2021年06月21日
ロボットメーカーとして世界4強の一つに数えられているファナックへの転職。最新技術を搭載したロボットを開発・生産販売しています。中途採用では、今までの仕事の成果や即戦力となる技術を問われるほか、一緒に働く仲間としての適性も含めて総合的に審査されます。しっかりと準備して挑みましょう。
製造の自動化と効率化を実現するために、さまざまなロボット・ロボマシンを開発・生産しているファナック。「事業の安定性に魅力を感じて応募した」という口コミがあるため決算を調べてみたところ、2017年度は純利益が25%、2018年度は24%と確かに高い水準を維持しています。最先端の技術に関われることや、世界中の商品の生産に影響をあたえることができることが、働く人のやりがいになっている様子。「無借金」といわれますが、BSの負債の項目に「借入金」が存在せず、経営者の堅実さがうかがえます。
「トップダウン」「創業者の発言権が絶大」などの口コミからは、創業者本人の手腕で成長してきた部分が強い会社であることが感じられます。また「学歴重視」「学歴がなく仕事ができる人が損」と感じている人も多く、これは堅実で保守的であることの悪い一面と言えるでしょう。
トップダウンの指示に従って、世界レベルのロボットの生産に関わっていく。
こうした社風にフィットする人材かどうか、採用面接では見極められます。
ファナックはHPで中途採用の募集を行っていませんので、人材会社を通して応募する必要があります。人材会社ではロボット開発、ソフト開発、工場勤務など様々な職種で募集が出ています。選考プロセスは面接数回で、筆記試験はなしということが多いようです。選考期間は人によってまちまちで、1週間で入社が決まったという人もいる一方、応募から入社まで1年近くかかったという人も。選考期間の長期化も視野に入れてスケジュールを調整したいところです。
「応答の早さを重視している」「しっかりと元気よく受け答えすれば大丈夫」などの口コミから、覇気のある人が好まれる模様。「面接時間が15分程度と短かった」などの口コミからも、細かな経歴よりも人柄や印象を重視していることがわかります。面接では相手の目を見て大きな声でハキハキと話し、ガッツのある印象を与えられるように注意しましょう。最終面接では名誉会長と話すことも。緊張するかもしれませんが、「ここでやっていけるか」などと入社意志を問われるので、自信を持って応えましょう。
勤務地が山梨となることが多いため、山梨に対するイメージを聞かれることが多いようです。企業への適性以前に、山梨での暮らしになじめるか、山梨で暮らすイメージを持てるのかといったことも重要な判断基準となりそうです。似たような土地で暮らした経験があれば積極的にアピールしたいところ。東京など便利な土地でしか暮らしたことのない人も、「利便性がなくてもやっていける」ことを示すエピソードを用意しておきましょう。
次に、体力やストレス耐性について聞かれます。スポーツをしていた経験や、ハードな業務に耐えてきた経験、困難を乗り越えてきた経験などを具体的なエピソードを交えて話し、面接官を納得させる必要があります。いろいろな面から体力・ストレス耐性をアピールできるエピソードを用意しておきましょう。そして「学生時代の研究は?」などの一般的な質問に対しても、体力・ストレス耐性を示すエピソードを交えて話すことができるといいでしょう。
ファナックの面接を受ける前に経営戦略にも必ず目を通しましょう。経営戦略をまとめると以下のようになります。
出典:ファナックのサイトより
ファナックのFA、ロボット、ロボマシンの3事業が一体となり、世界の製造現場に革新と安心をもたらします。
ファナックの経営戦略を理解することで、今後会社に必要とされる人材はどんな人なのかを読み解くことができます。自己分析の際はこの経営戦略に合致する部分を見つけ、自己アピールに落とし込みましょう。
ファナックの事業の柱は「FA部門」「ロボマシン部門」「ロボット部門」「サービス部門」の4つに分かれています。FA部門ではレーザアプリケーションの開発、ロボマシン部門では光学レンズ金型の量産加工に力を入れており、拡販に期待がかかっています。ロボット部門では3Dビジョンセンサの技術開発に力を入れています。中途入社では、主に法人営業や企画営業、生産管理等の分野でこれらの分野に関わることになります。専門的知識がある人は重宝される可能性が高いので、積極的にアピールしましょう。
また、会社全体でIoTおよびAIを活用した新商品・新機能の開発に取り組んでおり、IT分野に知見のある人の採用も盛んです。IoTの導入に携わった経験、それによって既存事業との相乗効果を生み出した経験がある場合は、そこでどのような役割を担ったかなどをエピソードとしてまとめて、自己PRにつなげましょう。
ファナックの面接で志望動機を聞かれたときには、「なぜファナックなのか」をしっかりと説明できるようにしましょう。面接官が志望動機を掘り下げて聞く理由は「応募者がどのようなキャリアパスを描いており、それが当社で実現可能なのか」をチェックし、ミスマッチがないか確認する目的もありますが、それ以上に「しっかり当社のことを調べたうえで応募してきているか」を審査しています。
志望している業界や職種であればどこでもいいというのではなく、しっかりとファナックという会社について理解しておきましょう。そのためには競合他社についても調べ、違いを把握しておくことが有効です。具体的には、以下のような企業とファナックを見比べ、ファナック独自の魅力を探してみましょう。
●株式会社安川電機
●ABBグループ
●三菱電機株式会社
ファナックの面接を受ける際には、自己分析をして経営戦略に合致する部分を見つけること、競合他社を研究してファナック独自の魅力を伝える志望動機の整理が重要です。面接の際には、「トップダウンの指示に従って、世界レベルのロボットの生産に関わっていく」という社風を踏まえ「商品の拡販やIoTの導入にどのように貢献できるのか」についてアピールできるよう、今までの経験の中から様々なエピソードを用意しておきましょう。
専門知識が必要な業務のため、営業であっても「機械の設計図面が理解できる」などの技術が必要です。機械系のメーカーやIT業界以外からの転職は少ない印象ですが、自分自身の技術に合致するかどうかを求人票でしっかりと確認して応募してください。若いだけでは戦力にならないためか、40代以上でも採用された例が口コミに掲載されています。積み重ねた技術・知識があれば、年齢は気にすることなく応募してみましょう。
面接経験者がどのような質問を受けたのかご紹介します。自分ならこの質問を受けたらどのように答えるか、考えてみてください。
ファナックの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
●「トップダウンの指示に従って、世界レベルのロボットの生産に関わっていく」という社風に適合する人材であることをアピールする。
●勤務地が地方の場合、地方勤務に対する適性をアピールできるエピソードを準備しておく。
●面接ではハキハキと元気よくふるまう。
●ファナックの経営戦略を理解して、その経営戦略にどのように貢献できるのかを考えておく。
●競合他社と比較して、「なぜファナックか」について面接官を納得させられる回答を用意しておく。
これらについてしっかり準備し、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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