2021年06月21日
自動車向けブレーキ装置の開発・製造・販売を軸として事業を展開している日信工業への転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。
1953年に自動車用ブレーキ部品の製造を目的として設立された日信工業。
同社は社是として、「常に、世界の変化に先駆けて、お客様さまと社会のニーズに応え、優れた商品と技術とアイデアを供給する」を掲げています。2020年5月現在、国内に3拠点、海外に10拠点を有し、国内外で事業を展開する企業に成長しました。
同社は基本理念で「自立・公正・機会平等」を掲げており、主体性や責任を持つこと、法令やルールを守ること、等しく与えられた機会を生かすことを大切にしています。口コミでも、「個人の裁量が大きいので自分の思うように進められる」「基本的には自分で手をあげれば、その仕事ができるような風通しの良い社風」という声が多くあることから、社内に基本理念が浸透していることが分かります。
一方で、「保守的な企業であり、物事を慎重に考える傾向がある」という口コミも見られます。自動車用ブレーキという「安全・安心」を前提とした製品を提供していることもあり、スピードよりもリスク管理をしっかりとして慎重に物事を進める風土もあるようです。
近年、世界的にSDGsへの取り組みが注目されていますが、同社も社是を軸として「環境」と「安心」をモットーに、省資源・省エネルギーの製品開発を目指しています。世界の変化に目を向けて、より良い製品をお客様に提供していく。そのために、慎重さと自立性を持って、仕事に取り組む。このことに共感し、基本理念と社風に合致した人材であるかを面接では見極められます。
日信工業の採用ホームページに選考の流れの記載はありませんが、各種求人サイトや口コミによると、書類選考と筆記試験後に面接が1回あるようです。ただし、職種によって異なる可能性がありますので、選考を受ける際には必ず採用担当者に確認してください。
2020年5月現在、開発職、知的財産管理業務、法務職を募集しています。開発職の中でも8種類の業務に分かれているので、募集要項を確認して自身の経験とスキルがマッチしている職種を選びましょう。
勤務地は、長野と栃木の開発センターがメインですが、将来的に海外赴任の可能性もあります。また、車による通勤になる場合がありますので、免許や車の有無も判断基準になるでしょう。
仕事とプライベートを含めた今後の自分のキャリアを考えた上で、同社の仕事内容や勤務地を選択することをおすすめします。
同社の面接は、志望動機やこれまでの経歴を確認する一般的な質問が多いようです。口コミによると、「嫌な同僚、先輩、後輩とはどう仕事をするか?」「ストレスがたまったとき、どう対処するか?」というストレス耐性を確認する質問もされています。開発職でも技術的なスキルよりも人となりや対人スキルを重視した面接のようです。
また、同社の製品、工場、施設についてどう思うか聞かれたという口コミもあるので、企業研究をしっかりとして同社の強み・弱みを把握できているかどうかも評価のポイントといえます。
なお、同社は海外にも拠点を持つグローバル企業でもあるので、過去には海外勤務が可能かどうかも問われています。自己分析を入念におこない、「自分の目標は何か」を明確にした上で、日信工業でできること、今後のキャリアプランを語れるよう準備をしましょう。
面接に臨む前におさえておきたいのが、日信工業の中期経営計画です。同社はブレーキ装置とアルミ加工を軸にして事業を発展させてきました。今後の経営方針も二輪車、四輪車、アルミ加工の分野を取り巻く事業環境を捉えて、ニーズに合った戦略を立てています。二輪車、四輪車に関しては、規制緩和や自動運転などの技術革新に伴い、事業構造の再構築も視野にいれています。アルミ加工の分野では、車体の軽量化が世界のニーズとして強まっており、生産能力の拡大を行う予定です。
出典:日信工業 2019年度(67期)上半期決算説明会資料より
また、同社は2019年10月30日に日立オートモーティブシステムズ、ケーヒン、ショーワと経営統合することを発表しました。今後の自動車業界は以下の図のとおり、世界的に環境規制・安全規制の変化、技術革新により多くな変革期を迎えています。経営統合の目的は、新しいシステム・付加価値の高い新技術をスピード感を持って提供し続けるために、各社の強みを組み合わせてシナジー効果を発揮することです。
日信工業はモットーにしている「環境」と「安心」を実現するために、この経営統合によって業界最先端の世界的メガサプライヤーになることを目指しています。2020年5月現在、基本契約の締結までの発表になっていますが、今後は本格的な経営統合に向けて進捗状況がリリースされる予定です。
出典:日信工業 2019年度(67期)上半期決算説明会資料より
中途採用者には中期経営計画と経営統合を十分理解してこの方針を実行することが求められています。それゆえ、「自立性を持ち、自ら手をあげて仕事を進める人材」が求められると考えられます。経営方針を自分の仕事に落とし込んで業務を進められる人材であることアピールできると有利になるでしょう。
中期経営計画の研究を通して日信工業への理解がより深まったのではないでしょうか。中途採用面接では、「なぜ日信工業か」という質問に対して的確に回答することが重要です。志望動機に関する質問では、「日信工業の経営理念、目指す姿を理解しているか、実現できる人材なのか」を見極めようとしています。
同社をさらに深く研究するために、競合先と比較して分析することをおすすめします。経営統合後は業界内でも大きな売上シェアを持つ企業になるでしょう。「日信工業だから実現できること」という視点を志望動機に取り入れると、入社への意欲・熱意が伝わりやすくなります。
口コミでもライバル企業としてあげられている競合先を以下にご紹介します。他社と比べて同社の強み・弱み・勝てるところはどこかを分析してみてください。
同社の目指している姿や社風が、企業研究を通じて見えてきたかと思います。基本理念と中期経営計画を意識して「慎重さと自立性を持って経営方針を実現できる人材」であると印象づけられるよう、これまでの経験を振り返り具体的なエピソードを用いてアピールできるようにしておきましょう。
以下、過去の面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされた場合、自分ならどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
ここまで、日信工業の採用面接を受けるにあたって押さえておきたいポイントをご紹介してきました。これらを踏まえて、次の3点を準備しておきましょう。
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