「人間尊重経営の実践」です。NOKグループの経営理念のひとつには『愛情と信頼に基づく人間尊重経営』があり、その社風にも人を大切にする精神が息づいています。組織・人事制度施策のあり方や教育のあり方などの点検と改善を続けることによって、従業員一人ひとりが仕事を通じて自分の成長を実感できる組織づくりをおこないたい考えです。面接では、こうした方針に合致した人材であることを印象づけられるように、自己分析に落とし込んでおく必要があります。
NOK CSRレポート2019より
NOKの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜNOKなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人はNOKで何をやりたいのか」「NOKで手掛ける製品に対して理解があるか」「これまでの経歴がどう活かされるか」といった点に加え、「NOKでしかそれができないのか」という点です。
NOKについてだけでなく、業界や職種についての理解を深めることで初めてこの質問に答えられます。したがって、同社についての研究だけでなく、競合となり得る企業の研究も忘れずにおこなわなければなりません。少なくとも、以下のような企業については必ず調べておきましょう。
NOKが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
お伝えしてきたように、NOKの採用面接を受けるにあたっては、中期経営計画に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、日本的経営の社風にフィットした人材か、人を大事にする社風で一緒に気持ちよく働ける人材か、という点が見極められます。奇をてらった質問対策よりも、基本的な質問に気持ちの良いコミュニケーションで答えられることが大切です。そのために、具体的なエピソードなどを事前に整理して面接に臨みましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりとシミュレーションしながら面接対策をおこなってください。
NOKの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
この記事の執筆者