2021年06月21日
石油や化学製品のプラント建設を手がける千代田化工建設への転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
石油精製や石油化学などの大規模プラントを手がける千代田化工建設(以下、千代田化工)は、日揮グループ、東洋エンジニアリングとともに国内の「エンジニアリング御三家」と称される企業です。しかし、海外のLNGプラント事業で大幅な赤字計上が続いたために業績が悪化。2019年3月末に債務超過へ転落したことを受けて、2019年8月1日付で東証一部から二部へ指定替えとなりました。現在は、三菱商事からの増資により債務超過は解消されたものの、経営再建途上にあります。
そのような状況にある千代田化工ですが、口コミを見ると、「数千億円規模のプロジェクトに従事することが多い」「設計から工事まで一気通貫でみれるところが良い」「事業スケールの大きさを体感できる」など、大型プラントならではの壮大なプロジェクトに、多くの社員がやりがいを感じていることがわかります。
また、「どこにいてもインターナショナルな仕事ができる」「日本の会社で海外企業とガチンコ勝負しているのは、プラントエンジニアリング会社ぐらい」「いろいろな世界を見てみたい人には最適の職場」というように、世界を股にかけた仕事に魅力と誇りを感じている人が多いようです。「海外出張もしくは海外赴任の機会が多々ある」「海外プロジェクトにアサインされたら、メールも会議も英語」という環境のため、高い語学力が求められます。
このようにさまざまな文化をもつ人が共存するグローバル企業でありながら、古き良き日本企業の文化も残した社風で、働きやすさを感じる人が多いようです。口コミからは、異なる文化をもつ人たちが互いの考えを尊重し、協力し合いながらチームワークで仕事を進めていくことの大切さを学べることがよくわかります。多彩なレクリエーションも開催されており、年齢や勤務年数にかかわらず、言いたいことが言えるような社風もグローバル企業ならではの魅力と言えるでしょう。
同社の面接にあたっては、会社の経営状況をしっかりと理解し、チームワークやダイバーシティを重んじる社風にフィットした人財であることを伝えられるとよいでしょう。
コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、口コミなどの情報によると、2回程度の面接を経て内定となるようです。中には、性格診断テストを受けたという口コミもあります。
千代田化工では現在、事務系・技術系問わず幅広い職種で中途採用の募集がおこなわれています。いずれの職種も求める人物像として挙げられているのは、次の2点です。
(1)経営理念に共感し、経済的な付加価値と社会的価値を追求する意欲の高い方
(2)国や文化、考え方ややり方の違いを乗り越え、多様性を受入れながらひとつの目標に向かって全体最適の観点で仕事を進めていくことに魅力を感じられる方
こうした採用情報については、必ずコーポレートサイトで確認をしておきましょう。
千代田化工の面接における最大の特徴は「英語面接」でしょう。多くの面接経験者から「英語でのディスカッションがあるので準備したほうがよい」というアドバイスがあります。自己PRはもちろん、多少の日常会話ができるような準備をしておくのが賢明です。予期せず英語で問いかけられた際、萎縮せずに機転を利かせて対応できるかという点も見れらますので、英語のレベルにかかわらず堂々と応じることが大切です。
質問内容は、オーソドックスなものがほとんどのようです。面接の雰囲気も多くの経験者が「和やかだった」と感じています。回答の際、内容はもちろんですが、論理展開や言葉の選び方などさまざまな点から、チームビルディングに必要なコミュニケーション能力も見極められます。
英語をしっかりと学んでいれば構えすぎる必要はありませんが、自分のペースで対応するためにも、事前にできる準備は万全におこなっておきたいものです。
面接を受ける前に、千代田化工の経営再建策である「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」を理解しておきましょう。
同社は現在、三菱商事と三菱UFJ銀行からの支援を受けて再生計画に取り組んでいます。損失の原因となった主要プロジェクトについての検証を踏まえ、「リスク管理体制の高度化」「EPC遂行管理能力の進化※」「人財の高度化・拡充」という施策を打ち出しました。特に、人財に関しては、年齢を問わず優秀な人物を抜擢していく方針です。
※EPCとは、Engineering(設計)・Procurement(調達)・Construction(建設)の頭文字を取ったもの
再生計画資料より
そのうえで、「成長分野の確実な取り込み」「想定リスクレベルを上げた体制での受注の徹底」「固定費削減による下方耐力の強化」を進めていくとしています。これらを成し遂げるためには、今まで以上にプロフェッショナルなスキルや、チームで仕事を達成できる資質が必要になってきます。
また、中長期的には、エンジニアリングの価値を再定義し、事業領域の拡大と多角化を目指すとしています。そのため、同社の社風でもある多様性や柔軟性がますます重要になってくるものと思われます。会社の経営再建をかけた重要な局面でどんな貢献や挑戦ができるのかを自己分析に落とし込み、面接の場では積極的にアピールしてください。
再生計画資料より
再生計画資料より
面接でよく聞かれる質問のひとつとして、「なぜ千代田化工か」というものがあります。この質問によって面接官は、「入社後に本当にやりたいことは何か」「これまでのキャリアをどのように活かすつもりなのか」といった点を確認し、「チームに貢献できる人物か」「会社の再建や成長に貢献できる人物か」を見極めます。
この質問に答えるためには、同社についての研究だけではなく、競合他社との違いを明らかにしたうえで、入社への意欲を語る必要があります。したがって、競合他社の研究は不可欠です。少なくとも「エンジニアリング御三家」と呼ばれる以下の企業については、徹底的に研究をおこないましょう。
千代田化工が目指している方向性や、どういった人財が必要とされているのかがわかってきたのではないでしょうか。
さまざまな文化をもつ人が共存する同社では、互いの考えを尊重し、協力し合いながらチームワークで仕事を進めていく風土が根づいています。面接にあたっては、そうした社風の中で自分を成長させたいという意欲はもちろん、経営再建中という局面に立ち向かう覚悟も伝えられるとよいでしょう。「チームの一員として、ともに改革を進めていける人財」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
千代田化工建設の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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