2021年06月21日
火薬、染料、医薬品メーカーを源流とし、ニッチ市場で活躍する総合化学メーカー、日本化薬。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートからは見えない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
1916年に創立され、日本で初めてダイナマイトを製造した日本火薬製造株式会社を前身とする日本化薬。後に染料メーカー、製薬会社を吸収合併し、現在の総合化学メーカーとなりました。
戦争や高度経済成長など大きな歴史的転換期にも常に世の中の細かな需要に応えながら成長してきた同社。事業領域は、機能化学品、抗がん薬などの医薬品、火薬技術を生かしたセイフティシステム関連、農薬を扱う農業関連と幅広く、産業や生活のいたるところで同社の製品は活躍しています。コーポレートスローガンである「世界的すきま発想。」をまさに体現し、ニッチな各市場で力を発揮しています。
研究・開発職やMR(医薬情報担当者)、営業職などが活躍する同社の口コミを見てみましょう。「基本的に年功序列」「保守的であまりチャレンジをしない」という口コミがある一方で、「MRは裁量労働制でメリハリのある働き方ができる」「社会的意義のある仕事なのでやりがいを感じる」などの意見が多く見られます。課題はあるものの、やりがいを持って真面目に仕事に取り組む気風が見てとれます。また、「研修がしっかりしているので中途入社でも安心できる」「温厚な人が多くて穏やかな雰囲気」「住宅補助やカフェテリアプラン制度など福利厚生が充実している」などの口コミからは、風通しが良く社員を大切に育てる社風も見えてきました。
日本化薬では「KAYAKU spirit」という企業ビジョンを持ち、その中には行動の「動」を「働」と表記する「行働指針」が定められています。中途採用では同社の社風にフィットし、この指針に沿って行動できる人材が求められています。
日本化薬の採用情報は、コーポレートサイトのキャリア採用ページで確認することができます。2020年4月現在、生産技術、品質管理などいくつかの職種で中途採用を募集しています。
応募は、履歴書と職務経歴書を郵送、またはメールにて人事部採用担当宛てに提出します。書類選考の結果は通過者のみに通知され、その後数回の面接がおこなわれます。面接経験者の口コミによると、面接は人事部との一次面接、部門担当との二次面接、役員との最終面接となっているようです。
選考にかかる期間は、2週間~1ヵ月とのこと。またエージェント経由でも募集をしているようなので、希望者は確認してみるとよいでしょう。
日本化薬の中途採用面接では、志望動機を重点的に問われる傾向があるようです。
MRを志望し不採用となった面接経験者は口コミの中で、「なぜこの職種を希望するのか」と問われ、入社さえできればよいと考えていた「動機の薄さ」に対する反省の色をにじませています。志望動機は面接において根幹となる部分です。まずは自己分析や企業研究を深めて志望動機を丁寧に整理した上で、それを論理的に伝えられるよう練習することが重要です。
また、「今まででもっとも辛かったことは」という質問をされたという口コミもありました。候補者の、ものごとに対する考え方やストレス耐性、問題への対処の仕方などを知ろうとする意図がうかがえます。こうした一般的な質問にも、なるべく具体的なエピソードを用いて回答し、問題解決能力や前向きさをアピールできれば有利になるでしょう。
日本化薬の面接を受ける前に、「KAYAKU Next Stage」を理解しておきましょう。同社は、持続的成長を見据えた長期スパンの目標として「2025年のありたい姿」を全社で共有しています。これまでも3ヵ年周期で中期事業計画を策定し、中期スパンで評価と再設定を繰り返しステップアップを図っています。2017年度からの「Take a New Step 2016」では売上を毎年伸ばし、最終年度に1700億円台を見事達成、長期計画の実現へ向け着実に歩みを進めてきました。
KAYAKU Next Stageにおける売上高と営業利益目標
日本化薬コーポレートサイトより
KAYAKU Next Stageの重点テーマ
日本化薬コーポレートサイトより
転職を考えるにあたって「なぜ日本化薬なのか」は自分の中で必ず明確にしておきたいところです。面接官は、これを問うことで「この人はなぜ転職を考えているのか」「なぜ当社を希望するのか」ということに加え、「当社をどれくらい理解しているか」を確認しようとしています。日本化薬について製品情報やIR情報などから多角的に研究し、特徴や魅力をよく理解した上で志望動機を語れば説得力が増します。
また、業界や職種を超えて日本化薬を理解するには、競合他社の研究も重要です。日本化薬でなければできないことは一体何なのか、自身の信念や仕事に対する考え方とどこが合っているのか、他社との比較をすることでより具体的に浮かび上がってくるでしょう。取り扱う分野の多い同社にとって、競合と呼べる企業も多岐に渡りますが、一例として以下のような企業についてあらかじめ研究しておくことをおすすめします。
企業研究を通して日本化薬が目指している方向性や、中途入社社員に求める人材像が分かってきたのではないでしょうか。日本化薬の場合、真面目に仕事に取り組む社風にフィットし、社の行働指針に沿って業務を遂行できる人材であることが求められます。PDCAをスピード感を持って回し、自主的に行動できる人物であると印象づけられるよう、これまでの経験の中からさまざまなエピソードを用意して対策を進めてください。そして「この人を採用したら会社にとってメリットがありそうだ」と期待を持ってもらえるよう、会社の方向性と自身のキャリアを照らし合わせて分析しておくことも大切です。
以下、実際に経験者が面接で聞かれた質問ご紹介します。想定できる類似の質問なども合わせ、一度自身に置き換えてシュミレーションをしてみるとよいでしょう。
日本化薬の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
この記事の執筆者
KAYAKU spiritと行働指針
日本化薬コーポレートサイトより