2021年06月21日
高血圧症治療薬や抗生物質などの医療用医薬品を主力とする製薬メーカー、塩野義製薬への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として評価されるのでしっかり対策して転職を成功させましょう。
1878年、和漢薬の販売からスタートした塩野義製薬。時代の流れを受けて取扱品を洋薬へと転換後、自社での医薬品製造を開始。疼痛から感染症、うつ症状など、製品のカバーする症状領域は幅広く、数多くの製品を展開しています。かつては医療界の潮流に乗り、抗生物質の製造販売で大きく売り上げを伸ばしました。抗生物質市場縮小後も高コレステロール血症治療薬の創成に成功し、業績は順調に推移しています。
そんな塩野義製薬の口コミからは、古風な企業風土と安定した労働環境が見えてきます。「基本的に良い人が多く、非常にまじめな社風」「新しいことを嫌う」「社内でうまく立ち回れる人が出世しやすい」という声が多く聞かれ、昔ながらの日本企業といった雰囲気があるようです。その一方で、報酬はもちろん、福利厚生の手厚さや女性の働きやすさ、休暇の取りやすさなどを評価する口コミが多く、恵まれた労働環境がうかがえます。
また、営業職(MR)は幅広い製品ラインナップのすべてを担当することから「『塩野義に聞けばたいていのことは分かる』と医師から評価される」といった口コミや、「病院で門前払いされることがほとんどない」という口コミが見受けられます。老舗製薬メーカーとしての領域の広さや信頼性の高さによって仕事がやりやすい一面もある様子。さらに、営業力に定評のある塩野義製薬では「自分の力で販売成績を上げること」「営業のエキスパートとして、自分自身でガンガン営業をかけられること」(口コミより)にやりがいを感じるMRが多いようです。自分の裁量で仕事を進めたい人には向いた環境と言えるでしょう。
中途採用面接においては、古風ながらもやりがいを感じられる塩野義製薬の社風に順応して成果を出せる人材であるかどうかが非常に重要なポイントです。自分の性格や志向はもちろん、今後のキャリア形成についても見つめ直しながら対策していきましょう。
口コミによると、塩野義製薬の選考プロセスは、書類選考→複数回の面接→内定という流れになることが多いようです。
塩野義製薬では現在、研究開発部門や信頼性保証部門などで中途採用の募集を行っています。コーポレートサイトの採用情報ページには、「期待する人材像」「シオノギのキャリア開発」といったコンテンツが用意されています。新卒者向けの採用情報ページには現職社員へのインタビューも掲載されています。職場の雰囲気や業務内容の詳細について中途採用への応募者にも参考になる内容ですので、企業研究の一環としてぜひ目を通してみてください。
面接では、「MRに求められる力とは?」「仕事をしていく上で何が一番大事か?」といった、仕事に対する価値観が問われる傾向が見られます。中途採用の場合、入社すれば即戦力としての働きを要求されます。業務上の困難に直面することも当然あり得る中で、そうした難局を乗り切るための「軸」を持っているかどうかが見極められるでしょう。「仕事をする上で譲れないポイントは何か」「今まで困難を乗り越えたときに共通していた考えは何か」といった観点から自己分析をしてみると、自分なりの「仕事の軸」が見えてきます。具体的なエピソードを添えて話すことができると分かりやすいでしょう。
また、「当社で求められる語学力のレベルまでどれくらいで到達できそうか?」と聞かれた人も。実際の業務に必要なスキルについて確認されることもあるようです。自分のスキルを証明できる客観的なデータや実績がある場合はそれを示し、期待される水準に達していない場合でも、今後努力してスキルアップする姿勢を伝えられるとよいでしょう。
面接に臨む前に必ずおさえておきたいのが塩野義製薬の中期経営計画「Shionogi Growth Strategy 2020(以下、SGS2020)」です。
塩野義製薬 コーポレートサイトより
財政悪化による医療費削減といった社会的要因、健康に対するニーズの変化など、医薬品産業を取り巻く環境が大きく変化する中、「創薬型製薬企業として社会とともに成長する」ことをビジョンとして掲げる塩野義製薬。ターゲットとする主要領域を「感染症」と「疼痛・神経」としています。国内およびアメリカを中心に、感染症の蔓延を防ぎ、人々が痛みや精神・神経の不調から解放されて生き生きと過ごせる社会づくりへの貢献を目指して事業を進めていく方針です。
塩野義製薬 コーポレートサイトより
また、株主還元・成長への投資・戦略的事業投資の3つのバランスをとることで企業価値を最大化したい考えです。
塩野義製薬は企業として存在する目的を「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」こととしており、事業を通じた社会貢献を重視する高い志を持つ企業です。これは医薬品という、命や生き方に関わる製品を扱うがゆえの姿勢でもあります。中途採用にあたっても、「事業の影響力や意義を考えながら仕事に取り組める人材」を求めていると言えるでしょう。ゆえに、目先の利益追求だけではなく、「自分の仕事がよりよい社会づくりにどのような形で貢献できるのか」を考える姿勢が求められます。個人としての成果だけでなく、社会貢献に通じる業務に携わった経験などがあれば積極的にアピールしましょう。そのためには、中期経営計画「SGS2020」に加えて、基本方針・行動方針・行動憲章も理解しておくことが重要です。
塩野義製薬の面接では「なぜ塩野義製薬か」と聞かれることが多々あります。塩野義製薬の場合、志望動機を問うことで面接官は「当社のことをどれだけ理解しているか」といった企業研究の度合いと併せて、「これまでのキャリアをどのようなアプローチで活かすつもりなのか」や「当社の成長だけでなく、社会貢献を意識しつつ仕事に取り組める人材なのか」を見極めようとしています。
自分の希望する職種への理解だけでなく、塩野義製薬という企業そのもの、およびその目指す方向性についてしっかりと理解した上で自己PRをすることが重要になります。そのためには、競合となりやすい他社の研究も忘れずに行いましょう。「なぜ同業他社ではなく塩野義製薬を志望するのか」という視点から志望動機を説明することで、同社の事業の根幹にある基本方針に共感していることもアピールできます。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
塩野義製薬における事業の方向性や、どういった人材を欲しがっているのか、企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。塩野義製薬の場合、「古風ながらもやりがいを感じられる社風」であることを意識し、「事業の影響力や意義を考えながら仕事に取り組める人材」だと印象づけられるようなさまざまなエピソードを用意し、面接の流れに応じて披露できる準備をしておくとよいでしょう。
以下に面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分がこれらの質問をされたらどのように答えるか、面接対策の一環として質疑応答のシミュレーションに役立ててみてください。
塩野義製薬の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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