2021年06月21日
通販化粧品・健康食品の先駆者であるDHCへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果などを具体的に問われるほか、キャリアシートでは見えてこない「人間性」や「適応力」も見られます。即戦力として、そして一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
創業者・吉田嘉明が一代で創り上げ、美容・健康食品トップシェアを誇るDHC。2020年には通販会員数が1496万人を突破、従業員数は3000人を超えています。“DHCを知り尽くすのは、DHC”というポリシーのもと、研究開発から発送までほぼすべての業務を自社でおこなっています。吉田会長のリーダーシップは健在で、トップダウン型の社風が定着しています。スピード感のある経営が特徴ですが、「経営方針や人事・昇給の評価基準が不明確」「下から新しいことを提案する雰囲気はあまりない」といった口コミも見られます。
「同職種の他社よりも給料が良い」という転職者が多く、20代から稼げる職場と評されています。また、女性社員が過半数を占め、管理職にも女性が多く、性別に関係なく役職を目指せます。ただ、「育休を取ると同じ役職には戻れない」「別部署に配属されるので辞める人が多い」といった口コミから、育児との両立は難しい環境だと言えるでしょう。どの部署でもルーチンワークが多いようで、基本的にコツコツと作業を進められる力が必要とされます。
採用面接では、地道に作業を遂行でき、かつスピード感ある経営者の決定・変革についていける人材かどうかを見極められます。
DHCの選考プロセスは、1回の書類選考と1~2回の面接、最終面接です。書類選考の結果は1週間ほどで通知されます。一次面接では筆記試験と面接がおこなわれます。その場で合格を伝えられるケースもありますが、結果が出るまでに1週間ほどかかる場合が多いようです。その後、職種によっては二次面接があり、最終面接を経て内定となります。
応募はホームページ上からおこない、職種を選んだうえで履歴書と職務経歴書を添付し、エントリーシートを提出します。併願したい場合は、職種ごとに必要書類とエントリーシートを提出します。一度不採用が出ら場合も、別の職種なら再応募が可能です。募集職種はホームページの「キャリア採用」ページで随時公開されており、採用が決まると締め切られます。
一次面接では、筆記試験と面接がおこなわれます。筆記試験は、一般常識や漢字、計算問題、図形など高校卒業程度の学力で十分対応できますが、制限時間が短く問題数が多い傾向にあり、基礎学力と情報処理能力を問われるようです。勉強ができる人よりも地頭の良い人を必要としていることが垣間見え、でき次第では筆記試験で落とされる可能性があります。事前に準備し、当日は全て解けなくても落ち着いて回答しましょう。
面接内容は、志望動機のほか入社後のビジョンを具体的に聞かれる場合があります。面接官は現場の管理者や本社の人事課長などで、実務経験や現場レベルの知識だけでは対応できない質問をされることもあるでしょう。DHCでは選考過程にかかわらずさまざまな面接官が対応するので一次面接からしっかりと準備しておく必要があります。
ショップアテンダントを希望する場合は、選考過程が短い傾向にあります。面接で接客のデモを行うなど、回答内容そのものよりも表情や口調、全体の雰囲気を見られるので、明るくはきはきと答えることを意識しましょう。
DHCの面接を受ける上では、同社のポリシーを理解しておくことが不可欠です。
DHCを知り尽くすのは、DHC
DHCのポリシーは、今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接ではこのポリシーに合致する人材であることをアピールしましょう。
DHCは、企画や研究だけでなく製造、宣伝、受注・発送までほぼすべての業務を自社で行っており、コストを割いても外注に頼らず現在の規模まで成長してきました。その自負がポリシーにも表れており、自社製品に対する理解は重要です。
実際の面接では、使ったことのある同社の商品やその感想などを聞かれることもあるため、事前に商品に触れておきましょう。女性であれば化粧品を実際に使い、「こういうところが気に入って日頃から愛用している」というように、商品への愛着を感じられる具体的なエピソードを織り込むと、ポリシーに合う人材への成長が見込める印象を残せるでしょう。
また、主力商品のラインナップや直近の動向について、自分なりの意見が言えるよう研究しておくことも重要です。これらを踏まえ、どんな質問にもはきはきと答えられると、会長メッセージにもある「地頭の良い人」「知恵がある」人と合致したフレッシュな人材として好まれる傾向があります。
DHCのコーポレートサイトより
口コミでは、前職の退職理由のほか「なぜDHCで働きたいのか」「どのような仕事で貢献できるか」など具体的なビジョンを聞かれたという事例が多く見られます。こうした質問では、自分がやりたいことを率直に伝えるのはもちろんですが、「それをなぜDHCでやりたいのか」をあわせて発信することが重要です。「DHCを理解した上で、他社ではなく同社を選んでいる」と面接官にアピールしましょう。
業界、業種だけでなくDHCという企業についてしっかりと理解するためには、競合となりやすい他社の研究が必須です。以下のような企業について、事前に調べておくことがおすすめです。
●オルビス株式会社
●株式会ファンケル
●株式会社ドクターシーラボ
DHCを受ける前には、前述したポリシーに基づいた自己分析や他社研究を踏まえ、志望動機を整理しておくことが大切です。そして面接の場では、通販化粧品・健康食品のトップランナーを自負し、常にスピード感をもって新しい取り組みをする同社の社風を意識してください。DHCのポリシーや商品について理解し、美容と健康への関心と愛社精神を持った人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
DHCの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●創業者がリーダーシップを発揮し、社員をまとめながら現在の規模まで成長してきた社風を意識し、スピード感のあるトップダウン型の経営にも対応できる柔軟な人材であることを、自分の言葉でアピールする。
●DHCのポリシー「DHCを知り尽くすのは、DHC」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社について研究し、「なぜDHCか」に対する答えを確にしておく。
これらについてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者