0
編集部が注目した重点ポイント
① 生命保険事業の譲渡と組織統合で経営を効率化する
2025年7月に連結子会社であったイオン・アリアンツ生命保険の株式譲渡を完了しました。さらに、2026年3月1日付で中間持株会社であるAFSコーポレーション等を吸収合併することを決定しています。事業ポートフォリオを「決済」「融資」「銀行」のコア領域へ再編しており、組織のシンプル化によって意思決定の迅速化とリソースの最適配置が進む見通しです。
② AEON Pay会員数1,000万人突破で決済基盤を拡大する
スマホ決済「AEON Pay」のID登録会員数が2025年11月末時点で1,030万人を突破しました。2025年2月にWAONバリュイシュア事業を譲受したことで、電子マネーとコード決済を融合させた独自のサービス展開が可能になっています。利用可能箇所数も376万箇所まで拡大しており、グループの顧客基盤を背景とした圧倒的な成長スピードは、デジタル推進職種にとって大きな魅力です。
③ 金利上昇局面で銀行とカードのシナジーを最大化する
国内の金利環境変化に伴い、イオン銀行での預金利息や住宅ローン金利の改定を実施しました。普通預金残高が期首差2,686億円増と順調に拡大しており、低利な調達機能を活かした高利回り資産の積み上げが収益力を強化しています。銀行の店舗とカードカウンターの一体運営も全国9拠点に拡大しており、「小売発の金融事業」の再設計に向けた現場の連携が加速しています。
1
連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.3
営業収益
4,215億円
前年比 108%
営業利益
417億円
前年比 110%
経常利益
422億円
前年比 108%
純利益
144億円
前年比 105%
当第3四半期累計期間は、国内およびアジア各圏域で営業収益・営業利益ともにプラス成長を維持しました。純利益については、2025年7月に実施したイオン・アリアンツ生命保険の株式譲渡に伴う特別損失の計上がありましたが、本業の堅調な推移により増益を確保しています。
通期予想に対する進捗率は、営業収益で74%、営業利益で73%に達しており、業績は概ね順調に推移しています。期末に向けては、国内の「あとから分割払い」の利用拡大や、国際事業での債権管理強化による収益性のさらなる向上が期待されます。
2
事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.29
国内・リテール事業(イオン銀行等)
事業内容:預金、住宅ローン、無担保ローン等の個人向け銀行サービスおよび資産運用・保険の提供。
業績推移:営業収益は1,834億円(前年比126.6%)と大幅増収ながら、金利上昇による費用増で営業利益は44億円に。
注目ポイント:金利環境の変化に対応し、2025年3月より預金およびローン金利を改定。住宅ローンでは、住宅価格高騰に対応した最長50年の借入期間延長を実施するなど、市場の変化に即した商品設計を強化しています。銀行店舗とカード拠点の融合が進んでおり、対面とデジタルのハイブリッドな顧客体験を設計できる人材が求められています。
国内・ソリューション事業(イオンフィナンシャルサービス等)
事業内容:クレジットカード、スマホ決済「AEON Pay」、電子マネー等の決済プラットフォームおよび加盟店開拓。
業績推移:営業収益1,404億円(前年比102.0%)、営業利益100億円(同453.0%)と驚異的な利益成長を記録。
注目ポイント:2025年2月にWAONバリュイシュア事業を譲受したことで、役務取引等収益が飛躍的に拡大しました(注:前年同期は未譲受のため一部単純比較不可)。「AEON Pay」と「電子マネーWAON」の残高移行機能など、利便性の高いアプリ開発を推進中。ビッグデータを活用したマーケティングや決済セキュリティの高度化において、IT・エンジニア職のニーズが急増しています。
国際・中華圏
事業内容:香港を中心としたクレジットカード、個人ローン事業の展開。
業績推移:営業収益263億円(前年比101.3%)、営業利益81億円(同126.6%)と増益。
注目ポイント:香港での経済回復を背景に、飲食店や交通機関での非接触(NFC)決済ポイント特典を拡充。外部信用情報を活用したスコアリングモデルの精緻化により、貸倒関連費用を抑制し大幅な増益を実現しました。リスク管理の高度化における専門人材の貢献度が非常に高いマーケットです。
国際・メコン圏
事業内容:タイを拠点にベトナム、カンボジア等で個品割賦・個人ローンを展開。
業績推移:営業収益747億円(前年比104.5%)、営業利益109億円(同106.4%)を達成。
注目ポイント:ベトナムのファイナンス会社を連結子会社化したことで圏域の収益基盤が強化されました。タイでは洪水等のマクロ環境悪化がありましたが、与信の引き締めと債権管理強化により利益成長を継続。ASEANでの金融包摂を推進するダイナミックな環境での経験が可能です。
国際・マレー圏
事業内容:マレーシアでのクレジットカード、デジタルバンク事業の運営。
業績推移:営業収益740億円(前年比111.5%)、営業利益89億円(同102.2%)と好調。
注目ポイント:2025年8月に事業者向けのデジタルバンク口座開設を開始。さらに小売大手のAEON Co. (M) BHD.と新会社「AEON360」を設立し、グループ横断のプラットフォーム開発に着手しました。マレーシア市場における「イオン生活圏」の拡大という、壮大なスケールのプロジェクトが進行しています。
3
今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.26
同社は2025年度までを「変革フェーズ」とし、低収益事業の譲渡や組織統合といった抜本的な見直しを断行してきました。2026年度からは「成長フェーズ」への移行を予定しており、「決済」と「融資」を再定義した新しい金融モデルの構築を目指します。
注目すべきは、フィンテック企業「AND Global社」との戦略的パートナーシップです。AIを活用したスコアリングやデジタルレンディングのノウハウを国内・アジアで展開する計画で、金融×ITの領域で即戦力人材が強く求められています。また、マレーシアでのデジタルバンクの本格稼働や事業者向け融資の開始など、海外でも新たな収益源の創出が加速する見通しです。
4
求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「生活者視点の金融」を掲げる同社において、決済と銀行の統合による新しい価値創造に魅力を感じている点は強力なアピールになります。特に「AEON Pay」の1,000万人超の会員基盤を活用したマーケティングや、ASEANでの金融包摂(デジタルバンク等)といった具体的な成長戦略に自身のスキル(IT、与信管理、事業開発等)をどう紐付けるかがポイントです。
面接での逆質問例
・「AFSコーポレーションの吸収合併により、銀行事業と決済事業の連携は具体的にどう深化すると考えていますか?」
・「マレーシアでのデジタルバンク事業において、事業者向け融資の展開はどのような職種・スキルセットが最も貢献できる領域でしょうか?」
・「AND Global社との協業によるAIスコアリングの導入は、既存の与信管理業務にどのような変化をもたらすと想定されていますか?」
5
転職者が知っておきたい現場のリアル
リアルでの顧客タッチポイントは強み
イオングループの店舗が全国にあり、競合と考えられる他社と比較すると、リアルでの顧客タッチポイントは強みであると考えております。
(20代後半・経営企画・男性) [[キャリコネで面接事例を見る]]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- イオンフィナンシャルサービス株式会社 2026年2月期 第3四半期 決算説明資料(2026年1月8日)
- イオンフィナンシャルサービス株式会社 2026年2月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年1月8日)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。