2021年06月21日
英国の人材紹介会社JACグループ日本法人として1988年に設立されたジェイエイシーリクルートメントへの転職。新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、仲間として多角的に評価されるので事前に対策をすすめましょう。
英国に住む日本人を支援するため、1975年にロンドンで誕生したJAC。そして1988年、日本での人材紹介事業を行う目的でジェイエイシーリクルートメント(当時の社名はジェイエイシージャパン)は設立されました(以下、JACリクルートメント)。2020年現在では、世界11か国・25拠点でサービスを展開しています。日本における人材紹介サービスの特徴は、マネジメント層やスペシャリスト層を中心としたプロフェッショナル人材を企業に提案していることです。
Freedom & Discipline(自由と規律)
JACグループ創業者の田崎忠良氏(取締役最高顧問、2020年現在)の生き方の基本であり、会社の経営理念にも関わる哲学として、大切にされているのが上記のメッセージです。物事を言われた通りにただこなすのではなく、高い志を掲げ自らを厳しく律すると同時に、目標を達成するための自由な発想と行動する大切さを伝えています。この理念が根底にあるためか、「業務フローマニュアルはなく、自分なりの方法で仕事を進めることができる」「自律的な環境」「目標数字をクリアする人が評価される」といった口コミが多くみられました。
このように、目標を達成するために個人の裁量で仕事を進められる、結果によって評価される実力主義の社風といえます。採用面接では、このような環境で結果をだせる人材であると、アピールするとよいでしょう。
選考は、書類選考と2~3回の面接、適性検査で構成されています。
一般的なフローでは面接回数は2回ですが、状況によって変動しており1回や3回の人も。面接官は公開されていませんが、人事部門と配属先となるコンサルタント部門が担当しているようです。適性検査にはSPIが採用されており、書類選考通過後の一次面接のあと、最終面接の前に設定されています。
現在の募集職種は「リクルートメントコンサルタント」のみです。採用したい企業と転職希望者の両方のコンサルティングを担当する職種で、応募条件には営業経験が必須となっています。
また、喫煙率0%を目指しているため禁煙者でなければなりません。事前にホームページに掲載されている応募条件を確認し、職種や方針についての理解を深めてから応募することが大切です。
質問は一般的な内容が多いようです。志望動機、これまでの経験や専門性を数字や具体的なエピソードをもとに説明できるよう準備をしておきましょう。
「コンサルタントとはどのような仕事だと思いますか?」「理想のコンサルタントとは?」など、職種についての質問をほとんどの方が聞かれています。また、企業と転職希望者双方のコンサルティングを行うという特徴を、理解していることが必須条件です。もちろん営業として数字目標の達成が求められるため、企業と転職希望者がwin-winになれるよう調整していく能力があるのか、問われることになるでしょう。
面接の雰囲気は、面接官によって差があります。穏やかな雰囲気、緊張感のある雰囲気いずれの場合でも、面接官の質問の意図を読み取り、的確に回答することが大切です。
面接を受ける前に、中期経営計画を理解しておきましょう。
同社は、2019年に3ヵ年の中期経営計画を発表しました。2020年には連結売上高305憶円、2021年には354億円を目指しています。
計画を達成するための施策として、国内の人材紹介事業においては、主に2つの方針を掲げています。1つ目は、今後さらに市場が拡大すると予想されているAIやIoT、ロボットなどの最先端技術分野の強化です。具体的には、専任体制を新設し顧客深耕していくといいます。2つ目は、外資系企業の高額求人領域の強化です。コンサルタントの増員と定着をすすめ、求職者確保施策の推進もはかります。海外事業においては、引き続きアジアを中心としながらも、2019年に開設したドイツ拠点からヨーロッパでの展開も進めていく予定です。また人材の適正配置をグループ全体、世界規模で考えていくとしています。
このように中期経営計画の内容を理解し、自身ができることを根拠をもって説明することが大切です。たとえば、「責任の重い仕事」や「高額商品の営業」などの経験がある方は、そのときのエピソードを踏まえて、説明できるとよいでしょう。きっと、活かせることも多いはずです。これまでの経験を整理し、どんな強みを同社でどのように活かせるのか、具体的にアピールできるよう準備しましょう。
ジェイエイシーリクルートメントHPより
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜわが社なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、大きく分けて3つあります。ひとつは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向についてです。つづいて、「募集しているポジションにフィットし、会社に貢献してくれる人材なのかどうか」。そして、「業界や職種、会社についてどのくらい理解しているのか」です。なお、理解度が高い場合には、企業研究をしっかり行っていると判断され、志望度の高さを印象づけることができるでしょう。
このように、質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておくことが大切です。また、会社理解を深めるにあたって必要不可欠なのが、競合となる他社も含めた業界研究。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。
●パーソルキャリア株式会社
●株式会社 リクルートキャリア
●株式会社パソナ
目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。同社の場合は、「目標を達成するために個人の裁量で仕事を進められる、結果によって評価される実力主義の社風」であると意識し、「このような環境で結果をだせる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下では、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「目標を達成するために個人の裁量で仕事を進められる、結果によって評価される実力主義の社風」であることを理解し、それに合致した行動をとれる人材であることをアピールする。
●中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜジェイエイシーリクルートメントなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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