0 編集部が注目した重点ポイント
① 2026年4月に大規模な組織体制へ移行する
既存の5つの事業分野を再編し、2026年4月より「国内ビジネス」「海外ビジネス」「社会インフラ」「モビリティ」「トランスポート」「企業投資」の6部門体制へ移行することを決定しました。あわせて意思決定を迅速化するCxO体制を導入し、グループ横断でのガバナンスを強化します。組織の枠組みが変わることで、新たなキャリア機会が生まれる可能性が高まっています。
② AI・エネルギー転換への戦略投資を加速させる
構造的変化に対応するため、米国でのデータセンター事業における戦略的協業を拡大。また、国内では系統用蓄電池事業の投資決定済み出力が約500MWまで拡大しています。最先端の社会インフラ構築を金融・アセットの側面から支える同社において、デジタルと環境の両面でプロジェクト推進人材の需要が高まっています。
③ ロシア関連の保険和解金で純利益が大幅に伸長する
航空機事業におけるロシア関連訴訟が結実し、第3四半期までに税後557億円の保険和解金を計上しました。これにより、同期の純利益は前年比60.9%増の1,159億円と過去最高の水準にあります。この潤沢な資金をもとに将来の成長に向けた財務健全性の維持と戦略投資の強化が図られており、攻めの姿勢が鮮明です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期決算 IR資料 P.5
売上高
1兆401億円
(前年同期比 +2.8%)
当期純利益
1,159億円
(前年同期比 +60.9%)
2026年3月期第3四半期の連結累計期間は、売上高が1兆401億円(前年同期比2.8%増)、経常利益が1,114億円(同9.6%増)となりました。特筆すべきは親会社株主に帰属する四半期純利益で、前年同期比439億円の大幅増益を達成しています。これはロシア保険和解金の計上が主因ですが、一過性要因を除いたベースの利益も前年同期比で+60億円のプラス成長となっており、本業の収益性も向上しています。
通期利益予想1,000億円に対する進捗率は115.9%となっており、目標を既に超過する順調な状況です。第4四半期にはリスクバッファー(約320億円)の計上を見込んでいますが、それでも期初計画を大きく上回るペースで推移しており、業績の勢いは極めて強いと評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期決算 IR資料 P.7
国内リース
事業内容:情報通信機器、自動車、産業工作機械などのリース・ファイナンスを国内全域で展開しています。
業績推移:純利益は191億円(前年同期比11.3%増)。NTT・TCリースの持分利益増加が貢献しました。
注目ポイント:金利上昇環境下でもスプレッドの改善やパートナーとの共同投資により利益を打ち返しています。自治体向けのカーボンニュートラル推進など、テーマを絞った機動的なリソース投入が進められており、コンサルティング営業の経験を活かせる場面が増えています。
オートモビリティ
事業内容:オートリース、レンタカー、中古車販売などのモビリティサービスを提供しています。
業績推移:純利益は100億円(前年同期比32.6%減)。システム関連の特別損失計上が影響しました。
注目ポイント:ニッポンレンタカーサービスが過去最高益を更新。インバウンド需要の取り込みや貸渡単価の向上が結実しています。システム刷新によるデジタル変革も加速しており、ITを活用したサービス設計ができる人材へのニーズが顕在化しています。
スペシャルティ
事業内容:航空機、船舶、不動産、事業投資などの専門性の高いアセットを扱っています。
業績推移:純利益は834億円(前年同期比165.7%増)。保険和解金が大きく利益を押し上げました。
注目ポイント:航空機事業(ACG)においてボーイング737 MAXを50機発注するなど、次世代機体への入れ替えを加速。不動産分野でも物流施設やデータセンターなどの成長アセットへ積極投資しており、グローバルかつ専門的なアセットマネジメント能力を磨ける環境です。
国際
事業内容:東アジア、アセアン、北米、中南米などグローバル拠点を通じた多角的な金融サービスです。
業績推移:純利益は94億円(前年同期比3.2%減)。特別損失の計上があったものの、基礎収益は拡大。
注目ポイント:中南米でIT機器以外の物件(フォークリフトや空港車両)の買収を行うなど、事業領域を多角化させています。CSIのグローバルネットワークを活かしたM&A戦略を推進中であり、海外での事業開発やPMI(買収後統合)に関わる機会が豊富にあります。
環境インフラ
事業内容:太陽光・バイオマス等の再生可能エネルギー事業、系統用蓄電池事業を展開しています。
業績推移:純利益は21億円(前年同期比157.2%増)。売却益の増加とバイオマス発電の収益改善が貢献。
注目ポイント:系統用蓄電池の投資を累計500MWまで拡大。再エネ供給の安定化という社会課題に直結するプロジェクトを主導しています。英国や米国での太陽光発電開発権益の取得も進めており、エネルギービジネスの最前線でキャリアを築くことが可能です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期決算 IR資料 P.14
同社は2026年4月より、従来の事業分野の垣根を超えた「ビジネスライン」と「高度なソリューション提供」を実現する新組織体制へ移行します。この変革の狙いは、顧客ニーズや社会課題に対して有機的に連携し、提供価値を最大化することにあります。また、アドバンテッジパートナーズ(AP)の株式を追加取得し協力体制を強化。企業投資事業の拡大を本格化させており、事業承継や企業再生といった難易度の高い案件に関心のある人材にとって、非常に挑戦しがいのある環境が整いつつあります。
中期経営計画2027の達成に向け、純利益1,000億円、ROE10%の維持を目指す中、生成AIの進展に伴うデータセンター需要の増大やエネルギー転換など、追い風を確実に捉える戦略を打ち出しています。専門性の高い人材の育成・採用を経営理念の基盤として掲げており、自ら変革を牽引するバイタリティを持ったプロフェッショナルの採用意欲は、組織再編に伴い一層高まることが予想されます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
「単なる金融・リースの枠組みを超え、社会インフラや脱炭素ビジネスの実務に深く関わりたい」という意欲が評価されやすいフェーズです。特に、2026年からの新組織体制において、複数の事業領域をつなぐことでどのような相乗効果を生み出せるか、自身の強みを具体的に紐づけて話すことが有効です。
Q&A 面接での逆質問例
- 「2026年4月からの新組織体制への移行により、部門間の異動やキャリア形成の柔軟性はどのように変わると期待されていますか?」
- 「米国データセンターや系統用蓄電池事業など、高度な専門性を要するプロジェクトにおいて、中途採用者に求められる最も重要な素養は何でしょうか?」
- 「AP(アドバンテッジパートナーズ)との協業深化により、企業投資分野での新たなポジションや役割はどのように拡大していく計画でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
取扱金額も億円単位と多額
取扱金額も億円単位と多額になる為、金額の単位を見てやりがいも出てくる。また関わる企業数も多岐に渡り、勉強になる事は多い。
(30代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東京センチュリー株式会社 2026年3月期 第3四半期決算 IR資料(2026年2月6日発表)
- 東京センチュリー株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月6日発表)



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