2021年06月21日
自転車業界のインテルとして知られ、世界でも圧倒的なシェアを誇るシマノへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
自転車部品と釣具のメーカーとして知られるシマノ。創業は1921年で2021年には創業100周年を迎える老舗企業です。代表取締役社長を務める島野容三氏は5代目で、創業時から島野家が代々就任してきました。スポーツ用自転車部品の圧倒的なシェアを持ち、国内はトップ、世界においても約85%を占めていると言われています。さらに、釣具メーカーとしても、国内外で上位シェアです。
アウトドア製品を取り扱っていることから、社員にはサイクリングや釣りを趣味としている人も多数。口コミからは、自社製品に誇りを持ちトップシェアという座におごることなく、アグレッシブに挑戦する姿勢を感じることができます。また、実際に面接を受けた方の口コミで「大阪弁は話せますか?」というものがありました。この質問の意図は、もちろんそのままの意味ではなく、ものづくりの現場の人々とコミュニケーションをはかる職種のため、面接時の丁寧なやりとり以外の対応もできるのかを知りたいということだったようです。(大阪弁という表現は、同社が大阪府堺市発祥であり本社を置いているため)
このように、堅苦しくない自由で風通しのよい社風が特徴です。面接では、このような環境にフィットし活躍できる人材であるとアピールすることが大切です。
選考は、書類通過後、英語試験と適性検査、2回の面接で構成されています。
口コミによると適性検査はSPIを使用しており、テストセンターに受けに行った方も見受けられました。面接官は、担当部署と人事部門が担当しているようです。
現在募集中の職種は、開発設計、生産技術・製造、管理部門と大きく分けて3つです。さらに開発設計であれば、電気回路設計やファームウェアなど3種類。生産技術・製造は電気や機械の生産技術など6種類、管理部門は人事制度企画や知財業務など、こちらも6種類の募集があります。
採用ページには、それぞれの具体的な仕事内容や必要な経験、求める語学スキルなど詳細な募集要項が掲載されています。自身のキャリアと応募先の求めるスキルや条件がずれていないか、しっかりと確認してから応募するようにしましょう。
面接内容は、一般的な内容がほとんど。「転職を希望するきっかけや理由」「志望動機」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」などについて、自身の考えをまとめておくことで対応可能といえます。
また、「入社後に実現したいこと」について繰り返し質問されることもあるようです。例えば、「その夢や目標はいま働いている会社では実現できないのか?それはなぜか?」といった具合です。目標を達成するために具体的に行動したことを伝え、その結果やはり転職が必要と判断したということを面接官に納得してもらう必要があるでしょう。さらには、その転職先としてシマノを選んだ理由も繋がっていなければいけません。
なお、面接の雰囲気はフランクとは言い切れないまでも和やかという口コミが多数ありました。しっかりと準備をしておくことで、安心して臨めるでしょう。
シマノの面接を受ける前に、基本理念や経営方針、行動指針を理解しておきましょう。
まず、掲げている基本理念は「もっと自然へ、もっと人へ」。自転車用部品や釣具といった「こころ踊る製品」づくりを通じて、アウトドア分野の発展と新しい文化の創造を目指すとしています。
つづいて経営方針ですが、掲げているのは4つ。「顧客満足」「オープンな経営」「従業員満足」「地球環境」への配慮です。そしてチームシマノとは、世界各地に約50の拠点を構え事業を展開している全ての従業員の総称がチームシマノであり、基本理念やさまざまな方針を共有している集団です。チームシマノは3つの行動指針を掲げており、「自己啓発」「挑戦」「実行力」です。
出典:シマノのコーポレートサイトより
また、2019年12月末時点の売上高は約3,632億円、営業利益は約680億円と順調で、営業利益率はなんと約19%。創業時から、「本当によいものを世界の人々にお届けしたい」という考えのもと、1965年には米国に進出するなど、いち早くグローバル展開を始めました。今日においても80%以上が海外での売り上げです。
面接の際には、基本理念、経営方針や目指している方向性、そして行動指針を理解したうえで、自身はどのように貢献できるのかを伝えることが大切です。さらに、グローバルに活躍できる人材が求められていると言えるため、語学力や海外駐在経験、海外事業に携わった経験がある方は積極的にアピールするとよいでしょう。
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜシマノなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向です。それと同時に、「募集しているポジションにマッチするかどうか」や、「業界や職種、会社についてどの程度理解しているのか」を見極めているといえます。
面接の前には、上記のような質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておきましょう。また、会社理解を深めるにあたって、競合となる他社も含めた業界研究が不可欠です。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。上から2社が自転車部品事業、下から2社が釣具事業の競合です。
●カンパニョーロ(Campagnolo s.r.l.)
●スラム(SRAM LLC)
●グローブライド株式会社(旧ダイワ精工)
●ピュア・フィッシング・ジャパン株式会社
同社が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。シマノの場合、「堅苦しくない自由で風通しのよい社風」といえます。このような環境において、実力を発揮できる人材であると、具体的なエピソードを交えて伝えることが大切です。また、基本理念を理解したうえで、どのように貢献できるのかをまとめておきましょう。
以下では面接経験者が、実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
シマノの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「堅苦しくない自由で風通しのよい社風」であることを理解し、そのような環境で力を発揮できる人材であることをアピールする。
●基本理念を理解してこれに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜシマノなのか」に対する答えを明確にしておく。
面接では、質問の意図を読み取り回答することが大切です。本記事を参考に、自分の考えをしっかりとまとめておきましょう。
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