2021年06月21日

【面接対策】朝日新聞社の中途採用面接では何を聞かれるのか

国内発行部数第二位の全国紙である「朝日新聞」を発行する朝日新聞社への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。


朝日新聞社の採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

朝日新聞社(以下、同社)は、読売新聞に次いで国内で二番目に発行部数の多い新聞紙「朝日新聞」の発行を主な事業としています。1879年に大阪で大衆向け新聞社として設立され、1882年には編集方針として「報道中心」と「公正無私」を掲げるようになり、現在まで同社に継承されています。入試問題として利用されることも多いコラム「天声人語」や社説といったコンテンツ、また社会の声を幅広く収集した紙面づくりが同社の特徴です。読者層としてはホワイトカラーや企業の意思決定層が日本経済新聞に次いで多く、最終学歴が大学・大学院卒である層が他の新聞紙と比較して多いという特徴があります。

朝日新聞媒体資料2020より 朝日新聞高読者層データ抜粋

また、近年ではデジタル版の購読者獲得に向けた取り組みや、新規メディア創設といったことに注力しています。一例を上げると、「メディアラボ」と称した新規メディア・サービスに特化した組織を設立し、動画メディアを新たに立ち上げたり、同社が保有するテキストデータを利用したAIの研究に取り組むなどしています。若年層を中心とした紙媒体・新聞離れを背景に、これまでのノウハウを活かしつつ新しい分野を積極的に開拓していると言えるでしょう。

そんな同社については「自分のアイディア次第で創意工夫ができる」「世間や読者を意識して仕事の水準を高く設けている」といった口コミがあり、編集方針を反映したような社会へ高くアンテナを張る人が多く自由闊達な社風が伺えます。また「会社の名前が大きいので営業先でもひとまず話を聞いてもらえる」「福利厚生が充実している」「基本的にはのんびりした人が多い」といった口コミもあり、国内第二位の大手新聞社ならではの働きやすさも見られます。

同社の面接では、このような社風に合う人物かどうかが見極められるでしょう。

選考は何次まで?

同社の選考では書類選考を経て、スキルチェックと複数回の面接が行われます。回数は非公開ではありますが、口コミなどによると3回程度おこなわれるようです。

最新の募集状況はホームページの「社会人採用」に記載されており、採用枠が充足されたら公開停止となるためこまめに内容を確認しておくと良いでしょう。記者部門・ビジネス部門・技術部門の3つの部門で採用枠があり、取材記者の場合は原則年2回のみ選考をおこなっています。また、採用情報ページには、社員のインタビューも掲載されているため、事前に目を通して入社後のイメージを具体化しておくと良いでしょう。

面接内容の傾向は?

同社の面接は終始穏やかで、話しやすい雰囲気でおこなわれることが多いようです。また面接内容としては、志望動機や転職理由といったオーソドックスな内容に加え、新聞社ならではの質問がされることが想定されます。

例えば、朝日新聞の記事で評価できる記事・できない記事、最近の世界情勢や社会現象・事件事故や政治情報で特に注目していることや、朝日新聞の紙面構成についての意見を求められたという口コミがあります。志望動機についても、他の新聞社と比べてなぜ同社なのか、また、なぜテレビやラジオではなく同社なのかと、掘り下げられて質問されることがあるようです。

面接対策としては、朝日新聞の歴史や方針を理解し、また実際の紙面に目を通したり、他紙や他メディアとの比較によって同社の特徴や強みについて把握することが重要となります。

朝日新聞社の面接攻略法(面接対策)

朝日新聞社の企業理念を理解した上で自己分析をする

同社の面接に望む前に、企業理念について理解しておきましょう。ホームページの社長あいさつによると、同社の企業理念は「ともに考え、ともにつくる」というものです。これは2016年に新たに掲げられたもので、読者のくらしや社会を豊かにするような総合メディア企業を目指し、またそれぞれのライフステージやライフサイクルに合わせた質の高い情報を届けるという考えを表現しています。

朝日新聞東京本社 会社案内2020より 社長あいさつ

この背景には、東京電力福島第一原発事故や慰安婦報道の記事の取り消し、またそれにともなうコラムの掲載を見送ったことが当時問題視され、読者や世間からの信頼回復をはかるために策定された行動計画があります。この行動計画では、公正な姿勢や多様な言論の尊重、問題の解決策を探求することが掲げられました。

同社はこの行動計画や企業理念に沿って、社内外の数人で構成され編集部門から独立した立場で報道内容を点検する「パブリックエディター制度」や朝日新聞への反論・異論を掲載する「フォーラム面」を新たに作るなどしています。また、ホームページ上に企業理念をテーマにした連載コンテンツも定期的に更新されています。実際の紙面に加え、行動計画や企業理念にも目を通しておきましょう。面接に臨むにあたっては、従来から掲げている編集方針に加え、新たに取り決められた企業理念についても理解した上で自己分析を行ない、自己アピールにつなげると良いでしょう。

「なぜ朝日新聞社に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

同社の面接においてよく聞かれる質問の一つに、「なぜ朝日新聞社なのか」といった志望動機を問うものがあります。面接官はこの質問を通じ、応募者の熱意や同社への興味関心・理解度を判断しています。この質問への回答に説得力を持たせるため、同社の理念や事業内容について理解しておくことはもちろんのこと、朝日新聞の朝刊・夕刊・デジタル版に目を通して特徴を把握しておきましょう。また、新聞協会賞の受賞内容を参考に、同社が報じて話題になった記事についても目を通しておくと良いでしょう。

併せて、競合他社の企業情報や新聞紙についても情報収集をし、志望動機の参考にしましょう。具体的には、下記の企業について調べておくことをおすすめします。

●読売新聞グループ(読売新聞東京本社、大阪本社、西部本社)
●産業経済新聞社
●株式会社毎日新聞社
●株式会社日本経済新聞社

朝日新聞社の採用面接で実際に聞かれた質問内容

同社の企業研究や他社研究を通じて、どのような人材が求められているかわかってきたのではないでしょうか。大衆向け新聞社として設立され、現在も社会の声を拾い上げることを重視している同社では、編集方針や企業理念について共感しそれに沿った行動ができる人材が求められます。また、応募職種が記者以外であっても、社会の出来事にアンテナを高く張り、自分なりの意見を持って同社にフィードバックできるかどうかが面接では重視されています。

以下に、過去の面接で実際にあった質問内容をご紹介します。内容に目を通し、面接のイメージを具体的に持てるようにしましょう。

[20代前半・男性/法人営業] 【結果:一次面接で不採用】

質問

朝日新聞で何を成し遂げたいか。

回答

前職が営業だったため、報道機関を支えるポジションでありながら…(口コミの続きとアドバイスを見る

[20代後半・男性/記者] 【結果:一次面接で不採用】

質問

あなたがうちで仕事することで、うちにとってどんなメリ

回答

自分のこれまでしてきた経験が御社で生き、御社のメリットになる、とい…(口コミの続きとアドバイスを見る

[30代前半・男性/広報] 【結果:4次面接以上で不採用】

質問

なぜ新聞か.なぜ朝日か.なぜビジネスか.なぜ広告か。

回答

例えば産経新聞などの政府寄りの新聞社がある以上,リベラル派の朝日新聞…(口コミの続きとアドバイスを見る

朝日新聞社の採用面接に向けて

同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

●社会へ高くアンテナを張る人が多く自由闊達な社風に合致し、活躍できる人材であることをアピールする。

●企業理念や編集方針を理解し、それに沿った自己分析を行って自己アピール・志望動機につなげる。

●五大紙を含め競合他社について情報収集し、「なぜ同社なのか」に対する答えを明確にしておく。


以上3つのことを中心に面接対策をおこない、面接当日は「同社にとって必要な人材である」ということをアピールしましょう。

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